2001年11月15日(木) |
最近、牛丼、食べてます? |
二、三週間ほど前の月曜日。 月曜日は浦和の事務所で定例の会議があって、大抵は一日カンヅメとなってしまう。日々はそれぞれの担当エリアを走り回っている同僚がまともに全員が顔を合わせるのはこの月曜日くらいしかない。 昼食もみんな揃って近くの定食屋やレストランへ食べに行くことが多いのだが、その日は俺を含めた4人ほどが、昼近くになにやら仕事に追われてしまって、事務所を出るタイミングが遅れてしまった。どこの店も客でいっぱいになってしまっていて、所謂『昼食難民』。 しょうがない、駅の近くの吉野家へでも行くか――ということになり、ぞろぞろと歩きだした。 この春に中途入社でうちのチームに入ってきたイケダという男、学生時代は応援団に所属していたという経歴を持つ。体のわりには結構な大食いである。吉野家へ向かう道すがら、なんとなく吉野家の牛丼を何杯くらいなら食えるか、という話になり、イケダは「昔、4杯くらい食ったことありますよ」と笑って言った。 そう言えば、別の同僚がイケダのこんな話をしていた。 「知ってる? イケダはね、吉野家の牛丼の“並”をおかずにして“大盛り”を食うらしいよ」 イケダの大食いネタではあるが、これはこれで結構笑った。今日もイケダは2杯くらい軽く食っちゃうんだろうな――誰か冷やかすと、イケダは「いやあ、ははは」と頭を掻いていた。
さて、浦和駅に程近い吉野家。 昼食時で店内はかなり混雑していたが、俺達4人は殆ど待たずにばらばらにカウンター席に着くことが出来た。俺は、牛丼を食べるときの定番注文『大盛りと玉子』をすばやく注文、出されたお茶を口にしてほっとい一息。 しばらくして、カウンター席のちょうど向かいに座った同僚が突然肩を震わして笑いをこらえている。?マークを投げ掛けると、彼は俺の5つほど隣に座ったイケダを指さし、指を二本立てた。 「?」 身を乗り出してみると、イケダの前には牛丼の“並”が二つならんでいた。“並”をおかずにする――と言う話はどうやら冗談ではなかったらしい。 店を出てからイケダに聞いてみると、 「いや、特盛りを食うより、並を二つ食ったほうがお得なんスよ」
最近、牛丼、食べてます?
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