シェイクスピアは観て面白いから好きだけど、シェイクスピアが残した作品のうち、ポピュラー過ぎるくらい有名な演目以外はそうそう観れない。 だから、グローブ座カンパニーがあることが嬉しくて、いつか観にいけたら…と思っていたのだが…なかなか折り合いのつかないままにグローブ座がクローズしてしまった。そのままグローブ座カンパニーもなくなってしまうのかと思ったけど、子供のためのシェイクスピアカンパニーとして続いていくことが嬉しかった。
そして、名古屋公演があるという…。 観に行かない訳にはいかない。しかも、あまり上演されることがない…私が観たことのない演目だ。
場所は愛知芸術劇場小ホール…定員234名の小さなホールです。 舞台の高さもなく、こじんまりとしたホールですが、それだけに出演者の息吹が近い…往々にして私が行くのは大きな劇場ばかりなので、マイク不要な舞台との親密さがとても新鮮でした。 椅子が可動しやすいようになのか…パイプ椅子だってのがご愛嬌ですが。(^^;
『シンベリン』…ブリテンの王様の名。 二人の息子は行方不明で、一人娘のイモージェンは密かにポステュマスと結婚してしまう。それに激怒したシンベリン王はポステュマスを追放。 ローマに渡ったポステュマスはそこで知り合った男と妻の貞淑さを賭けにする。男は失敗するが、姦計を用いてポステュマスを欺く。絶望したポステュマスは召使に妻を殺せと命じる。しかし、召使は妻を逃がす。ブリテンとローマと戦争になり、それぞれが戦争にまきこまれながら運命に翻弄されていく…。
…って、説明してもなんだかよくわからない説明になってしまいますね。
出演者は9人+ジュピターの人形。 山崎清介さんが操りますが、10人目の出演者といってもいいくらいに大切にされ、絶妙な面白さを醸し出していました。 ちゃんと、衣装がえも何回もありましたしね…。(^m^)
子供のためのシェイクスピアカンパニー…というだけあって、シェイクスピア作品特有のたたみかけるような台詞回しではなく、非常にわかりやすかったです。 これを子供の為のものにしてしまうのはもったいない!
しかし、だからといって、上演中にうちわをずっと扇ぎつづけていたり、飲食したりする大人には来て欲しくないですが…。<いたんですよ!ムカツク… おまけに、子供用に座布団の貸し出しもしていたのですが、『子供』と言えない図体の大きさなのに、座布団使用…ってのは、どういうつもりで借りてるんでしょうね…。 上演中に親子でひそひそと話し声がするのはご愛嬌…というか、微笑ましいと思う場面もある。 でも、前の席を蹴ったり、椅子をがたがた揺らすのは大迷惑! …なんで、親は注意をしないのか。 しかし、パイプ椅子なのを幸い、足で押さえつけて、がたがた揺らすのを阻止していた私も負けてはいない…というか、こんなことで負けられない! 上演中は密かな攻防が続いていた(笑)。
シェイクスピア作品を観ていると、宮廷とはなんと悪意に満ちていやなところだろうか…と思わざるをえないが、策謀とそれに右往左往する人は面白い…。 しかし、過剰なほどに運命に翻弄される人ばかりが出てくる…。しかも、自発的にそう仕向けるのではなく、巻きこまれていくという形を取ることが多い。
タイトルは『シンベリン』。
ブリテンの王様の名前…しかし、お話は若いポステュマスとイモージェンの夫婦を軸に進んでゆきます。 アクの強い王妃と連れ子の馬鹿王子。語り部のようなジュピター。 インパクトの強い出演者達によって、なんだか話の中のシンベリンの影は薄い。 でも、一度出てくれば、きっちり存在を主張しているのだけれど………やはり、王様を軸に持ってきたのではお話がぱっとしませんか?
『時宗』とタイトルがつきながら、時頼と時輔の人生をつなぐ為に時宗が在ったようなものですか?(^^;
セットはシンプルに赤いパオ(天幕)と机と椅子のみ…しかし、それが玉座にも山にもなるから舞台という空間は面白いのです。何もないところに何かあるように思わせるのは役者の力量ですが、舞台という空間無くしてそれをやり遂げるのも難しいものです。しかも、演目にふさわしい大きさは重要だと思います。 ただ、大きければいいってもんじゃないってのを実感させてくれる舞台でした。 小さいからこそ、舞台を飛び出して駆け回る役者さんの表情が生きる。 客席の狭間を抜けて後ろのドアから出た役者さんがほんの僅かあとで舞台の奥から出てくる…これを大劇場でやろうったって、できるものではありません。
9人しか出演者がいないので、当然のことながら一人何役もやらなくてはなりません。しかし、登場は亡霊として黒づくめの格好で出ていたのが、帽子とコートを脱いで王妃や王様になるという早変わりは実に興味深かったです。 おまけに、人形のジュピターまでちゃんと早変わりがあって微笑ましいです。 『Lion King』に出演していた役者さんが、自分の操るパペットを指して『もはや、自分の体の一部』だと仰っていたのを思い出します。
このカンパニーの観劇は初めてですが、なんかほわほわした雰囲気で笑えて、はっと息を呑むところもあり…結構、いいですよ。 何よりも、あのたたみかけるような、役者がヒートアップしてくると更に聞きづらくなる矢継ぎ早の台詞じゃないというのがいいですね。
伝えることはきっちりと伝えながら、子供でもわかりやすい言葉を選んで簡潔に伝える…。
非常に重要ですが、舞台とは総合芸術…でも、誰かに何かを伝える以前にそれに携わる人々は皆、アーティストだから、自己満足の影に追いやられて忘れがちなことでもあると思うんです。
演じる側からみてやりがいのあるものが観る側にとっては面白くないどころか、苦痛にもなりうるということも往々にしてあるものです。 そういう点、『子供のための…』とかついてる演目なんかはそれが十分に考慮されているし、子供のほうが完成が鋭い分、生半可な演目じゃ満足はしないので、高い水準のものを観ることができると思うのです。 ともすれば、想像力の及ばないような宮廷生活を身近な喩えを上げることでわかりやすく噛み砕き、子供たちが退屈して騒ぎ出さないように、随所に笑える見せ場を作る…大変なことです。 そして、時事問題を取り入れ、『コルク入りのバットは違反なんだ〜!』とか『ろーっこ〜おろーしにぃ〜♪』とかね…(笑)、面白かったです。
昔は、人を笑わせるということがこんなにも難しいことだとは思わなかったけれど、今ならそれがわかるようになった。今なら、昔には気づかなかったことにも気づけるようになった。
それでも、犬を演じている時がいちばんノッていると思うのは今も昔も変わらないだろうけれど…(笑)。
次は何の演目で出会えるのかが非常に楽しみになりました。
…お願いだから、また名古屋飛ばししないでね?o(> x < o) (o > x <)o
…燃え尽きました。 私の夏は終わりを告げました。 『レ・ミゼラブル』と共に…。
…『レ・ミ…』はまだ9月28日まで続くっていうのに、何を縁起の悪いこと言うてるのかとお思いでしょうが、私、9月は観に行かないつもりなんで。(とはいえ、辛抱たまらなくなったら、新幹線でばびゅーんと飛んで行ってしまうのでしょうが…ばびゅーんと!)
