「じゃあアニス、彼が起きて抜け出したりしないようにちゃんと見張っててね」「ぴぃ」 ルウファの言葉に、窓枠に移ったアニスは機嫌よさそうに応えた。「抜け出すかよ」「言葉のあやよ。それじゃおやすみなさい」 少女は悪びれた様子もなく笑って部屋を出て行った。「……おやすみ」 きっと届かないであろう言葉を口にして、少年は布団をずり上げた。