2004年04月20日(火) キャシャーンがやらねば誰がやる。
「新造人間キャシャーン」が実写映画としてリメイクされましたね。事前情報が手に入らないままにTVCMを見て吃驚しました。でも実写とはいえ、やっぱりほとんどがCG処理になってしまうのね。「映画のすべてはアニメーションであり、実写はその中の特殊な一分野でしかない」という押井守監督の言葉はやっぱり正しいのだなあ、と再確認したりしました。
主人公のキャシャーンを誰が演じているのかはCMを見る限りでは判らないのですが、調べてみると怪ッ体な(いい意味で。≒おもしろい、くらいの意味)配役で。ほかのキャストはともかく、ブライキング・ボスが唐沢寿明くんだというだけで鑑賞欲30%増。唐沢くん好きだ。二枚目も三枚目も善人も悪役も自在にこなしてしまい、違和感をまったく感じさせないという特性は俳優として大変な強みだと思う。その上で自分自身の個性も殺さずに俳優という自分以外になりきってその個性を押し出す仕事を無理なく遂げているところが既に尊敬の領域かと。
ほか、東博士役が寺尾聡さんだとか、謎の男(笑)に及川光博もと王子だとか、この辺りだけでもおもしろい。もと王子は公式コメントの最後に「LOVE」と添えてしまうところが好感度大ですね(個人的に)。
70年代のタツノコプロ作品はリメイクされることが多いようです。それだけ時代や世相や新たな思想、理想などが盛り込まれた重厚な作品が多いということです。私が幼い頃に「キャシャーン」や「ガッチャマン」は本放送されていましたが、いまにして思えばお子さまが見るには重いテーマや細かい演出がとても多かったようです。現代に於いて大人向けにリメイクされるのも判るような気がします。
「たったひとつの生命を捨てて生まれ変わった不死身の身体、鉄の悪魔を叩いて砕く、キャシャーンがやらねば誰がやる」という芥川隆行氏(故人。芥川龍之介の孫に当たるナレーター)の名ナレーションの文句もそのままに使われているところがオールドファンにはうれしいところです。TVシリーズでは次回予告の最後に必ず「キャシャーンがやらねば誰がやる」とくっついたのですが、その度に一緒に見ていた私の姉が「私がやる!」と宣言していたことも懐かしい思い出です(卒業式風)。
……フレンダーは誰がやるの?(素朴な疑問)