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しもさんの「新聞・書籍掲載文」
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1997年08月12日(火)
自然の涼風に猛暑吹っ飛ぶ(39歳)

静岡新聞 朝刊(読者の広場)

うだるような猛暑の中、わが町最大のイベント「湧水まつり」が
多くの方の協力を得て、無事終了した。
富士山の雪解け水がこつ然とわき出し、柿田川となって地表に現れる。
そんな天の恵み、水に感謝する祭りだが、
自然の力を再確認させられた行事でもあった。
日中、セミの鳴き声が会場内に響きわたり、体感以上の暑さを感じていたのは、
私だけではないだろう。
ジュースやビール、その他いろいろな飲料水を補給するのであるが、
汗はいっこうに収まることがなかった。
そんな時である。
なぎに近い状態から、すうっと涼風が体全体を包みこんだ瞬間、
今までの暑さが吹き飛んでしまった。
横でだれかがつぶやいた。「あぁー生き返った」と。
台風の影響で予定されていたイベントが中止になった前週も、
自然の威力を感じていたが、今回の涼風はさらに格別である。
夜になり気が付くと、昼間あれほど鳴いていたセミの声はどこかへ消え、
かすかであるが鈴虫の鳴き声が聞こえてきた。
猛暑の中に、しっかりと秋の気配を感じた一日であった。