「昨日の夜から爆睡しちゃってさあ」 よく聞く台詞である。 『爆睡』――熟睡をさらに強意した言葉だろうが、この“眠り”の度合いを表す言葉がさらに幾つかあることを皆さんはご存知だろうか。 『熟睡』よりさらに深い眠りを『爆睡』で、これは日常的に使われる。これを上回る眠りが『劇睡』。“激睡”と間違うことがあるので注意。“劇薬”などという言葉があることからも『劇睡』の眠りの奥深さが伝わってくる。さらに深く深く寝入ってしまい、もはや仮死状態と思しき状態を『極睡』といい、これはかなり危険だと言っていい。 そして死の一歩手前くらいまで眠り込み、もうそのまま帰らぬ人となってしまってもおかしくない程に深く眠ることを『睡破』。 今日、俺は久しぶりに睡破した。 一度目が覚めたのが七時半。 今日は休日出勤をしてやっつけたい仕事があった。仕事量の割に人手不足の我が部署は、仮に俺自身の仕事のトロさがあったとしても、もう平日とそのエンドレスな残業だけでは追っ付かない状況だ。で、今日は懸案事項だった仕事に着手しようという魂胆だった。
実は先日の昼休み、会社を抜け出して病院に行った。 もう長いこと酷い咳が止まらないのでさすがにやばいと思い、一週間前に医者に見てもらったら、自覚症状の無い38度の熱。長い出張生活で不規則な生活が続き、疲労が溜まっていることから極度に抵抗力が弱くなっているので、風邪の症状がいつまでも治らないのだ――そんなことを医者に言われ、血液検査までするハメに。その検査結果を聞きに行った、というわけだ。 「白血球が異常に多くなっています」 がーん。お、俺は白血病なのか。 「違います。身体の中が――あなたの場合は咽喉が、ということになるのでしょうが、ひどい炎症を起こしているので……」 とにかく疲れを取れだの、食事をしっかり採れだのいろいろ医者に言われたのだが、よく理由も分からないまま“白血球が異常に多い”と言われたインパクトが俺のガラスのハートを激しく揺すぶっていた。 病院で出してもらった薬を定期的に飲むようになってからかなり咳は治まってきたが、先日の医者に言わせれば俺の身体はまだまだ“疲れている”ということらしい。なるほど、あの3ヶ月弱の滋賀出張はこんなところに影響を及ぼしていたのだ。
今日はツマが朝から友人と出かける、ということで、俺は彼女が出掛けるのを俺は寝ぼけ眼で送りだした。そのままフラフラとベッドに戻ってしまったのがいけなかった。 気がついたら午後4時半。それこそ朝にツマを見送ってからものの5分で夕方になってしまった、という感じである。 休日出勤は明日の日曜にしよう、と思ったものの、午後4時半から活動を開始したのではもはや休日という機能を果たすことの無い一日となる。とりあえずハラが減ったので、テキトーに着替えて家を出る。近所の焼肉屋系列店でコムタン麺を喰い(お医者様、大丈夫です。食欲はしっかりあります)、ダイエーの中に新たに開店した電器屋を覗きに行った。そのまま駅ビルの本屋で小一時間立ち読みをして、夕食用にケンタッキーフライドチキンを買って帰った。
健康第一。久しく“健康になりに”スーパー銭湯にも行っていない。オノレの日常をちょっとだけ反省した中途半端な休日であった。
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