みかんのつぶつぶ
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2003年05月05日(月) 出勤

出勤風景
みんな無表情でホームへ並び、
その様子はまるで事務所のPCみたい。
スクリーンセイバーをかけた顔顔顔。
私もそのなかの1台になる。

地下鉄の匂い、
電車が到着するときの風、
景色のない窓、
あの頃と何も変わらない雰囲気に少し戸惑う。
変化したのは私、
別にそれで世の中が動くわけもない。

最近、
彼が元気だった頃の笑顔を思い出す。
でもその裏側には、
坊主頭で車椅子姿の彼。
地球の回転が速くなってるんだって。
だから寿命も早くなるのかな、とか
思考は散漫

駅までの道端に枇杷の木があり、
この間まで枯葉が残っていたのに
もうその葉の間には実をつけている。

そう、もうそんな季節なんだ。
そんな季節もあったんだ。
そんなときもあったんだ。
そんな日々もあったんだ。

そんなことばかり考えながら
道々歩く。

人ごみに紛れて歩く私がまたいるんだなあと、
どこかで眺めているもうひとりの私もいて。

生きていくって、
こういうことなんだ。
自分の寿命が伸びればその代償として、
別れを経験しなければならないのだろう。
悲しいのは人間として生まれた代償として、
神が与えた試練なのだろう。

何もなかったように、
生きていく私。
何もなかったように、
空へ旅立った人たち。
でも、
何もなかったわけじゃない。

忘れないで。
忘れないで。
忘れないよ。







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