※外法帖CDドラマ発売まで、いよいよ残り10日切りましたね。火附盗賊改が中心の話、とのことですが、どんな物語になるのでありましょうか? 多分榊さんではなく、御厨さんがメインなんだろうなあ。複雑な気分・・・御厨さんも好きなキャラなだけに。ま、それが分かっているからこそ、こちらは榊さんメインで好き勝手なSS、書く事が出来るんですけどね(苦笑)。 で、こっちのSSではやっと《龍閃組》の登場であります。主人公は話がややこしくなるため登場しませんが、メインの4人組ともう1人、ちゃんちゃん☆ も当初は思いもしなかった女性が出てくれます。事件の性質上、彼女以上の適任はいないんですけどね、考えてみれば(汗)。でわっ! *********************** 茂保衛門様 快刀乱麻!(4)外法帖 身支度を整えたあたしは、御厨さんと一緒に京橋へと足を運ぶ事にした。さっき与助に言った、木綿問屋の笹屋って店へ行くためにね。どう考えてもこの事件、笹屋も無関係とはとても思えなかったから。 え? だからどうして笹屋が、岸井屋の主・焼死に関連あるのか、ですって? ・・・そう言えばまだ、説明してなかったわね。じゃあ、簡単で良かったら教えておいてあげるわ。 ********************* 1月前のおろくの付け火、のことなんだけど、あたし言ったわよね。 「この小津屋って商人は店を大きくするためにって、裏では結構あくどい事をしてたって有名だった。主を怨んでたり、殺したいと思ってた人間は山ほどいた」って。 ・・・まあ先に結論を言っちゃえば、その容疑者たちの中に岸井屋の主・又之助と、今訪ねようとしている笹屋の主・久兵衛(くへい)がいた───ただ、それだけのことなの。 ただ彼ら2人は当初あたしたちの間では、他の容疑者とは別格に扱われてた。何故かって? こともあろうに2人とも、火事が起きた時刻前にたまたま小津屋へ訪れてて、顔を合わせてたからよ。 何でも彼らは揃って、店はそこそこに繁盛させてはいるものの、小津屋に相当な借金があったって話。その返済日が間近に迫り、どうもまだ返す事が出来る目星がつかないからと事件当日、返済を待ってもらおうと別々に頼みに来たんだけど、けんもほろろに突っぱねられたらしいわ。 「金を返さない人間は、うちの敷居をまたぐ資格などないわ!」って。 おまけにその時、玄関口で小津屋の主が、 「今度会う時は、そちらの店の看板を戴きに参上する時だろうなあ」 ・・・なんて、よせばいいのにわざわざ怨みを売りつけるような嘲笑混じりの言葉を浴びせ掛けたのを、近所の人間が何人も目撃している。 火の気が上がったのは、その直後の事だった───。 ───こうなると動機の点からも、岸井屋と笹屋を疑わない方が不自然よね。火事で証文が焼けてしまえば、小津屋の借金は返さずに済むんだもの。当然、店の看板を取られる心配もないし、殺してやりたいって怨みもかなりあるはずだし、ってことで。 おまけに2人とも、玄関口で追い出されたその後で、何故か店の裏口から出て来たのも目撃されてたのよね。裏口から入るところはあいにく、見られてなかったらしいけど。 で、泣く子も黙る火附盗賊改方役宅へ呼ばれた2人は───どちらかと言うと多弁だったのは、今回死んだ岸井屋の方だったけど───揃って主張したの。 「確かに自分たちは追い出された後、小津屋にとって返した。だけどそれは再度返済日の延長を申し入れるためで、裏口から入ったせいか結局会えなくて、諦めて戻って来た」ってね。 でもさあ・・・「結局会えなくて」って話が、どこまで信じられると思う? 本当は小津屋の主とばったり出会って、前以上に罵られた挙げ句にカッ! となって火を付けた、ってこともありうるわけじゃない。