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しもさんの「新聞・書籍掲載文」
しもさん
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1995年05月26日(金)
平凡な生活を大切に(36歳)

読売新聞 朝刊(気流)

夕飯はカレーだった。
特別のメニューというわけではないが、小学校五年の娘が、
最初から最後まで作った初めての料理。
学校の「高原教室」の食事係班長となり、本番に向けて
家内に大特訓を受けているのだ。
こんな平凡な家庭の光景がいい。
「じゃがいもが大きい」と言っては笑い、
「サラダのたまごが半熟」と言ってはすねている。
作り方を暗記しようとする娘の姿が、まぶしく見えた。
いつからか平凡の言葉が死語のようになりつつあり、
一世を風靡した雑誌「平凡」も廃刊になった。
しかし、この言葉が再び、時代のキーワードになる予感がする。
「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」も、
忘れかけていた平凡のよさを思い出させてくれる。
「一生平凡に過ごせたら、それこそ非凡だよ」と誰かが言った。
いま一度、平凡な日々の生活を大切にしていこうと思う。