『春』…佐野史郎さんと安達祐実さんのふたり芝居…。 とくれば、面白くないわけがないだろう! …と思って観にいったのですが、面白いというより吃驚しました。 場所はテレピアホール。 今まで機会がなくて初めての劇場だったのですが、テレピアホールって最後列がA列なんですよ。…で、後のアルファベットになるほど前の方になるという変った劇場でした。 で、観やすかったかと聞かれれば、さほど大きな劇場ではないので後ろの方でも観にくくはないと思いますが、雛壇になってるのはI列からA列まで! J列より前の席はずっと千鳥!! 最前列から真中くらいの席まで同じ高さの座席…こんなのありですか?(T^T) おかげで舞台を這いまわることが多かった芝居なので、前の人の頭で何も見えません!だって、前の人の頭を避けて違う方向に頭を向けたとしてもそのまた前の人の頭が同じような位置にあって邪魔になるんです。おかげでお客さんの頭は揺れっぱなし。……もうちょっと演出なんかを加味して劇場を選んで欲しかったですね。 しかも、休憩もないから疲れたのなんのって…。(泣)
ま、それはさておき、内容ですが……本当に吃驚したんですよ!! 海辺の別荘といった感じのセットで、部屋は散らかっている。 そこへ焼け焦げた格好で出てくる佐野さん…呆然といった態でうろうろと部屋を歩き回る。パトカーのサイレンが聞こえてくると怯えたように引っ込んでしまう。 サイレンが遠ざかるとまたそろそろと出てくる…というような感じで5分以上、台詞のない場面からはじまります。 そして、しばらくのノックの後、安達祐実さんが漸くの登場。 いきなり喧嘩をはじめる二人。やりとりは軽妙とはいえなくても、間の取り方がなかなか…。喋りは上手いとはいえないけれど、ちゃんと台詞の聞き取りやすい喋り方でした。<安達さん 火傷にメンソレータムを塗られる記憶のない男=佐野さん。(笑) 安達さん演じる『シナヲ』ちゃんによれば、おばあちゃんオススメの万能薬だそうで…シナヲちゃんは骨折をメンソレで治したことがあるんですって!!(笑) 最初から二人の関係はなんだろうなんだろうって…考えさせられるお芝居ですが…それが明かされるのは最後なのです。 ええ、そりゃあもう吃驚しましたさ!!(><) 『やられた〜!』って感が大きいです。 親子でもない(笑)、見知らぬ他人がほんの一時一緒にいる…でも、それにしては…などと考えているうちにお芝居は進みます。 シナヲちゃんの身の上話をしているうちに佐野さんの記憶が少しずつフラッシュバック…電車の音がキーなようです。 シナヲちゃん、妊娠中…ですって。 冷蔵庫を開けて『チェリーちゃんがいない』ってゆってたお子さんがいつのまにかそんな歳になってたんですね。<憶えてますか?ゼリーのCM そして、話は進み…佐野さんの記憶がシナヲちゃんによって明かされます。 『人を殺した』って…。そして、それとともに二人の関係も明かされました。
……………『恋人』……………だったんですね。(--;
やられました。その可能性だけは考えてなかったです。 援交とかなら考えたんだけど、佐野さんお金持ってなさそう…と却下。(笑) しかも、お腹の赤ちゃんの父親かぁ…。(遠い目) おまけにはじめて佐野さんの歌も聞きました。 佐野さん……CD出してんですよね。 ギ、ギターは上手いと思ったんだけどな。(^^; そのあたりについては佐野さんのHP『橘井堂』さんで詳しく紹介されてます。 (Real Playerでさわりも聞ける。なかなかに面白いHPです)
ああ、本当に吃驚しましたとも! この二人にしてはあまり出来がよくないと思った舞台でしたが、驚きはそれを上回るものでした。 ただ、また観に行きたいかと聞かれたなら…?… だって、観にくい劇場だったんですもの。(くすん)
2001年11月02日(金) |
『おやすみ、母さん』 |
『おやすみ、母さん』…白石加代子さんと渡辺えり子さんの2人芝居。 普段、ミュージカルを見ることが多い私にしては異色な作品でしょう。 しかし、白石加代子さんが好きなのv(*^^*) 好き…というには語弊があるかもしれません。 好き・嫌い…そのようなレベルを通り越してあの方の演技には魅せられました。 それほどにすごい女優さんであることは既に知られていることと思いますが…。 そして、その方と渡辺えり子さんの共演となれば、期待せずにはいられないでしょう!!! で・す・が…(^^; まず、観に行った感想が『あれ…?』でした。(苦笑) 今回も毒や棘を撒き散らすことになりそうです。 すみません!ごめんなさい! いろいろと想像して過剰に期待をしておりました。 とはいえ、面白くなかったわけではございません!! 充分に、面白かったです! でも、その面白さって『枠』にはまった面白さだったんですよぅ〜!(;。;) 私はその『枠』をぶち壊しかねないお二人のパワーを観たくて行ったのに、ちんまりとまとまった舞台でございました。 やはり、演出家が女性だから…?(差別する意図はございません。ただ、私が女性の作り上げるものに感動することが稀な体質なだけで…) また、白石さんに呑まれてしまったのか、なんなのか…渡辺さんに勢いが感じられませんでした。所々とちってたようでしたし…タイミングのズレも何回かありましたね。(^^; そう行ったことが原因なのか、イマイチなでき映えでした。
とてもシュールな内容なんです。 明日の天気の話題でもするかのように娘・渡辺さんが母・白石さんにむかって『自殺するの』ってさらりと言ってのけるなんてのはさすがです。 さらに、自殺を止めようとお母さんがいろいろな手を使って説得します。 結局、娘を止めることはできないのですが…。 そのお二人のやりとりは軽妙でとても楽しく、他の役者さんの方がいいなんて考えられないほどでした。内容はそういうのなのに、たくさん笑えました。 たくさん、ホロリ…(;_;)とさせられました。 舞台の上は、いかにもアメリカの家庭らしい楽しく優しい雰囲気が流れてました。 でも、ダメだったのですね…。イマイチ、何かが足りない。(^^; それは勢いだったり、役者さんの演技の固さだったり…演出家と私の感性の違いだったり…そんなものですが、どこか、チャンネルを間違えたような違和感が漂ってました。 その違和感の正体は私が未熟なために明確にすることはできませんが、それさえなければこの舞台はもっと素晴らしいものになっていたのではないでしょうか。 それだけが残念でなりません。 そして、ごめんなさい! 4列目の席だったにも関わらず、途中で少々寝ておりました。(爆)
※それとは関係なく、嬉しかった事柄※ 舞台で使われていた冷蔵庫が昔、自分の家で使用していたものと同じだったこと… 小さな頃、私はその冷蔵庫が好きで、そして長年にわたって私を育ててくれたもとですので(笑)、非常に懐かしく、嬉しかったです。 もう、とっくに自分の家にもなく、古いものだけにどこでも見ることが叶わないだろうと思っていたので…。
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