それを隠したくて「会えなかった」って口走っちゃったとしても、人間の心理としてはよくあることよね。 こうなったら、2人を拷問して白状させるしかない、って担当者が考えてたら、又之助が思い出したようにこう、言ったらしいの。 「そう言えば裏口から引き返してきた時、油売りの行商に会いました。赤い、子供の手作りみたいな不器用な繕いのお守り袋を下げている男でしたが、彼に聞いて下されば分かります。私どもが出て来た時はまだ、小津屋は火など付いていなかったはずだということを」 ってね。 ・・・もっとも、そうなる前におろくが火付を白状したから、本格的な取り調べは行なわなかったらしいけど。 笹屋も岸井屋も、さぞや胸をなで下ろしたでしょうよ。おろくが罪状を認めるのがもう少し遅かったら、「白状しない限り生きて出られない」と噂の拷問を、受ける羽目になったんだから。 もっとも、それから1月もたたないうちに原因不明の焼死をとげるとは、思いもよらなかったでしょうけど・・・。 ───分かったでしょ? 笹屋の主が、岸井屋の主の死に関連があるかもしれないって理由が、さ。 さすがに笹屋が殺した、とまでは言わないわよ。だけど、岸井屋が今回あんな目に遭った理由について、心当たりくらいあってもおかしくない、って思わない? 何せ2人には共通点があるんだもの。借金で店を取られそうになっていて小津屋を怨んでいた事、小津屋から火が出る直前に「揃って」店を後にしている事、とりあえず火傷は負わずに済んだ事───なんて、一見重箱の隅を突っつくみたいなものではあるけれど。 万が一にも、岸井屋と同じような怨みとか買っていたとしたら・・・今度狙われるのは笹屋の方、ってことになり兼ねないわ。そしてその恨みを晴らす場所が人けのない屋外じゃ無く、燃えるものがいっぱいある家の中だったとしたら・・・! 罪もない町人達が、また巻き込まれて犠牲になったんじゃ、たまったものじゃないわよ。 ********************* 「・・・何だか平和よね。この間龍泉寺で、あんな物騒な事があった後とは思えないくらいに」 あたしはゆっくりと歩きながら、一歩下がってついて来る御厨さんにそう話し掛ける。 良い天気だわ〜。空がどこまでも青いこと。仕事がなかったら、のんびりと散歩でもしたい気分よ。 「そうですね。最近は大宇宙党も、鬼道衆とやらも目立った動きは見せていませんし」 そう頷きながらも、御厨さんの顔色は冴えない。 ・・・ま、そうでしょうね。いわゆる嵐の前の静けさなんじゃないかって、あたしだって思っちゃうもの。あの胡散臭い黒蠅翁なんて奴が、思わせぶりな言葉を残して消えたりしなかったら、あたしだってもう少しは楽天的な考え、出来たと思うんだけど。 あたしたちの複雑な思いとは裏腹に、町人たちは今日も元気に動き回ってる。 今もちょうど目の前を、天秤棒を担いだ魚の行商人が通り過ぎて行ったわ。 その姿を何となく見送っていたあたしだけど、ふと思い出す事があって御厨さんに聞いてみることにした。 「・・・ねえ、御厨さん。そう言えば結局、岸井屋たちが言っていた油売りには話、聞く事が出来たんだったかしら? 記録には残ってなかったみたいだけど」 「それなんですが・・・」 荷物を積んだ荷車をよけながら、律義な御厨さんは渋い顔で応えてくれる。 「あの火事の後、その油売りは浅草に姿を見せなくなったそうなんです。確かに火事の前までは、よく灯油を売りに来ていたみたいなのですが」 ちらちらと周囲をうかがいながら、人が近寄ってこないのを見計らって御厨さんは話を続けた。 