今のところは、行かないつもりなんで!
たとえ、バックステージツアーがあっても、S席が9000円、A席が6000円で売られていようとも、行かないんです!…今のところは(‐‐;
そんなわけで、舞台の余韻を噛み締めつつ、語ってゆきたいと思います。どんなに、言葉を尽くしても、たった一音で心が沸き立つ感動を伝えられるものではないですが。 今公演は最後なので、思い切りマイナーでマニアックなことも語ってもいいはず(苦笑)。 だから、この日の感想ではなく、「『レ・ミ…』と私」というタイトルでもいいのかもしれない。
『レ・ミゼラブル』…アンサンブルのミュージカルと言われ、プリンシパルであっても何役もこなさなくてはならない為、『どうしてあたしがこんな役を…?』などという先生には務まらないと聞いたときは少なからず驚いたものだ。 だって、それまでの日本の舞台の概念は主役たる人がいて、その人のために話を選ぶものだと思っていたから。今でも、そういう作り方をしているものは往々にしてあるけど、でも、そうでないことを『レ・ミ…』が教えてくれた。 だからこそ、アンサンブルが動く大道具でなく、そこで生きている人だと実感できるのだ。 そして、そういうミュージカルだからこそ、圧倒されるパワーは他の舞台の比ではなく、何度も観たくなる。見終わった瞬間から、もう次はいつ観るかを考えるミュージカルはそうそうない。 他の人もそう思うからこそ、終演後のチケット売り場には人だかりができるのだし、リピーターが多いのも頷ける。 千秋楽なんかは…いつも『レ・ミ…』フリークでいっぱいだった。
Q.何故、わかるのか?
A.いつのまにか、自分もそうだから(笑)。 そして、千秋楽にはお客様の拍手もタイミングがばっちりで、他の日のようにばらばらな拍手ではなく、慣れた…一際、大きな拍手だから。 さらに、幕間のロビーでは、『あの場面のモンパルナスが…』なんていうような、めっちゃコアな会話がそこかしこで聞こえてくるから。(^^;
シーズンごとにキャストが変わってしまうのは、残念なことであり、嬉しいことでもある。 場数をこなすにしたがって、目覚しい成長を遂げる人もいれば、いつまでも凡庸なままの人もいる。 でも、少しでも気を抜いてしまえば、プリンシパルでもアンサンブルに喰われてしまう恐ろしいミュージカルだと思う。 プリンシパルでもアンサンブルでも、巧い人は自然と視界に入る。たとえ、視界全面に祐一郎らぶらぶフィルターがかかっていようとも、それを突き抜けて心に残る人はいるものだ。最初は、『祐一郎ヴァルジャンでさえあれば、他の人はどうでも…』なんてことを言っていたのが…(^^; いつのまにやら、岡アンジョルラス、戸井グランテール、浅利ガブローシュ、今フイイ、山形テナルディエ、加納ジャベール、鈴木ファンテーヌ、島田エポニーヌ、森マダム、山本マリウス、吉野アンジョルラス…なんてところに拘ってみたりして。 今、やっている人もいれば、もうその役をやってない人もいる。でも、年月が経とうと、そのイメージはあやふやになることなく、いつまでも心に残る。 『レ・ミゼラブル』を初めて観たのが、1997年7月6日…それ以来、どんなにキャストが変わろうとも、その時のことを忘れてはいない。ふとした場の転換の時など、舞台上に、在り得ざるその姿を探してしまう。(いや、別の役で帰ってきてくれた人もいるけど、それでも、その役に心を残している…) そして、何かの折に触れ、他の舞台のキャストにもその名を探してしまうように…。
しかし、それでも『レ・ミ…』フリークというにはまだまだだと思う。初演から何百回と観続けてる人もいるし、全世界の『レ・ミ…』を渡り歩いている人もいる。 特に、ジャベールの自殺の場の『渦巻きの模様が変わった。前の方が渦に飲み込まれていくカンジがよかった』と嘆いている人を観ると…まだまだ浅いと感じざるをえない。<そこまでになりたいわけじゃないけど…(−m−;
この日は、1F A列ということもあって役者さんの顔を見る以外に、舞台の見所がないという席だった為(だから、そういう席に大枚はたいたのは自分であって、こういう贅沢を言うのはやめなきゃとは思うんだけど…)、渦巻き模様なんて見ることはかなわず、それどころか…舞台の奥のほうにいられたり、寝転がられたりするとよく観えず、後の席の人に悪いと思いながら…自然と座高がにょきーんと伸びる…(^^;、そんな席だったので見逃したところも多し…しかし、マリウスが振りまいた涙が見えたり、ヴァルジャンが目の前から飛び出してきたり、ジャベールが私の前まで来て消えていくとか…私の前でアンジョルラスがマリウスを力づけるとかの美味しいところもあるので、すごく幸せな時間を過ごした。 最前列だと…『一日の終わり』なんかを一緒に口ずさんでると、アンサンブルの片隅に入った気分が味わえます(笑)。でも、舞台の上から『何で、こいつも一緒に歌ってんねん』ってカンジの視線にさらされることもあるけど…。(自意識過剰じゃなく、あれは見られてる…と思う。しかも、プリンシパルの役者さんが名もなき役をやっている時なんかにも見つけてしまい、そんな時にも…っていうか、そんな時の方が何度も目があっているような気がした…) だから、これだけロングランしてるとお客でも一通り歌えますって! 上演時間がか〜な〜り〜、短くなったんだから、歌ぐらい一緒に歌わせてくれ…(。_。;
