![]() |
愁雨去り - 2002年06月28日(金) 愁雨去り 君待ち侘びるこの庭に 星滑り落つ音は響きぬ 雨止んで 香る六月闇の庭 君待ちあぐる一輪の百合 ********* *** ** * 珍しく入ったファーストフード、時間が半端なので半分くらいは空席で、殆どが一人で食事を摂っている。騒音の無い、なかなか落ち着く時間帯。何だか無性に脂っこいものが食べたくなった、これはそろそろそういう時期だろうな。昨日もクリームたっぷりのケーキを食べてしまったし、多分間違いない。それにしても見事にほぼ食欲だけで測っている、私の体調把握は極めてファジーだ。痛みを伴わないから気にしないでいられるんだと思う。これは遺伝に感謝しないといけない。母も妹達も、月の巡りで苦しんでいるのを見た事がない、歩けなくなる程辛いと訴えている子もいるのに。 「あなたはちっとも左右されないねえ」とドクターに言われた事を思い出す。…そうですね、私はいつも、割と淡々と上機嫌ですね。確かそんな風に返した。彼もそれに賛同した。私は些細な事で幸せになれるし、余程琴線に触れるような事でなければ、滅多に不機嫌にもならない。 私の座った奥の席からは少し眩しい窓際に、テスト期間だからだろう、この時間には珍しく中学生位の男の子が3人座っている、こちらに背を向けている一人の後ろ姿が弟にそっくりで驚かされた。何度か瞬きして似ていないところを探すけれど、何なのだろうあれは、これではあまりに似過ぎている。 あの名前も知らない少年が、私の愛しい子だったらいいのに。よく似た肩と背中、いつまでも見ていられたらいいのにと一瞬思う。だめだな、やはりどこか人恋しいのだろうか。今どうしているのかな、会いたい、声を聴きたい。 -
|
![]() |
![]() |