呟いたけれど、自分の声がやけに耳についただけだった。 何も見えない。目を開けているはずなのに。 目を閉じる。 やはり、白い。 それがひどく不快だった。目を閉じてまで視界が白いなど有り得ないはずである。『ようこそ』 不意に、声がした。実際には声ではなかったのかもしれないが、ティオには他にそれを表せるような言葉がない。『来たね。来るべくして来た者よ』 感情のない声だった。