夕暮塔...夕暮

 

 

ひとことで - 2002年06月11日(火)

ひとことで楽になれる言葉知っている けれど使わない 決して選ばない



君が今投げた言葉を永久にこの世のあらゆる辞書から消したい 




…………




ジョージ・ウィンストンの「憧れ」が流れる窓辺、レースのカーテンが風をはらんで膨らむ。はるか海の向こうの殺伐とした情勢を携帯画面のニュースが淡々と告げている。小さな画面に並ぶ文字、熱波に揺れるこの世の中からまるきり隔絶したように、遠い国では人が人を殺す。だけどろくに語られる事もなく情報は硬質なままに通りすぎていくばかりで、その流れを止めるだけのエネルギーが今の私にはない。恋しくて会えない人を思い出す、年末のメール、あんな些細な事あの人はもう忘れてしまっただろうな、…会わないのは私の不義理でもある。ああ今年も命日が過ぎたと溜め息をつく、初夏に飛び降りた少女の面影、私の覚えている彼女は記憶の中で知らぬ間に歪んでしまっていないだろうか。気になるけれど確かめる気持ちになれないのだ。わかってる、私にこんな事を言う権利はない、だけどどうしても拭い去れない、あなたは知っているのかな、あなたは、色んなものを、変えてしまった。………



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