ああ、もう…!どうせ、コゼットを引き取りに行く時の紳士然としたヴァルジャンがテナルディエとマダムにたかられて、椅子を倒すところがだんだん遠慮がなくなってくるだとか、娼婦のマドレーヌさん(『古ギツネ!クソババァ!』の人)が迫力を増してるだとか、工場でファンテーヌの喧嘩がだんだん派手になっていっただとか、『ここは工場だぞ』の歌詞が『私の工場だぞ』に変わっているだとか、ラブリィ・レディスがだんだんと『そこまでノリノリでやるか』ってほど楽しそうになっていったとか、今日は調子が悪そうだけど、何かあったのかなとか、衣装で学生達の名前がわかるだとか、香盤表なしでも誰がどこに出てるのかわかるとか、山手線で有楽町から乗車してきた人がアンサンブルの人だって、顔を見る前から気づいちゃっただとか…そんなことを上げればキリがないほどに、いつの間にかマニアへの道を歩み始めてしまいましたよ。
…『共に飲もう』で歌いだしてた役名がわからなくて『レ・ミ…』フリークの人に聞いていた私は一体どこへ…。(><)
遠い道を来てしまったような気がしてますが…それでも、心は足りない。 『愛で治せるならば…』ぜひ治して欲しいものですが、未だにそれに上回るものには出会っておらず…このまま、劇場で顔見知りが増えていくのかー…。(。_。; (いや、それは楽しいからイヤじゃないどころか、お友達が増えるのは大歓迎ですけど!…でも、そのおかげで逃れようもない底なし沼にずぶずぶとはまり込んでいく)
そして、この日のヴァルジャンも冴え冴えとした美声だった。 しかし、最初の方では、いつになく険しい表情だったので…何かいやなことでもあったのかと思ったほどだった。(何事もなければいいのだけれど…。(^^;) テナルディエとマダムに対する表情も冷たいもので、観るたびに椅子を倒すときの勢いが強くなっていく。この日も、勢いをつけすぎてテーブルに引っ掛けそうになったほど。…段々エスカレートしていくほど、この役は面白いということでしょうか。 ヴァルジャンじゃあ、某卿下のように笑いを取るわけにもいかないし…。 でも、この日心に焼きついたシーンは…砦で戦ってる時、ガブローシュが飛び出そうとしてそれをマリウスが追いかける時に、マリウスを捕まえようとした手が虚しく空を切る…ところを間近で見て感動。ガブローシュの見せ場の為に盆は回ってるから余り気づかないようなところなのに、ちゃんと演技をしている瞬間が嬉しい。 しかも、そんな目立たないところでそんないい演技をしていたなんて…! 前のシーズンはそんなことしてなかったじゃないですかっ!!
こういうシーンに出会えるから『レ・ミ…』は大好き。 嗚呼、全体を見渡すことはかなわないけど、やはりいい席ですねぇ…。
アンジョルラスは今日も町工場の社長さんというカンジで…皆に気配りしながらまとめてました。こういう持ち味ってなんかいいなぁ…って思えます。こういうリーダーだとふらふらついてっちゃうのがよくわかる。…さしずめ、私はビラで勧誘される市民か(笑)。 アンジョルラスはカーテンコールでバック転をしてるほど、絶好調でした。 …しかし、私は祐一郎ヴァルジャンに見惚れてて、着地の手を着いたところしか見れなかった…。(><)ダメじゃん…こういう肝心なところなのに、祐一郎らぶらぶフィルターの威力は強かった。
で、次はマニアックにアンサンブルについても語ってみたりして。 司教様は清廉な役どころなので、それに合わせて清冽な歌声を聞かせてくれるのに、その後の役ではファンテーヌをからかったり、テナルディエの宿屋でいちゃついてたり、レーグルも不真面目な学生のはず…!結構、極端な役が当たってると思ったのですが、お堅い司教の反動があるから、そんなに楽しそうなんですか?(笑)
マドレーヌさん(娼婦の…)は、今まで、思い切り大声で『古ギツネ!クソババァ!』と聞いていたので、最初はちょっと物足りない感がありましたが…観るたびに迫力は増していってますよ。実は、ここはやってみたい憧れのシーンなのですが(笑)、日常生活でこんなことを言ってしまったら…再起不能ですね。相手にもよるんだと思うけど、きっとカウンターがものすごいような気が…。 嗚呼、でも一度は言ってみたい…(^^;
クールフェラックが…なんだか小作りになってました。アンジョルラスに可愛がられたいオーラを発散してるカンジで…同じ役をやってる洋平君が可愛いから引きずられてる? う〜ん、最初のいかにも極楽とんぼそうな(注:誉めてます。原作ではそういう役どころだから)、でも、やる時はやるんだという気概が感じられたクールフェラックの方がよかったと思うのは私だけでしょうか。…賛同してくれる仲間求む!
フイイは…『共に飲もう』を歌いだす時に、まだ緊張してタイミングを計っていたのが微笑ましかった。…この曲もムズカシイ曲だもんね、最初の一音が運命を決めるような…。それだけに、綺麗なメロディに乗れた時は感動も一入なのだけれど。
はぁ…今シーズン、最初に観たのが7/29。 それから、7/30、8/14昼も夜も、8/17、そして8/26とごくごく短い間でしたが、密度の濃い1ヶ月でした。 もう、初めて観たときから数えて…なんてことは考えないようにしてるのですが、それでも、飽きるということがないですね。しかも、この瞬間すらまた観に行きたい…。(^^; そして、今シーズンは不満も多いけど、何だかんだと文句を言いながらも(笑)劇場へ行くことをやめられない。 ええ、もう病気なんです。 この病を治すのは、何があっても無理なような気がします。 こうなったら、墓に入るまでお供をする覚悟で…これからも、観に行きます。 (…つまり、禁を破って博多座も行きます。(^^;チケットさえ取れれば…)
そして来年は念願の、『レミゼラブル・イン・コンサート』だーっ!
