夕暮塔...夕暮

 

 

三日月ひとつ - 2002年08月11日(日)

野の西に 三日月ひとつ星ひとつ きらめきて夏の宵に入るかな



血の縁で結ばれし子を救いあげ少女そのまま力尽きぬと





************** ***   **     *





血縁という言葉は、噛締めてみれば何という重さだろう。沖縄で今日亡くなった女の子は、溺れたいとこを助けて水際の友人に託した後、力尽きたのか自らがそのまま水に沈んでしまったという。夏は取り分けこの手のやりきれないニュースでいっぱいだ。
海難事故の報せを聞く度思い出す事件がある。世の中にこんな悲しくて優しい偶然があるのだろうかと、あの時わたしは初めて思い知った。もはや殆ど薄れてしまっている彼の面影を夏の瞼に映す、私は彼の、遠慮がちで穏やかな笑顔しか知らなかった。


-




My追加

 

 

 

 

INDEX
←過去  未来→

Mail 日録写真