当世高校教師気質
一生勉強 一生青春

2003年10月31日(金) 『対話編』

今月もいよいよ終わり。
「神無月」の名のとおり、今月は神はいなかったのか。
最終日の今日は、厄日とも言いたいぐらいの多忙さ。
つか、今週は本当にしんどかったです。
しんどいくせに、全然仕事が進まなかったために
明日も出勤です・・・は〜〜〜(涙)

本日の一作:
・『対話編』(金城一紀/講談社)

作品の中では最も恋愛色を全面に打ち出した作品。
でも、ただの恋愛小説ではなく(この人らしいね)、
一人の男性が自らの恋をもう一人の男性に
語って聞かせる形式の短篇が三篇。よって「対話」編。
多分、一番人気の「花」が私のお気に入りでもあります。
弁護士の老人が運転手のバイトとして雇った青年とともに、
別れた妻との新婚旅行の道順をたどりながら、
少しずつ、少しずつ思い出を探りだしていく。
特別な出来事などそこには何もない。
ただひたすら、ささやかな日常が綴られるが、
甘い感傷とともに鮮やかに蘇るのです。

多分、金城氏は男性の友情を描くのが格別にうまいのよ。
だから、この小説も男女の恋愛を素直に描いちゃダメ。
ある程度、人生を知った男同士が秘密を共有する瞬間。
トキメキますね〜〜。



2003年10月29日(水) 恐ろしいズレ

今日は兼務校での中間テスト返し。
今回もいくつもポカをやらかし、生徒に迷惑かけ通し。
特に、国語は採点基準が揺れる場合があるから、
気をつけてはいるのだけれども・・・
本当にこの時が一番へこみます。泣きたくなる。
授業が多少うまくいかなくても、ここまでへこまない。

自分が生徒だった時は、本当に1点が全てだった。
でも、実際、自分が教師になって採点する時は、
そこまで1点にこだわらないような気がする。
それに気づくたび、恐ろしくなる。
1点にこだわり過ぎることはよくないとは思う。
(何でも度が過ぎると、マイナスに傾くものだし)。
ただ、生徒のノートのチェックをすると、
本当に一生懸命ノートを写してあるのが分かる。
多分、試験前はこのノートを隅々まで読むのだろう。
そうやって、必死で1点をつかもうとする努力を
私は決して忘れてはいけないのだと思う。
最終的な評価は総合点だとしても・・・

そうならないためにも、板書や発言に工夫するが、
やはり言葉のちょっとしたニュアンスが命取り。
本当に言葉を扱うってのは難しい。
いっそ全部選択記号問題にしてしまいたいよ・・・

親(会社員)には、「オマエが甘いよ」と馬鹿にされた。
昔の教師は一度採点した試験にはもう手をつけないって。
確かに、私は甘いんだろうなぁ。それはいつも反省。
でも、こちらのミスを謝れない教師にはなりたくない。
「先生」だからってだけで、偉そうな顔はしたくない。
じゃあ、どうするかって言われたら、
ミスをなくすしか、結局ないんだよな。ウジウジ。

ということで、なんとなく気が重いまま、
金曜日からは現代文(評論文)に突入。
こんなに愚痴っぽいのは水曜日だから?
私にはどうも水曜日は厄日なのです。



2003年10月27日(月) 『陰摩羅鬼の瑕』

昨日、一泊二日の国語科旅行から帰宅した後、
どうも風邪っぽかったので、即就寝。
おかげで、風邪はひどくならずにすみそうだが、
今日の職員会議のひどさ故、精神的にしんどい・・・

本日の一冊:
・『陰摩羅鬼の瑕』(京極夏彦/講談社ノベルズ)

久しぶりの京極堂シリーズ。
前回の『宴』があまり好みではなかったので、
今回は期待半分、不安半分。
軍配は・・・まぁ期待通りといったところかな。
ただ、いろいろな場でいろいろな感想が言われるとおり、
ちょっと単純? 私ですら犯人がわかったもの。
でも、京極氏の小説はストーリーを追うだけでなく、
盛り込まれた雑学的要素も面白い。
知っている名前や事実が出てくると「おっ」と思うし。

あと、昨日行った旅行の中で立ち寄った動物園。
実は半分は剥製が展示してある(苦笑)
ちょっと関口君の気分を味わってしまったよ。
あれだけの剥製でもあまり気分がよいとは言えないのに、
館中、剥製はないよなぁ。。。



