| 2003年08月31日(日) |
ごめんねと言い訳する暇もなく |
金曜の夜、職場の先生方に誘われ飲み会に参加。 くだけた雰囲気の中でも、言葉の端々に人柄が滲み出ていて、 格好いい先生ばっかりだなぁとしみじみ思った。 きっといろいろな体験を乗り越えてきたんだな。 だから、自分の中に強い信念があるんだろうな。
当然だけれど、まだ五ヶ月しか経たない私には、 圧倒的に経験が不足している。 だから、指摘されてはじめて気づくこともしばしば。 「葉明先生、部活頑張ってるね」と言われる傍ら、 「もう少しココを指導してあげないと」と指摘される。 その瞬間はもう悔しくて仕方がない。 言われたことが悔しいのではなく、 言われるまで気づけなかった自分が情けない。 そのうえ、指摘に沿うと発言が揺れる。 発言が揺れると、生徒が戸惑う。 生徒が困ったように私を見るのがいたたまれない。
文化祭まで本当に残りわずか。 もちろん、ずいぶん進歩が見られるようになったけれど、 同じぐらい粗もたくさん見えてくる時期。 「もっと経験のある先生だったら・・・」と考えると、 もうこのまま誰かに投げ出したくなってしまう。 それでも、最初に背負った荷物は捨てられず、 心の中で「頼りなくてごめん」と何度も謝りながら、 私は突き進むしかないのだろう。
私自身の評価などどうでもいいのだ。 誉められれば嬉しいけれど、それでは意味がない。 むしろ、どうか生徒の頑張りが報われますように。 今はキレイ事ではなく、ひたすらそれだけを願う。
今日は体験入学、なんとか無事に終わってよかった。 しかし、私達の時代なんて、そんなものなかったよ。 今はやはり情報後悔、顧客確保の時代だろうか?
本日の一作: ・『バッテリー1〜5』(あさのあつこ/教育画劇)
二日で読み通したよ、『バッテリー』 ずっと読んでみたかった児童文学の人気作品。 高校野球じゃなくて、中学野球ってのがいいねぇ。 私達から見たら、中学生はやはりお子ちゃま。 もちろんぐっと大人っぽい子もいたりするけれど、 やっぱり「うん、うん、可愛いね」と思ってしまう。 ただし、可愛いだけじゃないのも中学生。 自分と、他人と、どうやって付き合っていけばいいのか。 その葛藤の中で、生きているのが中学生なのだ。 この作品の中心であるバッテリーの二人も、 本当に不器用に、一歩ずつ歩みを進めている。 高校生ほどうまく取り繕うこともできない、 中学生の未完成さが強烈な魅力を放っている。 これからどういう大人になるのだろうね。 素直に応援してあげたくなったな。
| 2003年08月24日(日) |
『FLY,DADDY,FLY』 |
バンドキッズ、暑さでダルダル・・・仕方ないかなぁ。 今日は英語科の録音セットを借りてきて、 演奏を録音してあげたのであるが、 相当へこんでしまったので、参った、参った。 嗚呼、でも青春ってカンジで、若さが眩しい。
本日の一作: ・『FLY,DADDY,FLY』(金城一紀/講談社)
司書教諭の先生に以前、ちらっと話したところ、 覚えていてくださって、わざわざ入れてくれた一冊。 この本、オビを見た瞬間から気になって、気になって。
「おっさん、空を飛んでみたくはないか?」
くっ、格好いいっす! で、実際読んでみた結果、やっぱり格好いいっす。 大事な娘が高校ボクシング界の覇者に殴られるという 平凡な日常を崩壊させる事件が起こったにもかかわらず、 何ひとつできなかった自分を悔やんだ主人公のおっさん。 そこで、登場するのが、勉強はできないが、生きる上での 知恵はたっぷり身につけた男子高校生集団。 何を隠そう、『レヴォリューションNO.3』の登場人物。 彼等の助力を得たおっさんは、娘を救うべく、 自らの受けた屈辱を晴らすべく、戦う準備を始めるのだ。 これぞ新感覚青春小説。 人間は幾つになったって、青春できるんだよ。 死ぬ気で頑張れば、空だって飛べるんだよ。
最近、文化祭準備が大詰めを迎えてきたため、 何かと慌しい生徒会室。 私は結局、中枢部にはほとんど関わっていないので、 かわりに音楽関係は面倒を見ようと思っている。 今日はブラス、明日はバンド。 他の先生の間では「葉明先生、ホント頑張るね」と噂らしい。 確かに、この学校、文化部で先生が頑張る部はない。 そりゃ、奇特に見えるだろうね、きっと・・・とほほ。
