「さーて。どこに行くかな」 やっと手に入れた自由に少年は大きく伸びをする。ルリハヤブサは肩を離れた。「なぁ、お前はどこに行きたい?」 自分の頭上でくるりと輪を描いた親友に尋ねる。彼はまた少年の腕に止まり、肩まで移動すると頬に頭を摺り寄せた。「ピィ」「うん。俺もお前がいればいいよ、どこだって」 そう言う少年の微笑が寂し気なのは仕方のないことなのだろう。おそらく本人の自覚はあるまいが。