夕暮塔...夕暮

 

 

名を呼んで - 2002年04月26日(金)

名を呼んで 笑って囁き手をのべて 求めるほどに かつえてゆくようで




…………





友人とコンサートへ。一昨日急に招待券が手に入ったからとかかってきた電話、私は彼女みたいな熱烈なファンというわけではないけれど、なかなか好きなアーティストだったので、二つ返事で同行させて貰うことにした。友人の父親が役付き職を務める大企業、そのCMソングを彼らが歌っている関係で回ってきたチケットらしい。チケットとは言っても席の場所の記載がない。「きっといい席なんだろうけど…どこなんだろうね? すごい前の方とかだったら、どうしよう!」 彼女はすっかり舞い上がっていて可愛い。素直で感情表現豊か、プラスもマイナスもストレートに、胸を開いて人と付き合う彼女の姿勢が私はとても好きだ。

早い夕食を摂って、彼女のお母様と合流して会場へ向かう。もの凄い人の渦で入場口もごった返しているが、スタッフの人に招待状を見せて入り口を尋ねると、マスコミや関係者用の特別ゲートへ案内される。受付で芳名帳に記名を求められて少し驚く。勿論荷物などノーチェックで、「ロイヤルボックス」と書かれたチケットと、「終了後、楽屋へご案内しますので、こちらのラベルをお貼り下さい」とゲストシールを渡される。今度こそ本当に驚いて、仰け反りそうになった。
「……ほ、本人に会えるって事…よね!?」 受付を離れて、切羽詰まったように呟く友人の顔が見る見る赤くなっていく。何だか私にも伝染してしまいそうな位、彼女が動揺しているのがわかる。

「…死んじゃうかも」 と真剣に言う彼女を冷ややかに見つめるお母様は、既にお仕事用の顔になっていて、その対比が少し面白くて困る。


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