で、今日はブラスの指導を終えた後、院生で花火。 一夏、仕事漬けの日々を送っていたので、 最後ぐらいは一花咲かせようかと集まった。 全員揃ったのは・・・試験以来かな? いつも仕事の愚痴が多めになってしまうから、 今回は少なめに、本当に学生時代のように。 馬鹿な話して、大笑いして、河原で寝転んで。 あ〜〜〜、すっきりした。 最近、人間関係でストレスが溜まってたから、 気安い友人との時間が本当に貴重に思えた。 また明日も頑張れそうだぞ。
文化祭にバンドをやりたいキッズ3人が 今日ようやく全員揃った。ほっと一安心。 その最後の一人が現代文を教えてる二年生。 実は7月の最後のほうの授業に出てこなくなり、 心配していただけに、ちょっと複雑。 「久しぶりだね」とことさらに強調してやったら、 ちょっと気まずそうな顔をしていた・・・はぁ。
彼は普段はものすごく静か・・・つか、寝てる。 別に手がかかるわけではないのだが、 多分、あらゆることに対して無関心なのだ。 その彼が、唯一と言っていいほど好きなのがギター。 確かに(まだ甘い部分もあるが)、上手いと思った。 何よりも、演奏している時の表情。 あんなイキイキした彼を見たのは初めてだった。 おまけに、終了時に「お疲れ様」とねぎらったら、 「お疲れ様でした」と返してきた・・・びっくり。 こんな当たり前のことでいちいち驚くほど、 彼とのコミュニケーションが取れていなかったのね。 ちきしょっ、後期からは頑張るからな!
ちなみに、選曲はhide、ハイスタ、 そして初期のドラゴンアッシュ・・・不思議な組み合わせ。
今日は本当に久しぶりの合奏。 頭が痛くなるような出来に思わず嘆息。 ステージに上がって恥をかくのは自分達だよ? どうして他人事みたいな顔でいられるかなぁ。 でも、今日、最も頭を痛めたのは3年女子に対して、 退部を宣告しなければならなかったこと。 5月から2ヵ月ほどずっと部活に来なくなっていた彼女。 お盆前に、顧問の先生と一つの約束をした。 盆明けの合奏で皆と同じレベルで吹けなかったら、 文化祭に出なくていいよ、つまり、辞めろ、と。 その期日が今日だった。
ちょっとずるいと思うのは、合奏には顧問が来ないこと。 だから、辞めろと直接口にするのは顧問だけれど、 決定権は私にあるんだよね・・・勿論、部員もだけれど。 本当はもう最後なんだから、少しは温情もかけたかった。 でも、あれは無理だ。全然、吹けていない。 とても庇いきれるものじゃなかったよ。 だから、「このままじゃ無理です」と報告した。
私が現役だった頃、ブラスはマンモス部だったから、 どんなに練習しても、出れない時は出れなかった。 でも、厳しい合奏の先に充実感があるのを知っているから、 必死で出場の切符を争って、一日中、練習した。 つらいこともたくさんあったけれど、私は幸せだったなぁ。 今は人数不足だから、あの切迫感は出したくても出せないね。
昨日、高校時代にすごく好きだった先輩と 二人で飲む機会があって、久々の深夜帰り。 二人で飲むなんて、あの頃は絶対想像できなかった。 他愛もない話ができるのはすごく嬉しいけれど、 もうあの頃には戻れないことが身に染みて、 少しだけ寂しかったなぁ。
本日の一作: ・『覘き小平次』(京極夏彦/中央公論新社)
怪談もの、流れでいくと『嗤う伊右衛門』系統。 ちゃんと原拠もあるらしい。 この本を読むと、京極氏は江戸という時代が 好きなのだなぁとつくづく思う。 江戸という時代の闇の深さ、人々の生き様、 ふとしたことで生活臭がたちこめてくる。 ただし、今回は私は読みにくかったなぁ。 あまり本に対しての拒絶反応なんてないのだが、 最初のほうはなかなか物語に入っていけなかった。 途中からはぐんぐん引き込まれていったけれど。
| 2003年08月13日(水) |
『世界の中心で、愛をさけぶ』 |
一泊二日の小旅行から昨日帰宅。 いろいろと小さなハプニングもあったが、 総括して楽しい旅だったなぁ。 それに反して、今日は一日ごろりごろり。
本日の一作: ・『世界の中心で、愛をさけぶ』(片山恭一/小学館)
ようやく読了、この話題作を。 噂どおり、期待を裏切らない純愛本。 いまどきこんなにピュアな恋愛は存在するのか? なんて、鼻で笑うのは簡単であるが、 手に入らないものこそ、人は求めるもの。 心の奥底では、こんな相手に巡り会いたいと 密かに望んでいてもおかしくないのかもしれない。 背中の痒い部分に手が差し伸べられたような感覚の本だなぁ。
傾向として、辻仁成と同じ匂いがする。 ただし、辻氏ほどナルシスト入ってないので、 こちらのほうが抵抗なく、読み易いのでは?