「・・・聞くところによると、その油売りは小津屋の近所の長屋の連中に、灯油用の魚油を売りに来てたと言う話です。馴染み客が多いと言う事で、毎日のようにあの近辺に売りに来てたとも聞いています。もちろん、火事当日も」 「なのに、今はぱったりと来なくなった・・・?」 「ええ。・・・もっともその油売りは、小津屋から火が出た時に結構近くにいたそうで、真っ先に油を抱えて逃げたらしいですが」 「ま、それが賢明でしょうね」 だって売ってた油に火が付いたら、油売りが焼死するくらいじゃ済まないわ。火事の被害がもっと拡大した可能性もありうるし。 「多分、その時の恐怖のせいで、油売りを再開できずにいるんじゃないか、というのが近所の者のもっぱらの噂で。現に、あれから家で寝込んでいるらしいですから」 「根性ないわねえ、その油売りも・・・馴染み客取られても、知らないから」 どうせだからその行商人に、岸井屋たちの火事前の様子とか聞いておきたかったんだけど。小津屋とは関係ない別の事件が、あったかもしれないし。 でも───寝込んでいるって言うんじゃ、そうもいかないわね。今回は諦めましょ。 *********************** そうこうするうちに、あたしたちはやっと目的地の京橋・木綿問屋の笹屋へ辿りついたわ。 「?」 ───だけど到着早々、何だか不穏な空気を感じたのよねえ。だって評判によるとここの店、小津屋に取られそうになるくらいには繁盛してる、って話じゃない。 なのに今、店先には誰もいないのよ。繁盛してるって言うんなら、御用聞きの1人くらい、配置しておくもんじゃない? おまけに玄関先に無造作に脱がれている草鞋、全然揃えてないと来てる。これじゃ見た目にも悪いわ。 この店、本当に繁盛しているんでしょうね? 何だか想像していたのとは違って、荒んでいるような気がするんだけど。 「・・・声をかけてみますか?」 「そうね。まさか黙って上がるわけにも行かないでしょう」 御厨さんがあたしに伺いを立ててから、奥へ向かって声を発しようとしたまさに、その時。 「お帰り下さい! 帰って!!」 せっぱ詰まった女の声で、御厨さんてば思い切り出鼻をくじかれちゃったわ。あらら〜、可哀想☆ でも・・・変ね。声はすれども姿は見えず。少なくともここからじゃ、声の主の姿は伺えないわ。つまり家の奥からも、あたしたちは見えないはず。 なのにどうして向こうは、あたしたちが来た事を知ったのかしら? 「ちょっと待てよ。どうしてそんなに目くじら立てるんだよ?」 「おちつけ蓬莱寺。そう喧嘩腰になる事もないだろう」 ・・・え? 今の男たちの声、さっきの女の声と違って聞き覚えがあるわよ。ひょっとして「帰って」って、こいつらに対して言ったってこと? でも、何で・・・。 「ねえ、怖がってないでボクたちに任せてよ。炎の鬼なんて、きっとやっつけてあげるからさ」 「そ、そんなもの知りません。ウチの人が火傷をしたのは、単なる事故です! さっさと帰って下さいな!」 「お願いですから聞いて下さい。もし本当に笹屋さんに火傷を負わせたのが炎の鬼なら、また狙われる危険が・・・」 「違うと言ってるでしょう!?」 随分感情的な声に急き立てられるようにして、玄関先に姿を現したのは5人の男女。 ああ・・・やっぱり、声に聞き覚えがあると思ったら───運の悪い事に、あたしたちには彼らとは面識があったりするのよね・・・☆ そして向こうも、よもやあたしたちがいるとは思いもよらなかったらしく、ギョッと目を剥いてたわ。 「げえっ!? 御厨(はっちょうぼり)はともかく、何でホ・・・」 「茂保衛門よ、もほえもんっ! 何度言ったら覚えるのっ!!」 「御厨殿・・・榊殿まで、どうしてここに・・・」 「お前たちこそ、どうしてここへ来ているんだ?」 