○本日のキャスト○ ※キャスト・スケジュール掲載分だけ -昼の部- 山口ヴァルジャン、内野ジャベール、玲奈エポニーヌ、マルシアファンテーヌ、河野コゼット、山本マリウス、駒田テナルディエ、峰マダム、坂元アンジョルラス
2003年08月23日(土) |
『キス・ミー、ケイト』 |
『じゃじゃ馬ならし』がモチーフになったミュージカルで、バックステージ物で、劇中劇も楽しめて、一路さんと綜馬さんが出演してて…と聞けば、行くしかないでしょー! …とばかりに行ってきました、大阪へ!<いや、ほんとは別に大阪へ行かなくちゃいけない用事ができたものだから、そのついでなんだけど<言い訳くさい…(^^; 大阪は、暑かったですけど、名古屋より湿度が低い分、楽でした。しかし、あまりの日差しに耐えられず、途中で眩暈が…。そして、ホテルから劇場までは近いにも関わらず、日傘を購入…。それでも、そこはかとなく日焼けして帰ってきましたが…。
で、内容はといえば…いっぱい笑えました。コメディなんだから当たり前だろうと思われがちですが、くすりとしか笑えないコメディも多いものです。…そういうコメディは消化不良をおこしたように観劇後に蟠りが残るものですが。 ああ、馬鹿になるほど笑えるコメディというものは稀有で難しいものだと実感させられている今日この頃です。(何があったのかっていうのは突っ込まないでください) 客席から登場したり、舞台から降りてきたり…出演者の動きに合わせて、思わず身を乗り出してしまうことも何度か…。しかし、嬉しいことながら、残念なことが…。 私は、2階2列20番という席にいたのですが、いつもは、そうして身を乗り出すと後ろのお客さんから注意されてしまうのですが…後2列はいないし! 左隣もいなかった…。(その更に上の席種が違うだろうと思われる席にはぎっしりとお客さんがいたけれど) いくら大きな劇場とはいえ、こんなにごっそり席が空いていたのは久しぶりに見ました。 隣がいなくて、(荷物を隣の座席の下に置いてたりして)快適に観れたけど、『キス・ミー、ケイト』…イマイチ、人気ないですか? すごくおもしろくて、楽しいミュージカルなのに…。
華やかな主演女優の一路リリーと元夫婦で今はプロデューサー兼俳優な綜馬グラハムとの喧嘩のシーンは面白かった〜! さらに、二人の楽屋の違いも面白かった〜! 実際にはどうなんでしょう? やはり、女優さんの方がキレ〜イな楽屋じゃないといけないものなんでしょうか? それとも、お付きの人が勝手に(笑)綺麗に改造していってしまうのでしょうか?
最初は、バックステージから始まって、諸事情を抱えたまま、劇中劇の初日が開けるという話運びなんだけど、だんだん劇中劇なんだか、そうでないんだかが曖昧になっていきます。 最後は劇中劇が終了したと思ったら、この舞台自体も終了してました(笑)。 もっとはっきり区別をつけて終わっていくものかと思ったら違うんですね。 …劇中劇のカーテンコールと、『キス・ミー、ケイト』のカーテンコールと2度あると思った私は…(><) さらに、芝居はモダンに、劇中劇はクラシカルに…進むのかと思っていたら、これもまた裏切られました。劇中劇もモダンな感じで…でも、2度美味しい。
一路さんがまたお上手で…さらに、美人が怒ると迫力があるものだから、舞台に目が釘付けになります。ケイト(劇中の『じゃじゃ馬ならし』の役)では毒舌を撒き散らしながら、舞台上で暴れてたんだけど…マエストロにむかって、『何番でもいいからあわせてよ』って横暴なキャタリーナそのものでしたし、だんだん持っていた箒がバット代わりになり、素振りをしていた一路さん。 赤坂君が後で『ろ〜っこうおろ〜しに〜♪』って歌ってました。 はぁ…やはり、大阪は阪神づいてる。まあ、街中がトラ色なので、予想はしてましたけど…。
でも、シリアスなエリザベートもよかったけど、こういうお遊びも楽しいですね、一路さん。もしかしたら、エリザベートよりもリリーの方が好きかもしれません。
綜馬さんの場合はコメディ大好きって姿勢はわかるけど、声がドラマティックすぎて…どこか硬質な印象を受けるので、やはり笑いを取るよりも、一曲でもいいから多く歌って欲しい。楽しいのは楽しいんですけど…やはり、ファンが求めるものは芝居の流れとは違うのです。 ヅカの女優さんが登場しただけで拍手が起こるように…!(笑) 『キス・ミー、ケイト』は『ぶんだばぁ〜』(←敢えて、ひらがな表記)をはじめとして、すっと耳に入ってくるナンバーが多かっただけに、『もっと歌って』熱がごぉ〜っと音を立てて燃え上がりました。…そのタイトル通りに素晴らしいナンバーだったので、もう一度『ぶんだばぁ〜』が聴きたい。
とはいえ、ペトルーキオを演じている時に舞台から降りてきて、客さんの首を絞める真似をするところでは、最前列のお客さんが羨ましかった。 至近距離に綜馬さんですよ! 『ごめんね』って声をかけて貰えてたし!(><)
やはり、今度からファンクラブの恩恵を最大限に生かさねば…!
あと、赤坂君はJっ子だけあって身軽ですね〜。 歌が…というより、喉がイマイチ弱そうだってのが心配の種ですが、だいぶ年をとったと思ったのに(アイドルグループの頃からしたら結構年月が経ってるという意味合いです…)、あまり変わらず、ひょいひょいとセットをよじ登っていってました。…最近はJっ子でも踊れない子とかいるらしいんですが、ちゃんと踊れる子だったのですね。しかも、セットはかなりの高さがあるのに、笑顔をキープしたままってところが…。 まあ、それでもアイドルだった頃より今のがいいかもしれません。
そういえば、2幕で劇中劇の幕間に屋上(?)で出演者やスタッフが歌って踊る『クソ暑い』というナンバーがありましたが、まさに今の季節にぴったりでした。 ちょっと、『ウエストサイド物語』を思い起こさせるような雰囲気がありましたが、やはり、踊るの大好き本間さんが生き生きとしていました。 アンサンブルの人たちも、ここは本当に楽しそうでしたが…多分、覚えるのは大変だったろうと思わせる箇所…人数も多いし。 あと、ちょこっと吃驚したのが…ここの場面で煙草を吸ってる人がいるのですが…本当に火がついてました。うっすらとなんですが、煙が…! 煙草をくわえたまま踊ったりとかして…大丈夫なのかしら?