ただ・・・泣かなかったなぁ・・・珍しく。
| 2003年08月10日(日) |
THE BOOM CONCERT TOUR 2002-2003〜僕にできるすべて〜 |
約一年ぶりのTHE BOOMのツアー。 台風で一日順延になったことが良いのか悪いのか、 恐ろしいほどの快晴のもとでの野外ライブとなった。
オープニングアクトは「ハナレグミ」 N尾女史が以前プッシュしていて、 私も結構声が好みだなぁと思っていたが、 やはり生演奏を聞いて、フンフンと納得。 ただし、どうも真昼間に聞く曲じゃないんだよなぁ。 本当は夕涼みの中でこそ光ったはずなのに。
そして、THE BOOMの登場。 今回の感動曲は、あえて挙げるならば、 「月さえも眠る夜」/「不思議なパワー」 この二曲は初聴きなので、感動はでかい。 特に、前者はミスチル「抱きしめたい」に匹敵する 最強ラブソングなので、感激も一入である。 加えて、「朱鷺」はやはりイイ曲だったなぁ。 宮さんはあまりの暑さにMCの舌が回らず、 ファンからの差し入れであるビールで喉を潤していた。 ちきしょっ、美味そうだ〜〜〜。 E上女史が飲める人間だったら、私も飲んでたのに! さらには、中島みゆきの微妙な物まねによる プロジェクトXのオープニング&エンディング熱唱。 あほやなぁ(笑)大好きだ!
最高の真夏の思い出。 今年はコレしか行けなさそうだからなぁ。。。 来年のまた行けるといいな。
母が夜いないというので、父と焼き鳥へ。 久々にしこたま食べたら・・・もう・・・ しばらくは鶏肉見たくないっす。 おいしいことはおいしいので、 もっと適量を考えて飲み食いせねばいけない。 いつまでも若いわけじゃあるまいし。
本日の一作: ・『樹上のゆりかご』(荻原規子/理論社)
『これは王国のかぎ』の主人公が少し成長して、 高校生になって再び登場・・・え? 同一人物? 前作ではずいぶん活発な勝気なお嬢さんだったのに、 今回はずいぶん女性らしいというか・・・ ともかく舞台は高校に、現代に移行。 進学校でありつつ、学校行事も派手という点では、 自分の高校時代と重なる部分が多いぞ。 でも、自分が高校生の時は生徒会には無関心。 むしろ、今校務がそうなってるから、分かるな。
いろいろ事件もあって、つらいこともあるけれど、 やっぱり学校行事はいいものだよなぁ。 登場人物が皆口を揃えて言うことは、 「こんな無駄なことに時間を使えるのは今しかない」 この感覚、よーく分かる。私もそうだった。 でも、今の高校生には実感できないかもね。 完全週五日制で学校行事は減る一方、 生徒自身の覇気も薄れがちだし・・・寂しいね。
| 2003年08月08日(金) |
『これは王国のかぎ』 |
今日で仕事納めということで、午前中大掃除。 (お盆の間に、特別教室はワックスがけらしい) ・・・午前中に大掃除? 午前中に大掃除なんてしちゃったら、午後からどうすんの? 案の定、午後からは仕事をする気が起きず(苦笑)、 だらだらと読書をしつつ、仕事を探しつつ過ごす。
本日の一作: ・『これは王国のかぎ』(荻原規子/理論社)
アラビアンナイトが根底に流れる、少女の成長物語。 失恋の痛手を負った彼女が泣き疲れて眠った後、 再び目を覚ますと、そこはアラビアンナイトの世界だった。 勇敢で美形の王子を守るジンとして頑張りながら、 彼女もまた少しずつ成長し、多くのことに気づいていく。 現実世界である程度何でもこなせて、隙がない少女。 心の中では、そんな自分が嫌で、冒険を求めていた少女。 ・・・分かるなぁ。 残念ながら、私は現実世界を離れることはなかったが、 時々、強くファンタジー世界に引かれるのはそのせいか。
明日のTHE BOOMのライブが台風のため一日順延。
雑事が舞い込んでくることもままあるが、 なかなか快適な夏休み生活。 このままずっと夏休みだったらいいのに・・・ なんて、甘えた戯言は放っておいて。 最近は非常に順調に読書をしている。 ちょうど大学院生だった頃のペース。
本日の一冊: ・『リズム』(森絵都/講談社)
森女史のデビュー作だったか。 今日はずっと学校図書館に入り浸っていたが、 ちょうど仕事が終わって、時間が空いたために、 ざっと読んだ。おそらく1時間もかかっていないはず。 姉と従兄弟と幼馴染と。 幼い頃から一緒に培ってきた関係が年を重ねるにつれ、 少しずつ変化していくのは、自然な成り行きだ。 年長者は当然そのことに気づき、受け容れていく。 ただ、主人公の少女はまだ戸惑いを隠せない。 そんな彼女を周囲の人間は優しく包み込む。 その変化を受け容れた時、彼女もまた成長するのだ。
