つたないことば past|will
太陽が高くなって、木々の下に黒い影を落した午後 ぼんやりと外を眺める君がいた なんだかひどく遠いところを見ているような それとも本当にただぼんやりしているだけなのか ほんの少ししか離れていない僕の存在すら 気づいていないようだった きみはいつまでも遠くを眺めて たまにため息をついたりして それでも目は遠くを見ていて 僕もずっときみを見ていた 君の黒い眸に何が映っているのか 僕にはわからないけれど 君には見えていたんだね 僕が見えなくなってしまったものを 君には感じられたんだね 僕が忘れてしまったことを 昼下がりの日の光 木々の落とした黒い影 僕はいつしかその中にとける
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