2003年10月24日(金) 陸上競技大会

***最近、ネットをする余裕もないほど疲労。

水曜日にいったん順延になった陸上競技大会。
本日は憎たらしいほどの秋晴れとなり、
無事に開催されることと相成った。
私の係は「召集」・・・ふぅん、何するんだか。
体育科の先生に作業を聞きに行ったら、
生徒にゼッケンを配るだけでよいという。
おまけに、午前中だけでいいよとのお言葉付き。

・・・なわけねぇよな、マジで(怒)

競技が進むにつれ、生徒の数も増えていく。
「ゼッケン足りないんですけど・・・」と訊くと、
「じゃぁ、一年生が走り終わったらすぐに回収して、
三年生に回してやって」と非常に明快なお答え。
あの〜、スタートとゴールって100メートルあるよ?
私にアレを何往復しろというのですか?
結局、一日中、昼食を採る時間もないままに働いたさ。
おまけに、リレーにだって出たよ(強制的に)
何で走るの大得意な現役女子高生と・・・
別に私のほかにも若い先生、走るのが得意そうな先生、
いっぱいいるのによ〜〜〜〜。
自慢じゃないが、中3の体育以来全力疾走したことないよ。
もともと、長距離のほうが好きだもの。
結果なんて書くまでもないじゃん。けっ。

といいつつ、やっぱり楽しかったなぁ。
これが年間行事最後の大行事だったからというのもあるし。
授業してるよりもイキイキしてる悪がきどもが
可愛いやら、憎たらしいやらで、楽しかった。
少しずつ別れを意識し始めている自分を感じる。
(来年、ココで講師をする可能性がないわけじゃないけれど)



2003年10月19日(日) 1週間を振り返る

先週、失意のどん底に陥った私(大げさか?)。
一週間が経った今、ショックは和らがずとも、
教室に行けば生徒がいるという現実が
私を半ば強引にでも引き立ててくれている。
ありがたいのは生徒の笑顔。
喜びも悲しみも何もかもが生徒から与えられる。

明日から本格的に授業開始。
古典は『土佐日記』
どうやって始めようか、導入を試行錯誤中。




2003年10月13日(月) 薪能と狂言の夕べ

せっかくの薪能なのに雨天・・・
いよいよ雨女の本領発揮かとさえ思われる。
野外ライブのために常備してある合羽も
まさかこんな形で使用されるとは思うまい。

しかし、悪天候もなんのその。
会場はほぼ満員である。
なにせ、野村萬斎氏のご来場だものvv
地元も思い切ったことするよなぁ・・・

初めて生で観た萬斎氏はめちゃくちゃ格好よい。
画面からあふれる色気は本物だったことを実感。
さらに、飄々としたトークも最高に面白い。
あっという間にトークが終わったってカンジだね。

仕舞とか立囃子とかはおいといて、
肝心の狂言は「昆布売」、能は「土蜘蛛」。
「昆布売」は一度学生時代に観たことがあったが、
やっぱり若い役者がやると活気あるよね。
声付きや所作もイキイキしてて、良い!
能の「土蜘蛛」は話には聞いていたが初見。
蜘蛛の糸がふわりと宙に舞う・・・といってしまうと、
かなり幻想的な雰囲気を想像してしまうが、
実際は「ぶはぁっ」ってカンジに細い紙紐が舞い、
舞台中にそれらの残骸がひっかかってぶら下がっている中で、
ドタバタと戦いをしたりする派手なお能。
一曲の時間も短いので、ナイス選曲。
久々に観たけど、面白かったなぁ。
また時間があったら、観能を始めようかしら。

ああ、連休終わった・・・
明日から学校か・・・やだなぁ、やだなぁ。



2003年10月12日(日) 新ドラマ

深津ちゃんが出てるドラマを鑑賞。
その中で何度も「まだ25歳でいけますよ」と連呼され、
最近、「もう25歳か・・・」と思うことの多かった私は
まだ若いということを自覚させられてしまった。
ただし、25歳はやはり結婚適齢期なんだなぁ・・・
あはははは、って笑うしかないね、これは。

今日は一日ラジオを聴き、GLAYを聴きつつ、
漢字検定(2級)の勉強をしていた。
今月末、いよいよ初受験なのだ〜〜。
どうしても「部首」が苦手なので特訓中。
これで落ちたら最悪だよ。生徒に顔見せできん!

