★ 夏海の日記 ★
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Date: Sat, 31 May 2008 13:04:35 +0900
teaは『病的に』何かとこだわる。 それは、食器を洗って置く、その置き方が少し不安定で滑り落ちたりなんかした日にゃー、エライ勢いで怒鳴り、長い長い説教が始まる。 その不安定さが気にならない私の無神経さに怒り狂い、 その不安定に置かれている物を見ると普通は不安になるものだと言う。 食器を落として割れようもんなら、凄い勢いで罵られる。 もちろんteaが同じ過ちをした場合は、理由を付けて笑い話に終わる。
ドアで指を挟むことを恐れるのは、まぁ仕方がないにしても。
以前いた会社で、『カイゼン』会議がよくあったと言う話を聞いたことがある。 コピー用紙で指を切らない為に、コピーをする時には手袋をはめる。 効率より安全を優先させ、その後に効率を上げれば良い。 そんな体質の会社だったらしい。 「できません」「無理です」は言うな と言われていたそうな。 それが実現可能かどうかは分からないなりに、何か対策はあるはずだからと。 その会社で、teaは将来の幹部になるべく、教育を受けていた。
私が傷を作ること、その可能性のある行為をすること に対して、teaがうるさかったのは、その話を聞いて納得した。 その会社にいた後遺症なんだと思った。 まだ20代の頃の昔の話だけれど、まだその習慣から抜け出せないのかと思っていた。
teaは、いかに効率的にことを成し遂げるか?に対して口うるさかった。 エレベーターに乗ると即座に閉じるボタンを押す。 その何秒のタイムロスが夏海さんの全てを物語っていると言われ続けた。 私は閉じるボタンを押さない。 急いでいる時以外に、その必要性を感じてなかったから。 何秒かに必ずドアは閉まり、エレベーターは動き出すのだから。 teaのおかしなところは、閉じるボタンを押して、階数ボタンを押さない時があることで、 そこまで数秒にこだわるにも関わらず、閉じられた空間に居ながらエレベーターが上昇も下降もしない。 『重要視』しているポイントが私とズレている。 私は笑い飛ばして終わり、 teaは私の生き方を否定してエレベーターが上降しついる間中ずっと持論を喋り続けた。
今朝、突然その理由が判った。 夜にご飯を食べた、teaが置いたままにしている食器がシンクに残っているのを見て、 私は翌日楽をする為に洗うよなぁと思った。
基本的に私は面倒臭がりやで、 面倒だから、色んなことを考えて私が楽をする方法を編み出す。 teaが最後までこだわった、私にはどうでも良いくだらない言い争いをしたやかんの水の量は、 teaはルールに則って、沸騰しても吹きこぼれない量にこだわり、 私は2度沸かさないで良いように、沸騰しても蓋が開いていたらこぼれない量を入れ、沸騰前に蓋を開けていた。 (子供の頃は分からなかった、沸騰する『音』が、普通の主婦には聞き分けられるんですよね) teaが沸かす時にはteaのやり方をすれば良い。 私がやる時に文句を言われる意味が判らなかった。
それと同じように、私が後で楽なように、洗濯物はシワを延ばして干すとか、 タオルはヨレないように干すとか、 ラップやホイルはすぐに仕舞うとか、マヨネーズは使った直後に冷蔵庫へ仕舞うとか、 詰め切りは、切った直後にいつもの場所へ仕舞うとか... 私が努力してどうにかできないものは、何かを使って工夫する。 それは全て私の為に、私が後で楽をする為にすることであって、誰かに強制したりしなかった。 teaの家でも、うーたんの家でも、結婚前の実家でも。
teaは『不便』である、なしに関わらず、『何か』を『カイゼン』することを絶えず考えているようだ。 全国紙ではどうだろう? 今、過労死だか自殺してしまっただかした『トヨタ』の社員が無償で行っていた『QCサークル』なるものが『トヨタ』には存在する。 それは、『トヨタ』の会社員だけではなく、下請けにも半強制され、 私が昔勤めていた会社でも、仕事の後に居残って、『改善案』を出す話し合いが、月に何回か行われていて不思議に思った。 『改善案』って、何?と聞くと、何だか判らないけど、何か意見を出さないといけない と、何だか訳の分からない説明をされた。
それは、コストダウンの為の提案だったり、危険予防の為な提案だったり、 効率を上げる為の提案だったり、廃棄物削減の為の提案だったり、CO2削減の為の提案だったり、 とにかく『今』『現実』とは違う新しい発想やら『何か』の為に、絶えず新しい意見を出さないといけない会社がトヨタで、 だから、未だに前に前に進んでいる。 現状に満足しないで、絶えず新しい何かを求めることは、企業には必要で、 トヨタに関係している会社にいる人には、脅迫観念のように『カイゼン』が要求される。 『今』に満足してはいけないのだ。 絶えず『何か』アラを探して、『カイゼン』しないと。
『トヨタ病』 そうか。teaは、『トヨタ病』だったのか。 それが判ったからと言って、私が耐えられない事実は何も変わりはしない。
sea姉さんに言った。 私はteaがおかしいと知っていて、それでも大丈夫だと思って一緒になったが、 究極にテンパった状態を見ていなかった。 究極にテンパると、自分を守る為に私を攻撃する人だとまでは分からず、 私や私の人生を否定するやり方で追い詰めなければ気が済まない。 結婚したことは後悔していないが、もう無理だ。
sea姉さんは、 「大丈夫か?」と思ったけど、丸くなったんだと思ってた。 けど、そこまでの付き合いは していなかった。 いくらテンパっても、相手を追い詰めちゃーダメだよね。 と慰めてくれた。 沢山泣いた。 泣ける場所がある私は幸せだ。
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