しかし、覚えやすく楽しいナンバーでしたので、劇場を出て、むっとするような熱気に覆われた途端、ほとんど無意識に『クソ暑い』を口ずさんでしまいました。(^^; 劇場を出たのは8時半くらい…でも、昼間と変わらない暑さでした。だから、余計に『クソあ〜つ〜い!クソあ〜つ〜い♪』がエンドレスで流れてました。
陽射しにあてられ、ホテルについた直後はぐったりとしていて、冷えぴたシートを額に貼って仮眠してた人間とは思えないほどに、終演後はうっきうきとした足取りで劇場を後にしていました。 …気分が悪かった人間は何処へいったんでしょう(笑)。
いかれた合宿の最終日です。この夏は今までに過ごしたどんな夏より熱かった気がします。…気温はいつになく低かったけど。(^^; しかし、すごく充実して楽しかった4日間だったけど、もうこんな無茶なことはしません。 だって、荷物が重いから! 上野公園で美術館をはしごし、図録を2冊買ってるうえに、舞台写真が加わった『レ・ミ…』のプログラムにサイン入り手ぬぐいつきの茂山のパンフレット、その他、寝る前に読んでいた小説、なぜかビックカメラで買ってしまったPC用紙。(>_<)…服だって、雨の対策として何着か余分を持っていってましたし、もちろん4日も留守にするのでノートPC持っていってました(更新してたし…)。 だから、ものすごかったです…重さが。(^^;;; 帝劇で荷物を預かってもらったのですが、ロッカーには入りそうになかったので、いつものように受付で預かってもらったのですが、受付のお姉さんが荷物を渡してくれるときに持ち上げられなくて…とても居たたまれなかったです。 嗚呼、すみません、ごめんなさい!m(_ _)m おまけに、帰ってくる前から腕が筋肉痛になるような重さでした。 …やはり、1泊か2泊が限度ですね。
で、感想はといえば…もう言うことなんて何もないという気がしますが、一応、あれこれ…
そういえば、7月に観劇したときより、エコーが強くかかってる気がするのは…気のせいでしょうか。それとも、席の関係でしょうか。エコーがかかることによって、余韻を楽しめるようになった方もいらっしゃるので、それはそれでいいんですが、必要のない方にまで強くすることはないんじゃないかと…いう気がします。 必要な方、必要でない方は言わずもがな…ですが、バッシングが怖いので内緒に。(。_。;
今日は、祐一郎さんのソロでマイクトラブルがあったようで、せっかくのソロなのに、ノイズが…! あれは胸のところに付いていたマイクを握りこんじゃったんでしょうか。 あれ?でも、あんなとこにマイクをつけてたかな…? もう一箇所は『対決』のところでまたしてもノイズが…。 あれは祐一郎さんのせいじゃないと思うけど、なんだか結構好きなシーンなので水を注された感じです。 昔、名古屋公演の時も『対決』でマイクトラブルがあって、祐一郎さんのマイクが途中で死んじゃったんですよね。祐一郎さんだから舞台のマイクだけでも村井さんと遜色なく渡り合ってましたが…またしても同じところでそういうことになろうとは…何かの呪い?(T^T)(注:今日はマイクが死ぬまではいきませんでしたが…) 嗚呼…ただでさえごそごそと落ち着きのないおばちゃんの近くだったのに、集中して楽しめない。 そういえば、チケットを取ったときはW列だったので、少々がっかりしてたんですが(発売後45分でも、Sは売り切れと言われればしょうがない)思い切りサブセンターの、中央に近い通路脇だったので観やすかったです。幕間におトイレに行きやすかったです(笑)。1幕が終わった途端に、係員がドアを開けきるよりも前におトイレへと向かった私…。 帝劇のおトイレ待ちは壮絶なものがありますから。
吉野アンジョルラスは今日もいいカンジでした。やっぱり、かっこいいなぁ。 でも、ところどころ岡さんとダブってしまう。もう、今までのイメージで『岡さん=アンジョルラス』のイメージが固定されてたからなぁ…。 しかし、初めて吉野アンジョルラスを観たときは山本マリウスで、アンジョルラス兄さん…な感じがしたんですが、岡田マリウスだと親友という雰囲気ですね。 どっちがいいかって聞かれたら…『両方♪』と答えます。(^^) 共演者によって、少しずつ雰囲気や演技が変わるのもダブルキャストのお楽しみですから。 あと、マリウスの結婚式の時、ウェイター姿でテナルディエが落としたお皿が舞台から落ちそうだったので、慌てて取って懐にしまおうとしてました。そして、テナルディエに『どろぼー!』と叫ばれる(笑)。この場面の慌てた表情が大好きです。坂元さんは驚いて正座になっちゃうんだけど、吉野さんはうろたえながら後ずさっていくんですよね…。 こういう違いを見つけるのが面白くて、何度も通っちゃうんですよね…ヴァルジャンは祐一郎さんが基本だけど。(^。^)
森マダムは今日も絶好調…リトル・コゼットに対するいぢわる具合が最高です(笑)。 今シーズン、森マダムはリトル・コゼットのナンバーが終わる前に脇で音を立てて邪魔してますから…。最初、観たときは『そこまでやるの!?』って思ったものですが、それでも…憎めない。今日はリトル・コゼットがあまり飛び上がってなかったのが残念です。 毎日、ちょっとしたところでも、声の抑揚や仕種などをところどころ変えてくれるので、この人こそ、何度観ても見飽きるということがない人でしょうね…。
岡田マリウスは…やはり、ロックの顔がちらつく…。(ーー; 舞台上でかっこいいマリウスを演じてくれてるのに、でもちらつくのはあの顔…。 今シーズン、岡田さんを観るのはこれが最後のはずなのに、ロックのイメージだけで終わってしまうんだろうか。 それにしても、マリウスが撃たれるシーンは何度観てもはらはらします。 だって、石井さんがやってたときからそうで、山本君もそうだけど、結構、思いきって跳んでるから舞台の端、すれすれの位置に倒れこむんですよね。 あの場面でマリウスが落ちたら…どうフォローするんでしょう。 内野ヴァルジャンがいなくても『対決』してたように、ヴァルジャンはいないマリウスを連れて下水道へと逃れるのでしょうか。 それとも、怪我がなければ…どさくさにまぎれて素早く舞台に戻るのでしょうか。 嗚呼、そうなってほしくはないけど、そうなってしまったときもちょっぴり見てみたいかも…。
最後に…あまりバッシングはしたくないけど、これだけはどうしようもないことを。 高嶋ジャベール…変な癖がついてましたね。『Stars』のあの妙なスタッカートは何でしょう。 役がこなせてないうちから、自分なりに変えていってしまうから変! おかしいと思われない為に、役者さんは裏打ちされた実力とセンスが大いに重要ですね。 まず、基本があってから変えてしまうのはいいけど、基本もできないうちからアレンジされると不愉快を通り越して憐れになります。特に、『レ・ミ…』みたいな作品は実力と技量の有無がはっきりさせられてしまいますから。 ただでさえ不器用なのにこれ以上、ジャベール像を壊さないでほしい。 『黒蜥蜴』千秋楽に『ようやく初日になりましたね』といった美輪さん…どういうお気持ちで言ったのかお聞きしてみたい気がしますが、それはお聞きするまでもないことなのかもしれません。ルキーニがそうであったように…きっと、再演以降で観たほうがよかったですよね。 …早く、初日が迎えられるといいですね。
あと、観終った後に物足りない感が付きまとってどうしようもなかったのですが、この4日間で理由がわかりました!
