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| 即席珈琲エディクション/Instant coffee addiction...嶋紗雪 |
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2004年09月21日(火)
ものかたり‐PP番外編
「昔々、あるところに一人の娘さんが住んでいました…。」 ちらりとクラフトを見やると、白い目で見ていた。 気まずげに咳払いをする。 「…まぁね。私は娘っていうような気取った子じゃなかったね。」 とにかく、私が子供の頃の話だ。
-------------------- 住んでいたのは、国で一番大きな湖のある所だった。 湖の周りをぐるりと山が取り囲んでいてね、 山から太陽が顔を出した時が一日の始まりで、その太陽が湖を渡って、山に沈んだ時が一日の終わり。 それをずっと繰り返して生きてたよ。 そういうところは、あんた達の住むこの島と似ているかもね。
ウチん家は点在する内湖の傍に立っていて、家族で宿屋をしていたんよ。 山向こうにある大都市では人気の観光スポットでね。 夕日が湖に映った景色なんてめちゃくちゃ綺麗だったさ。 それを見に、お客さんは険しい山道を越えてここまで来ていた。 その大変さが水の泡になることなんて絶対に無かったね。 山と湖の景色はこの辺に住む人たちの誇りだったんだ。
お客さんには大都市から来た会社の社長さんや若いカップルや家族旅行で訪れた人もいたけど、 中でも多かったのが、世界を飛び回る旅人サンでね、私は彼らの話を聞くのが大好きだった。 小さい頃から宿屋を手伝っていたけど、仕事も忘れて彼らの魅力的な旅話に夢中になった。 中でも、一番覚えているのは…見た目は人間だけど背中に翅を持った小さな生き物の話、 そう。あんた達小妖精の話だよ。
つづく
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2003年09月21日(日) 多数決の恐ろしさ 2002年09月21日(土) ニシオメイツに今のところ62の質問 2 2001年09月21日(金) 気分じゃないし、乗り気じゃない。
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