日々是迷々之記
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先日近所のレンタルビデオ店が5本レンタルすると半額の日だったので、よっこいせと5本レンタルしてきた。
そのうちの1本、「デブラ・ウィンガーを探して」を見た。女優のロザンナ・アークェットが、同業者である女優達にインタビューしてそれのみで構成される、ドキュメンタリーである。テーマはずばり「おんなの自分探し」であった。
観た感想。めちゃくちゃ共感するし、「子育てが犠牲じゃないなんて嘘よ。無責任な物言いだわ。」とか、「映画は年に1本て決めているの。それなら3ヶ月は家にいることができるから。でも、3ヶ月も終わりに近づくと何か自分を表現したくなるの。」とか、日本的な母親像からすると、糾弾されてしまいそうな表現がストレートに出てきたのが気持ちがいい。
会社の同僚の人とかを見て思っていたのだが、仕事、母親、妻を全部完璧にやる姿がちょっと痛々しい。しんどいわぁと言っているので、体調悪いんですか?と聞くと、前の晩に3人の子供が1時間おきに帰ってきて、そのたんびにお肉焼いて、おつゆ暖めて、寝たのは2時なのよ、とのことだった。世間のおかあさんてそんなに自己犠牲しているんだったのか、と私は冷や汗をかくと同時にやっぱり親にはなれないと感じた。
映画の中では、8歳の娘が行かないで!私も行く!とすがりついて来たときどうするか、ということを話し合っていた。そのうちの一人が、「一緒に来てもいいけど、あなたはホテルでずっと一人で待たなければいけないの。おもちゃも絵本もないのよ。お友達もいないの。それでもママと一緒に来たいの?」と言うと言った。その一方で、その年齢のその子に接することができるのはその瞬間しかないと悟り、休業する人もいた。
しかし、一方で年齢を重ねた女優がどうあるべきか?というのも語られていた。なぜなら、男優に比べて女優は年齢が限られている。アル・パチーノ、ロバート・デニーロと同じ年齢層の女優はおらず、強いて言えばメリル・ストリープとスーザン・サランドンがその域に将来届くだろうということだった。作り手が男性である以上、若手か主婦くらいの年齢の女性にしか目がいかず、40もしくはそれ以上の年齢の女性の役自体がないのだとも言っていた。
でもだ、実際この「デブラ・ウィンガーを探して」に出てくる女性はみんなとても魅力的だった。ウーピー・ゴールドバーグの人なつっこくて、スラングを連発したあと小さく舌を出したりするところや、今は引退してしまったデブラ・ウィンガーだって柔らかく上品で、高級な毛布のようなすてきなおばさんだった。(ちなみに料理研究家の栗原はるみ先生に感じが似ている。)
とまぁ、30女であるわたしは非常にこの映画を楽しんだわけだが、この映画を男性が観たらどう思うか考えるとちょっと恐ろしかった。映画好きなら、ある程度好意的に観るだろうが、その他、そこらのおっさんや、大作しか観ないような20代の若者は、「おばはんが何ぬかしとんねん。」というように感じるのではないだろうか?きっと多分そうだと思う。
加齢を成熟ととらえるような文化が生まれれば、若いだけで価値があるみたいな考え方も少しは減ると思うのだが。と、思う一方で、加齢が無神経、傲慢、自己中心主義に拍車をかけているだけの人が目立つのも事実。うーん、オチがないなぁ。
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