まぁ、典型的児童文学のパターンであるが、 ラストがいい。「ふぅん」じゃなくて、「ほぉ」だ。 人間には皆、自分のリズムというものがあって、 周囲のごたごたに惑わされた時はカウントをとればよい。 ワン、トゥー、ワン、トゥー・・・ この考え方はいいよ。ステキだと思うよ。 特に打楽器やってた私には、よく分かるなぁ。
昨日、花火を見てきたのであるが、「いとをかし」。 隣で小さな女の子が「たまやー」と叫んでいたのも、 カップルの浴衣姿も、「みないとをかし」。 やっぱり夏は花火なのだなぁ。
本日の一作: ・『あやし〜怪〜』(宮部みゆき/角川書店)
初読だと思って借りてきたのに、 どうも読んだことがある本だった・・・ もしかしたら、この日記にも感想を書いたのか? それすら覚えてないので、とりあえず記しておく。
時代ものの短編小説集である。 心中ものであったり、後継騒動ものであったり、 いろいろなタイプのお話が入っているのであるが、 特に「時雨鬼」なんて話は、すごくドキリとする。 一人の娘が街中で出会った青年の言葉にほだされて、 料理茶屋に勤めようかと迷っていたところを、 たまたま出会った女性が思い直すように諭す話。 結局、「鬼」と呼ばれる生きものも、もともとは人間で、 いろいろな感情が降り積もって、鬼に化けてしまうのか。 私達は「鬼」と聞けば、異界のものとして恐ろしがるが、 鬼の卵が常に周囲にごろごろとしているとすると、 本当に恐ろしいのは、やっぱり人間なのだろうか。 ひょっとすると、鬼のほうが、人間ができてるかもね。
久しぶりの休日、歯医者に行ってきた。 5月あたりからやばいと思っていたところが、 最近になって、いよいよ小さな穴となってしまった。 それでも、根のほうまでは進行していないようなので、 思った以上にあっさり治りそうで何よりである。
本日の一作: ・『永遠の途中』(唯川恵/光文社)
・・・またかいっというのが正直な感想。 この二人の対極にいる女性が交互に語っていくやり方は、 もう唯川女史の十八番というか、なんというか。 今回はもっと長いスパンで取り扱っているところがミソかね。
それにしても、女性って面倒な生きものだなぁ。 最近、私の周囲でも結婚話がひそひそされるようになり、 昨日の昼食でも先生方とちらりとその話題がのぼり、 (つか、教師は得てして晩婚だな・・・) もう放っておいてよというのが正直なところである。 結婚せずに一人を貫くのも、結婚して家庭に収まるのも、 魅力は五分五分であって、どちらがよいわけでもない。 それならば、じたばたしたってしょうがないじゃないか。 なるようになるだろう(苦笑)
主人公の一人が、世の中には常に二つのタイプのどちらかに 人間を区分したがる種類の人間がいる、とぼやく場面がある。 全くそのとおりである。 どうして「この人はこういう人」「あの人はああいう人」なんて、 この複雑極まりない人間を一言で説明しようとするのだろう。
| 2003年08月01日(金) |
『猛スピードで母は』 |
今日は国語と世界史の先生にお昼に誘われた。 世界史の先生は今年初めて担任を持った若い先生。 ちょうど半月ほど前に行われた保護者懇談での話を いろいろと聞かせてくれた。 変わった生徒が多いのはだいぶ実感したけれど、 保護者にもずいぶん変わった人が多いようだ・・・
本日の一作: ・『猛スピードで母は』(長嶋有/文藝春秋)
ちょうど最近読んだ作品を思い出した。 数年前、唯川恵の直木賞受賞と同時に、 芥川賞を受賞した作品であるが、初読。 表題作と『サイドカーと犬』という二作品収録。
この二作の親に共通するのは、世間一般に見るならば、 「なんて親だ! 子どもが可哀想だ」と言われるであろう態度。 それでも、子どもはきちんと親を冷静に受け止めている。 結局、親を一番よく見ているのは子どもなのだ。 決して、世間一般ではないということだ。 だから、意外と子どもは平気なのだ。
結局、親と子どももも他人同士であるから、 早くお互いが別の人間であることに気づき、 距離を取ることを覚えなくてはならない。
そもそも、生きることはつらいのだ。 親を選べない子どもは、普通以上に自分を磨くべきだ。
|