みかんのつぶつぶ
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2003年07月04日(金) 潮の香りに。

泣く理由を探さないと泣けないことってある。
とことん泣きたいのに、素直に感情が出てこなくって、
悲しい気持ちを表わす術を忘れてしまったように、
ただただ途方に暮れてしまうこと、があることを知る。

海からの風が吹いてきているのだろうか、
夕暮れの風に潮の香り。
海水浴で笑う彼の顔を思い出す。
波間ではしゃぐ子ども達の笑顔と声が蘇える。
心の奥にあるファイルを偶然に開けてしまったような感覚。

ノスタルジー。

七夕なんだなあと思いながら、
星を探す空と、潮風に涙を飲む。

どこかで花火を打ち上げる音。
夏なんだなあとパソコンの前で聞き耳をたてるその場面は、
去年も一昨年もその前も、繰り返される夏のある日。
私は変わらずここにいる、
けれど辺りを見まわせば、
影すらない人々の存在を思い知る。

いないことが悲しいんじゃなくて、
いないと思うことがとってもとっても辛い。


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