夕暮塔...夕暮

 

 

恋闇 - 2002年05月27日(月)

かの声の確かに響きし覚えして 振り向けば静か夏の恋闇



かの声が確かに響いた心地して 振り返る夏の哀しき恋闇




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上司の悪い病気が出ている。部下の空いた時間にやたらに新しい仕事を詰めたがる癖、時々空回りして同僚2人の失笑を買っているけれど、私はとりあえず無難に笑って声をかける。「先生、その方は10時からお約束してる方ですよって、さっき言ったじゃないですかー…」 そうだっけ、あれえごめんごめんと上司が笑い、何とか場の空気が緩むのを確認して次の書類を渡す。それでもやや苦しい、今頃2人は顔を見合わせて呆れている事だろう。
この程度ならまだフォローできる、しかしセクハラ言動に至ってはもう無理だ。

「肩、もんであげようか」
「……結構です、凝ってませんから」

フォロー不可能というよりは、する気にもなれずに斬って捨てる。
私の対応はまだ手ぬるいのかもしれない。この無自覚な大人が傷つかないように、そういうのセクハラっていうんですよと笑いをまじえて教えてあげた方が本当は彼の為なのだろうけれど、呆れ返って声も出ない。


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