「硝子の月」
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2002年09月05日(木) <建国祭> 瀬生曲

「じゃあアニス、彼が起きて抜け出したりしないようにちゃんと見張っててね」
「ぴぃ」
 ルウファの言葉に、窓枠に移ったアニスは機嫌よさそうに応えた。
「抜け出すかよ」
「言葉のあやよ。それじゃおやすみなさい」
 少女は悪びれた様子もなく笑って部屋を出て行った。
「……おやすみ」
 きっと届かないであろう言葉を口にして、少年は布団をずり上げた。


紗月 護 |MAILHomePage

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