それは、上演時間が短くなったというだけでなく、今までは終演後にお客が帰るときにもオケが演奏してくれてたのに、今シーズンのオケはもうカーテンコールの途中から楽器を片付け始めてて…追い出しの曲がないから!
私はその最後の一音までも聞いて、オケに拍手をしてから劇場を後にするのが好きだった。 覗き込んで拍手してると、オケの人が笑ってくれるのが嬉しかったのに…終わった後に『バイバイ』って手を振ってくれるのも嬉しかったのに…。 それなのに、カーテンコールの途中で片付け…寂しい世の中になったものですね。
……テーマは不変でも、いつまでも、ずっと変わらずにいられるとは思ってない。 変わってしまっても、好きにならずにいられないけど…だけど、自分の中で大切にしていたものがもうないんだと認めるのは寂しいことです。 それだけに余計に『昔は…』となるんでしょうね。 ただ、自分が老化したんだとは認めたくないものねー!
行ってきました、茂山狂言祭。 観てきました、妖怪狂言。
妖怪狂言とは、小説家・京極夏彦が狂言のために書いた話で、妖怪が主人公の話です。
最初は『狐狗狸噺(こくりばなし)』で、無職で無宿の男が嫁入り行列からはぐれた嫁(長者の娘らしい)と出会います。そこへ山犬(狗)が現れ、ふたりを食べようとするのですが、旅の僧に救われ、お礼に寺再建のために寄付をします。でも、それは実は狸で、狸に化かされた二人は何度も寄付をして、しまいには文無しに…。一度は退散した山犬が戻ってきて狸と揉めるが、娘が寄付した金は木の葉で、長者の娘は実は狐でした。…化かしてるはずが、実は化かされ、獣が獣を化かす…ざっと、説明するとそんな感じ。人が人を化かす時代だから、獣が獣に化かされても不思議はないんですって。
これじゃなんだかわからん!…という方は、機会があれば一度ご覧になってください。ものすっごく笑えます!絶対、損はしませんよ! これこそ、観た方にしかあの面白さはわからないでしょうね。 本当に、尻尾を巻いてから逃げる山犬は秀逸だったと付け加えておきます。
しかし、狂言とはなんと洒落てて風刺が効いてるのでしょうか。 京極さんらしいといえばらしいい話運びなのですが、小説のような小難しさはありません。茂山の方々が表情や所作などでもわかりやすく噛み砕いてくれてるので、何も考える必要などなく、ただ笑っていればいいのです。 ただ、意味を考えれば痛切な風刺が盛り込まれていますけどね。
その次は『豆腐小僧』。 臆病な妖怪の豆腐小僧は破れかけた笠と手に持った豆腐がトレードマークの妖怪です。妖怪のくせに人間を驚かせたことがなく、一度でいいから驚かせてみたいと思って、太郎冠者にそそのかされるまま、太郎冠者の主と次郎冠者を怖がらせようとします。だが、主は怖がるどころか豆腐小僧の豆腐を食べたいと言い出すし、その時、雨が降ってきたので、太郎冠者は豆腐小僧の被っている笠を主に渡してしまう。そして、豆腐さえも取られると、それを持った主は豆腐小僧となり、どこかへ去ってしまいます。豆腐小僧は…豆腐小僧ではなくなり、太郎冠者、次郎冠者の主となりました。
説明すると、これだけの話なんですけど…私はこの話が一番好きです。 豆腐小僧をやってらしたのは茂山千之丞さんだったんですが、豆腐小僧と名乗った時に『何で、じい様なのに小僧と名乗る!?』って思ったのを見透かしたかのように『爺なのになんで小僧って言うんだとお思いでしょうが…』ってなことをいうんですよ。(細部は違います)ものすごく絶妙のタイミングで。 きっと、ここで笑った方は心の中でそう思ってた方ですね。<私もそう…(^^; しかも、ものすごく哀れになるような情けないお顔で…。 誰も知らないといわれて泣きそうな顔になっていったり、妖怪のくせに情けなさ過ぎるところがとても親しめます。 お爺ちゃんなのに、なんだかとってもラブリー。 なんだか、俄かに妖怪バカになっていきそうな気がします。 昔から、妖怪とかの話は嫌いじゃないだけに…はまったらどうしよう。
…参りました。m(_ _)m
これだから伝統芸能は馬鹿にできないですね。 おそろしや〜、おそろしや〜(笑)。
もうひとつは『首引き』で、どれもこれもたっぷりと笑わせていただきました。 (こちらのあらすじは割愛させていただいて、狂言関連のHPででも見つけてください。) 普通、面を通してだと声が多少くぐもるものなのですが、くぐもっていても尚且つ、声が明瞭であったというのは流石です。 やはり、役者というものはどのようなフィールドであっても、先ず『声』ですね。 歌舞伎(だったかな?)で『一.声、二.姿、三.演技』というらしいですが、それを聞いたときには『なるほど…』と思ったものです。
…狂言でもこんなに笑ったのははじめてでした。 もう、今まで観た中で一番好きです。 最初は千作さんが出演する回ではなかったので、がっかりしましたけど、全然、不満を言う暇なんてなかったです。 茂山は…息がぴったりで掛け合いがとても面白いです。 これで若手の子達がもう少し色気があったら無敵ですね。 (女性の役をやっているのに、艶やかさが感じられないんですよ〜。『美男』っていう設定なのにそれが感じられないとかね…) がんばって〜!(^^)
狂言を観たことがない人にも…というか、観たことがない人にこそ、オススメです。 そういう人たちへの取っ掛りになってくれたらいいですね。 伝統芸能だからって堅苦しいわけじゃないし、若いお姉さんたちがTシャツやジーンズで気楽に観てるし、楽しめるし、元気が出ます。
しかし、国立だけあって名古屋よりいい能楽堂でした。 シートが広い〜。 隣は空席でしたので、非常にのびのびとリラックスしきって観てました。絨毯もふかふかでした。 ただ、場所が千駄ヶ谷ってのが不便なんですけどね…。
……うっかり、乗換えを忘れてそのまま2駅先で気づいたから。 気づいた時にはドアも閉まりそうだったという…お約束の展開でしたし。 能楽堂自体が、住宅地の中にあるから、ちょっとわかりづらいよ。 田舎者の為にもう少し、わかりやすい建物にしてくれないだろうか。 あと、休憩できるところをもう少し増やしてくれたらいいのに…。 近くにはレピシエくらいしかなかった…。 以上、田舎者の愚痴でした。
あと、いい忘れていたことといえば、お家が京都だけあってめちゃめちゃいい着物でした。着物だけでも、一見の価値はあります。