それにしても、GLAYを聴く回数が多くなるってことは、
相当精神的に参ってるってことだなぁ。



2003年10月11日(土) 観劇

午前中、なんとか涙と戦った結果、
ちょっとだけ気分転換。
くよくよしたって仕方が無いのだと、
私には前進しかないのだと気づいてしまえば、
少しはマシになったような気がするけれど。

とりあえず、今日は生徒が参加する市民劇を観劇。
地元が誇る文人の生誕300周年を記念して
その半生を描いた舞台が作られたのである。
「差し入れもってきてね」の約束を守るため、
焼き菓子のセットを持参する。
劇自体は・・・まぁ、あんなものか。
結構、能の要素も取り入れてあったようで、
興味深い点と胡散臭い点が入り混じっていた。

劇が終わった後、ロビーで彼女等に出会った。
「先生、本当に来てくれたんやー」の一言に、
ちょっと救われた。
私は生徒との約束を破らない教師になりたいな。
生徒に対して、人間に対して、
常に真摯な姿勢でいられるように、努力したい。



2003年10月10日(金) ながいなぁ

結果・・・ダメでした。
これだけショックを受けるということは、
やっぱり期待してたということだな。
そりゃそうだ。やっぱり合格したいもん。
「無理ですよ」と口では言いながらも、
心の中では「今年こそ」と思うのです。

結果きて、そのまま寝て、朝起きて、
ようやく泣けました。
はじめ、あまりにも涙が出てこなかったから、
いったいどうしたのだと思ったのですが、
やっぱり悔しくて、泣けました。
何で?とも思うけれど、自分の弱点もわかってて、
結局甘かったってことだなと思うと、
ますます自分の愚かさが身にしみて泣けました。
長いなぁ、次の試験まで。
年を重ねるごとに倍増するプレッシャーと
私はまた1年戦うことになるのか・・・
今年すっぱり合格してくれれば楽だったろうに。

火曜日に学校報告するのが一番しんどいな。



2003年10月08日(水) 『ルート225』

昨日から2年生は修学旅行。静かだ〜〜〜。
おまけに、私、2年生しか持っていないから、
授業が一切ない。正真正銘、ゼロコマ。
これで給料貰うのか・・・我ながら恐ろしい。
でも、帰ってきたらまた戦闘の日々だ。
しかも、これから後期に入るわけだから、
ここで気合入れておかないと3月までもたない。

本日の一作:
・『ルート225』(藤野千夜/理論社)

ちょっとだけファンタジー?
登場人物のキャラが生々しすぎるから、
あまりファンタジーっぽくないのだけれども。
要は、姉弟が夕方に公園から家に帰ろうとするのに、
何をどう間違ったか、異世界に踏み込んでしまった話。
そこには怪物やら魔法やらといった分かりやすい冒険はなく、
ほとんど現実世界と変わらないはずなのに、
ただ2人の両親がどこにもおらず、
数年前、肺炎で死んだはずの少女が生きていて、
喧嘩していたはずの少女と仲直りしているような世界がある。
それは、ひょっとすると全くの異世界に踏み込むよりも、
ずっと恐ろしいことなのではなかろうか。
2人は剣も持たず、魔法も使わないけれども、
確かに厳しい現実と戦い、日々を冒険しているのだ。
しかも、この小説の凄さはラストにあるのでは?
ネタばれ覚悟で書いてしまうならば・・・帰れないのだ。
2人は、現実に、両親のそろう元いた温かな場所に。
シビアな話だと思った。めでたし、めでたしではないのだ。
両親は失踪したことになり、2人は別々の親戚に引き取られ、
それぞれの人生を歩んでいくしかない。
その一方で、2人の子どもの失踪を歎く両親の住む世界があるのに。

司書の先生は「単純な話よね」と笑った。
そうか? そこで、現実世界に帰ったほうが単純だろ?
私は司書さんは大好きなのだが、どうもずれるなぁ。



2003年10月06日(月) 『DIVE』

風邪っぽかったので昨夜飲んだ風邪薬が
どうも今朝まで残っていたようで、だるい。
1時間目は図書館で読書(という名の放置)だったが、
3時間目は試験を返し、解答する間もぼーっとしていた。
午後からは何とか持ち直してくれたけれど。
2年生は明日から修学旅行・・・行ってらっしゃ〜い、

本日の一作:
・『DIVE1〜4』(森絵都/講談社)

森版スポコン小説、一気に読了。
今までの森作品とちょっと違うけれど面白いという
風の噂を頼りに(司書さんにも薦められて)手に取ったが、
本当に読んでよかった。私、偉い。最高!
飛び込みという水泳の中でも特殊な競技に挑む
中・高生の青春を丁寧に描いている。
複数の登場人物がそれぞれに良いキャラを発揮し、
多くの葛藤や苦悩の中で、一回り成長していく。
特に、最終巻は本当に丁寧に個々の心理描写があり、
思わず固唾を飲んで、試合の成り行きを見守ってしまった。
ちょうど、飛び込みをやっている生徒を
2人ほど知っているので、いっそう共感できたのかも。
ラストもまぁ大筋そのものは想像どおりだったけれど、
描き方が爽やかで、ちょっとびっくり展開も織り交ぜられ、
この小説にふさわしいラストだったと思われる。