あたしの名前を間違って覚えてる、失礼千万な風来坊の剣士は、確か蓬莱寺京梧。そして一応は礼儀を知ってる風の、図体が妙にデカい僧侶の方は、醍醐雄慶・・・だったわよね? で、さっきからここの家の女───きっと笹屋の女房ね───に食い下がってる女2人も当然、あたしたちとは顔見知り。 髪が短くて女らしくない言葉づかいの方が、弓道道場の娘・桜井小鈴。そして髪が長くて、(くやしいけど)清楚な美人の方は確か・・・医者の手伝いをしてるって言う、美里藍・・・よね? 薬の入っていそうな包みを持っているから、きっと治療か何かのためにここを訪れていた、ってところかしら。 ───実は彼らこそが、与助の言う《龍閃組》。何とも騒々しい公儀隠密なのよ。あたしもつい最近まで、彼らの正体は知らなかったんだけどさ。龍泉寺なんて怪しげなところを根城にしてる、いかがわしい連中としか思ってなかったから。 しかしまさか、こういうところで鉢合わせしちゃうなんて、ね。 ・・・って、あら? よく見ると、1人知らない女がいるじゃない。 蓬莱寺たちと一緒にいるって事は、やっぱり彼女も《龍閃組》なんでしょうけど・・・何だかやけに、存在感薄いわね。 桜井に負けず劣らず髪が短くて、露出度が高い着物を身に付けてる彼女は、美人なのに何だか冷たい感じの、人間味を感じさせない印象を受けた。 その目が不意にこちらへと向けられ───ひた、と固定される。 「あなたがたのその髪型・・・町奉行ではなくて、火附盗賊改ですね? こちらにはどのような用向きで来られたのです?」 ・・・ちょっと待ちなさいよ。 初めて会ったって言うのに、開口一番、名乗りもしないでいきなり詰問!? どういう態度よ、それ! それに、聞いてるのはあたしたちの方なの。何で逆に聞かれなきゃいけないのよ! 「あんたたちに教える義務はないわ。特に、自分から名乗りもしない女に対しては、ね・・・」 与力の貫禄を見せ付けてやったのに、女は全然ひるむ気配を見せない。・・・どころか、思い切り睨んで来るなんて、ホントいい根性してるわね。 何者なのかしら、一体。 「ちょ、ちょっと待ってよ涼浬サン、火附盗賊改がそう簡単に、自分たちの仕事の内容を教えられるはず、ないじゃないかあ」 険悪な雰囲気を察したんでしょうね、慌てて桜井があたしたちの間に割って入って来たわ。 ・・・ふん、ただ元気が取り柄のおてんば娘かと思ってたけど、結構気遣いできるじゃない。少しだけ、見直してあげる。 もっとも『涼浬』の方は今一つ納得してなかったみたいだけど、蓬莱寺が目で叱り付けるようにし、桜井には泣き付かれるような格好になったせいか、渋々・・・本当に渋々って感じで、自己紹介をしたわ。 「・・・失礼いたしました。私は王子で骨董品店を営んでおります、涼浬と申します。以後、お見知りおきを」 言葉だけ聞いてると、それなりに丁寧なんだけど・・・いかんせん、目が全然笑ってないのよ、この女。 それに、こんな不愛想な女が骨董品店の主ですって? ちゃんとやっていけてるのかしら。まあ、こいつの店が潰れようとあたしの知ったこっちゃないけどさ。 「俺は火附盗賊改方同心、御厨惣州と言う。そしてこちらは俺の上役で与力の、榊茂保衛門さんだ」 あたしがむっつりと黙っているので、代わりに御厨さんが涼浬とやらに紹介してくれたわ。気が利くわよねえ、ホントいい部下を持ったわv ところが、御厨さんの言葉に息を呑んだ人物が、ここにはいた。 他ならぬ、笹屋の女房よ。まあ、当然って言えば当然よね。町奉行所ならともかくも、あたしたち火附盗賊改が出張ってくるなんて、めったにないことですもの。一体何の用だ、って身構えてるんでしょうよ。 ・・・そう、思ったんだけどね・・・。 「ひ、火附盗賊改・・・・!?」 ───その声には、予想以上の脅えの色があった。そう、隠している事を嗅ぎ付けられた、って言う者独特の、恐怖の表情が。 そう言えばさっき、桜井と美里が彼女に対して、変な事言ってなかったかしら? 『炎の鬼なんて、きっとやっつけてあげるから』 『笹屋さんに火傷を負わせたのが炎の鬼なら、また狙われる危険が・・・』 ───まさか・・・!? 「笹屋とやら」 御厨さんが動く前に、あたしは笹屋の女房に詰め寄ってきつく言い放つ。 「・・・よもやあなた、失火があった事実を隠しているのではないでしょうね?」 その途端。 彼女の顔からは、血という血が一気に失せてしまったかのように見えた。 「い、いえ、そのような・・・」 「ですけど、さきほど気になる事を聞きましたよ。ウチの人が火傷をした、と」 「そ、それは・・・」 「実は私たちは、その久兵衛殿に会いに来たのですよ。もちろん仕事で。もしあなたに後ろ暗い事がないのなら・・・会わせてもらえますよね?」 「・・・・・」 青褪め、ガタガタとふるえ出した女房だけに聞こえるように、あたしは小声で言ってやったわ。(唇の動きで内容を≪龍閃組≫に読まれないよう、念のため口元は手で隠してね) 「・・・岸井屋の又之助もね、炎の鬼に殺されたんですよ。あたしの目の前で」 「ひぃっ!?」 効果は想像以上だったわ。笹屋の女房は半ば、腰を抜かしてしまったもの。 浅草と京橋で少し離れていることもあって、商売柄名前はお互いに知ってはいたものの、岸井屋・又之介と笹屋・久兵衛が会ったのは火事の日が初めてだ、と聞いてたわ。でも・・・。 この様子だと十中八九、彼女「も」又之助のことを知ってるわっ! ───何があったのか分からない、って様子の《龍閃組》を尻目に、あたしは普通の声に戻って話を続ける事にした。 「もし久兵衛殿が火傷を負った理由が、失火ではない別の理由があると言うのなら、ことと次第によっては死罪にならなくて済むと思うのですけどね。・・・とにもかくにも、話は奥で伺うといたしますか。会わせてもらいますよ、久兵衛殿に」 まるで魂をどこかへ持ってかれてしまったような表情の女房は、あたしの言葉にふらり、と立ち上がった。そして、ゆっくりと家の奥へと歩いて行く。 ついて来て下さい、ってことなんでしょうね、きっと。 あたしは草鞋を脱いで玄関に上がると、硬い表情の御厨さんへ肩越しに申し渡した。 「御厨さん、悪いですけれどそこで、彼らを見張っていて下さいな。・・・素人に火附盗賊改のお仕事に割り込んでこられては、正直言って迷惑ですからね」 「迷惑」と口にした時、心の中では「危険」とも言い添える。 いざって時に将軍さまの手足となって働いてもらわなくちゃならない彼らに、こんな小規模な事件で身辺を煩わせるわけにはいかないわ。万が一にも怪我でもされたらコトだもの。 ───そんなあたしの気持ちが分かってくれたんでしょうね。御厨さんは珍しく眉をひそめることはなく、指示に従うべく実に気持ちのいい返事をしてくれた。 「分かりました、榊さん」 「な・・・何だとっ! 俺たちをしろ・・・」 「だから少しは落ち着かんか、蓬莱寺」 素人呼ばわりされ、今にも食って掛かってきそうな蓬莱寺だったけど、背後から醍醐に羽交い締めにされ、御厨さんにも止められてしまう。 とりあえず女性陣は、追ってくる様子はない。 それを確かめてから、あたしはゆっくりと、笹屋の女房の後に続いて店の奥へと入って行くのだった・・・。 《続く》
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