2003年08月15日(金) |
『マンマ・ミーア!』 |
久しぶりの四季…という気がしないでもないのですが、また行ってきました。やはり、夏といえば『海』だから…?(笑)
そんなことはないですが…元気の出るミュージカルだからという理由ではあるかもしれないです。
公演を重ねているだけあって以前に観た時よりパワーアップしてました。 保坂さんは以前から伸びやかなお声でしたが、より一層ぱわふりゃ〜になってました。ドナが以前に観た時よりも格好いいんです! 男前度が上ってました(笑)…いや、気風のいいお母さんでした。
今回は前田美波里さんがターニャでしたが、存在感がありますね。 役柄の問題だけでなく…この人は役をぐぐいと自分の個性に持ってくるタイプだけど、それが鼻につかないというのは凄いですね。 声に特徴がある人だけど、それだけに『マンマ・ミーア!』の曲は聴き応え充分でした。
カンパニーの纏まりがすごくて、それだけに絶妙なタイミングでの応酬が続くので、退屈してる暇も、舞台以外を見てる余裕もないです。 何度観ても楽しいミュージカルというのは、最初の一音で心を鷲摑みにされる…ということに気づきました。 だからこそ、最初から最後まで瞬きするのがもったいないくらいに食い入るように観てました。 そして、最後は客席もオールスタンディングでまるきりライブ! せっかくだから、踊ってきました…2曲分。(^^) たまにライブに行きたくなるけど、もうそんなに体力ないし…とか思ってる人間にはちょうどよい分量です。
そういえば、先日どこかの雑誌で『ソフィはスカイとは結婚しないかもしれない』という記事を読んでいたので、そういう目(笑)で観ていたのですが…なるほど、そうかもしれない。 スカイと結婚するなら、式をやめなくても式を挙げた後で世界を見つめる旅に出たってよかったはずだし…今まで、これは『母と娘、女の物語だから…』と思っていたけど、スカイの人物描写が曖昧でどうにも個性が見えてこない。…こりゃ、ソフィにふられても仕方ないかもしれないと思うような…(^^; で、つい…『マンマ・ミーア!』その後を考えてしまったわけなのですが、世界を見つめる旅の途中でスカイはソフィにふられ、ソフィは……他の人の子供を生みそうな気がする!さらに、ソフィまで『誰の子かわかんない』とか言ってたらどうでしょう(笑)。
…そんなことを考えるのも楽しかったです。 本当に優れた物語ってのは場と場の間とか、その後の話をあれこれと作ってみたくなるものですね。
2003年08月14日(木) |
『レ・ミゼラブル』昼夜2本立て |
今まで、これほど贅沢をしたことがないというくらいの満足感だった。
もう、おなかいっぱいです…ごちそうさまでした。(^人^)
おわり
…で済ませたら手抜きだと思われるんだろうけど、満足しきってる時には言葉なんて出てこないし、劇場で感じたあの高揚感は表せないものなんですよね。
−−−鼓動があのドラムと響きあえば…−−−
と歌詞にもあるように、私の魂は97年から『レ・ミ…』色に塗り替えられてしまったんです。 シーズンごとにCD出してくれても、全部買っちゃいそうなほど魂を鷲摑みにされてしまったんです。<本当に欲しいよ…せめて祐一郎版を出して…。
それでもあえて言うなら…
祐一郎ヴァルジャンは観るたびに声が伸びやかになっていってる。前回よりは今回の方が断然いい!<祐一郎さん素敵フィルタスペシャルSuperが標準搭載されてますから。 ふつう、公演が続くと声が疲れてきたりするものだが、この人はそういうことがなく、だんだん調子が上っていってる気がする。 もう、一生ヴァルジャンしかやらなくても、劇場通いしちゃいそうなほど好きだ〜!(笑)
岡ジャベールは初めて観ましたが、いいですよ! ジャベールにしては端正だけど、私はこういうジャベールが観たかった。 いや、ヴィジュアルが嬉しいというのではなく…! (ヴィジュアルでいったら高嶋ジャベールが一番原作に近い…) 人物描写の掘り下げ方が深いとでも言えばいいのだろうか。 今までの方が演じてきたジャベールの存在は『職務』を象徴していた。 でも、私は原作本を読んだとき以来、ジャベールの根底にあるものは『怒り』だと思っていた。 刑務所で生まれ、父は誰かもわからず、それでも正しくあろうとしたのは『職務』ではなく、親や世間への『怒り』だと思っていた。『職務』は『怒り』を正当化させる為の手段だと…。だから、規律を重んじ、罪を憎み、それを犯すものに対して厳しい処罰を与えるのが当然だと思っている…そういうジャベール像を思い描いていた。 やはり、ミュージカルでは解釈が違ってしまうのかと少々残念に思っていただけに、岡ジャベールが見せてくれたジャベール像が嬉しかった。
玲奈エポニーヌは生命力に溢れたエポニーヌだった。やはり、ピーター・パンだから…?(笑) 今まで演じてきた方々とはずいぶん違う印象だけど、こういうエポニーヌもいいかもしれない。
岡田マリウスは…お名前を聞いた時にはピンとこなかったんですけど、声を聴いてわかりました。
『ロックだぁ〜!』(by手塚治虫)
うう…またマニアックな話題になってしまいそうですが、手塚と宮崎で育った日本の子供としては避けて通れないです。『メトロポリス』好きです。 舞台上にいるのは紛れもなく岡田さんなのに、あの顔がちらつく…。(−−; なんだか独特の声で、結構甘い音色ですね。耳元で囁かれたら、恋に落ちてしまいそうな類の…(笑)。でも、やっぱり『シンガー』の歌い方なんですよね。喉だけで歌ってらしゃるんで、感情表現がイマイチさらりとしたものになってました。
三遊亭テナルディエは開幕前からその経歴が話題になってましたが、端的な感想としては…『やっぱり、四季にいただけあって声だけ端正だ』でした。 テナルディエって(キャラ的に私は好きだけど)悪役だと見做されてるからもっと汚い音でもいいはずなんじゃ…と思うくらいに声が整いすぎてました。結構、面白い持ち味をしているとは思うけど、凄味に欠けるかな…。 そういえば、ヴァルジャンにコゼットを可愛がってることをアピールしてたシーンで、コゼットの顔中にキスしてたのですが、コゼットが嫌がって思い切りのけぞっていた姿に大笑いしました。…や〜、多感な少女にあそこまでやらなくても。(^^;
