「硝子の月」
DiaryINDEX|past|will
「……あんたも何とか言えよ」 ティオはごまかすように少女から視線を逸らし、無心に食事をしているグレンに呼びかけた。しかし相手は何も聞こえなかったかのように黙々とパンをかじっている。 「おいこら」 「………」 「………。オッサン」 「だれがだッ!?」 思わずバンッとテーブルを叩いてしまったグレンは、ハッと口を押さえた。ティオがしてやったりと笑みを浮かべる。 「なーんーでー返事をしないのかなー? んー?」 質の悪い笑顔で絡んでくる少年に、グレンは怯んだ。とうとうこっちにまで視線が集まってきている。
|