みかんのつぶつぶ
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泣く理由を探さないと泣けないことってある。 とことん泣きたいのに、素直に感情が出てこなくって、 悲しい気持ちを表わす術を忘れてしまったように、 ただただ途方に暮れてしまうこと、があることを知る。
海からの風が吹いてきているのだろうか、 夕暮れの風に潮の香り。 海水浴で笑う彼の顔を思い出す。 波間ではしゃぐ子ども達の笑顔と声が蘇える。 心の奥にあるファイルを偶然に開けてしまったような感覚。
ノスタルジー。
七夕なんだなあと思いながら、 星を探す空と、潮風に涙を飲む。
どこかで花火を打ち上げる音。 夏なんだなあとパソコンの前で聞き耳をたてるその場面は、 去年も一昨年もその前も、繰り返される夏のある日。 私は変わらずここにいる、 けれど辺りを見まわせば、 影すらない人々の存在を思い知る。
いないことが悲しいんじゃなくて、 いないと思うことがとってもとっても辛い。
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