司書さんに「『バッテリー』とどっちが好き?」
と聞かれた時に、最終巻を未読だったこともあって、
「野球好きだから『バッテリ−』かも」
と気軽に答えてしまったが、ちょっと迷うなぁ。
どちらも本当に児童文学の枠でとどめるには
ちょっと勿体無いぞという作品。これはお勧めなり。



2003年10月05日(日) 学会、その後

土曜日、研究室主催の学会に参加した。
つか、後輩の修論発表を観に行っただけだけど。
ちょうど一年前、震える声を抑えつつ、
壇上に立っていた自分を思い出し、無性に懐かしかった。
修論を書いていた頃は決して楽ではなかった。
自分の限界を目の当たりにし、周囲と比較しては焦り、
何度も何度もこの道を選んだことを後悔した。
講師の道に進んで、経験を積めばよかったと何度も考えた。
それでも、その辛さを補って余りある魅力的な日々だった。
自分の限界を知りつつ、未知の可能性も知った。
何よりも、最高の友人がいた。

後輩が言う、「早く終わればいい」

その気持ちがわからないわけではない。
でも、ものすごく羨ましい台詞だ。
彼女達も知るだろう、その辛さが最高に贅沢な時間なのだ。

その後、学部時代の友人と会った。
出張でこちらに来る用事があったというので、
一緒に飲みに行った。懐かしかった。



2003年10月03日(金) 成績揃い踏み

何のために存在するのか良く分からない秋休みを経、
今日からいよいよ「後期」である。
三学期制で育った人間にはいまだ馴染まない響き。
将来的には、皆、二学期制になるだろうにね。
で、秋休みの間に前期分の成績をつけた。
再来週末が個人懇談日である。
赤点、ちらほら目立ったね。
特に、私を悩ませる現代文のクラスにね。
ここだけ聞くと、私が仕返しをしているようだが、
断じて違う。授業態度最悪、提出物0・・・
救いようがないじゃない?
ますます頭が痛いよ。

でも、さっき「ヤンキー母校に帰る」を観てて、
まったく自分の姿勢に恥入ってしまった。
「教育は愛だ」とかつて私も信じていた。
それなのに、実際に現場についたとたんに、
「教育は仕事」になってしまっている・・・
そうなると、これほど空しい仕事はないのにね。



2003年10月01日(水) 「ローマの休日」

本日より2日間、本務校は秋休み。
ただし、私は午前中は兼務校での授業があったため、
午後だけ年休を取るという形にしておいた。
現在、兼務校3年生は『源氏物語』なのであるが、
就職が決まった子を先頭にやる気ナッティン。
よって、今日はだらだらと桐壺の巻の話をしつつ、
ちょっとした恋愛話をしつつの1時間となった。
なにせ、この授業に行く直前に、
「『源氏』は訳をぱっと配って後は適当に話して」
なんて言われたものだから、やる気がそがれてしまった。
でも、1時間話すって難しい、授業のほうが楽だ(苦笑)
経験不足・知識不足が再認識されるから、ちょっと参る。

本日の1本:
・「ローマの休日」

午後の年休を使って、観て参りました〜〜。
これぞ不朽の名作、我が人生最高の1本!
別にウンチクをたれようってわけではなく、
単純に好きなのだ、この映画が。
本当に今回スクリーンで観れたことはラッキーだわ。
まぁ、この映画の最大の魅力といえば、
チャーミングなオードリーに尽きるのだろうね。
髪をばっさり切ったり、アイスを買い食いしたり、
くるくる変わる表情に女性の私だってくらくらするもの。
でも、私がこの映画で最も好きな場面はやっぱりラスト。
「どこが一番気に入った?」という質問に対し、
従者の忠告を無視して、「ローマ」と答えるアン王女。
さらに、見詰め合う瞳の中にだけ真実を宿したまま、
初めて出会った者同士として握手を交わして別れる二人。
最後に会場を立ち去るブラッドリー氏が切ないのである。
故グレゴリ−・ペックの背中に哀愁が立ち込める瞬間、
思わず涙がにじんでしまうのである。くぅぅ。
もう何回も観てるのに、やっぱり涙ぐんでしまうよ。
いよいよ、この冬にDVD発売!待ってましたよ、ホント。


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葉明 [MAIL] [当世高校教師気質��]

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