坂元アンジョルラス…初めて探さなくてすみました(笑)。 VIVA、2階席! 久々に初心に帰って、舞台全体を見渡した気がします。どうしても1階席ばかりだと役者さんの表情を追うことに終始しちゃいますから。<すごい贅沢言ってるよ。こういうことを書いてるから、嫌がらせされちゃったりするんだろうか(^^;;;
で、夜の方はといえば…
今井ヴァルジャン…いいじゃないですか。賛否両論聞いてましたが、私はいいと思う。 『彼を帰して』は聴きごたえありました。 ただ、ちょっと装飾過多気味。 もっとシンプルでもいいような気がします。 (舞台上で)ヴァルジャンになろうとするのではなく、ヴァルジャンとして生きてくれたら…その時にはもっとすごいことになってるかもしれません。
今まで、滝田ヴァルジャンは白く、鹿賀ヴァルジャンは青白い、祐一郎ヴァルジャンは透明…というようなイメージがあったんですが、今井ヴァルジャンはセピア色ですね。 初めてなんだけど、なんか昔に出会ってるかのような懐かしさがあったんで。
内野ジャベールは、可もなく不可もなく。 いや、昼公演で私のジャベールと出会ってしまったんで、もうジャベールに関しては何も言うことないし。 ただ、やっぱりこの人はストレートプレイの方がいいんじゃないかと思ったのも事実。
マルシアファンテーヌ…いいんだけど、所々アクセントやイントネーションがおかしい気がする。(ー^ー; 全編を歌い上げてるからまだあまり目立たないのかもしれないけど、間違える以前の問題ってどうなんだろう…? 雰囲気はいいだけに、もうちょっとそこを何とか…。(…って書いてて、そこが直されてたりしたらとても怖い)
森マダム…さすが、『生き残り』といわれるだけあって、安定してるので安心して観れます。雰囲気もコメディエンヌぶりも大好きな人ですが…コゼットに水汲みを命じるシーンで森さんがバケツをテーブルに置いたとき、コゼットが本当に飛び上がってたのですが…あれは本当に演技?(^^; しかし、前の方のお客さんもコゼットと一緒にびくっとしてたのが面白かったです。
吉野アンジョルラスは…カリスマタイプですね。(^^) 背も高いし、探さなくてすみました(苦笑)。 坂元アンジョルラスが、『誰かが引き受けなくちゃいけないなら、皆のために俺がやるよ』ってなタイプのアンジョルラスだとしたら、吉野アンジョルラスはやはり、何がしかの『象徴』というタイプの違い。 カリスマタイプは一段高いところから皆を見守っているという印象を受けます。 原作も結構そういう風に書いてあるんだけど、アンジョルラスに関していえば、坂元君のようなタイプの方がうれしいかな…自分がABCカフェに混ざるなら!(笑) しかし、かっこいいですよ…アンジョルラス兄さん! エポニーヌが死んで、仲間に運ばれていく時、泣いてくしゃくしゃの顔をしたマリウスがその後についていこうとするのを止める姿にうっかり惚れてしまいそうでした。(*^^*) 昔、『ラ・カージュ・オ・フォール』で岡田さんと市村さんの息子役をやった時は『何であんな冴えないのを…』なんて思っててごめんなさい! (…でも、忘却の彼方に追いやられてるのとどちらがマシだろう)
そして、この日も『カフェ・ソング』にやられる。(。_。; …切ないですね、このシーンは。 仲間たちの魂はそこにあるのに、自責の念でいっぱいのマリウスは気づかない…そういうふうに観える。 今まで、この曲を『いい曲だ』としか認識してなかったんですけど…もうそれだけにとどまらないカンジ。
最初、今井ヴァルジャンの噂はあまりいいことを聞いてなかったんで、A席にしてしまったんですが、こんなことならS席にすればよかったです。 しかも、ラストの一番好きなシーンで帰ろうとしている客に遮られるし! 出待ちをするのはご自由ですが、他人の楽しみまで邪魔しないでください! 雨降りだったんで、傘を入れたビニール袋をがさがささせながら観てるのはいるし! 最近、マナーを守るミュージカル好きの席(ファンクラブ席・あるいはコアなファンの席らしい)ばかりにいたので、ちょっとしたことかもしれないけど、こういうことがすごく気になりました。携帯の電源を切ってなかったり、上演中に席を立ったり、話をしたり…すごく嫌な感じです。 でも、それとは裏腹に嬉しかったことは…夜公演の時に『一人できている男の人が増えた』ってことです。圧倒的に女性客が多いのがミュージカルの特徴ですが、こういうのってなんかいいですよねぇ…?
○本日のキャスト○ ※キャスト・スケジュール掲載分だけ -昼の部- 山口ヴァルジャン、岡ジャベール、玲奈エポニーヌ、井料ファンテーヌ、剱持コゼット、岡田マリウス、三遊亭テナルディエ、峰マダム、坂元アンジョルラス
-夜の部- 今井ヴァルジャン、内野ジャベール、真綾エポニーヌ、マルシアファンテーヌ、河野コゼット、山本マリウス、駒田テナルディエ、森マダム、吉野アンジョルラス
2003年08月10日(日) |
『シンデレラ・ストーリー』 |
ストーリーは言わずもがな…の有名なあのお話です。 『どうだった?』と聞かれれば、『楽しかった』と答えます。
でも、私はこれをミュージカルとは呼べない。
ミュージカル・パロディっていうなら、納得はできるんだけど…。
一流の方々を使って、B級作品を作る…ハリウッドのような遊び心ですね。 贅沢な…というか、日本も豪気な国になったものですね。(^^)
やはり、作曲家の武部さんにしても作詞の斉藤さんにしてもPOPSの人だから、ミュージカルというには音も詞も軽いというか…オケじゃないから音が薄っぺらいというか…まあ、芝居に音楽が盛りこまれてればミュージカルとつけれるってもんでもないだろう、と思ったりもしました。 まったくの駄作ではないけど、傑作ではない。けれど、まあ…『こういうのもたまにはいいんでない?』って思うくらいの水準ではありました。出来映えはともかくとして、楽しかったし、こういう内容のものは元気が出ますね! 全体的な流れには、もう少し改善の余地はありそうだけど、キャラがたってるからそれだけでも楽しめました。 それに、芸達者な役者さんたちがお客さんをちゃんと楽しませようとしてるところがいいです。 観終った瞬間にもう次を観たいと思ってるような作品ではないけど、何年後かに再演したら、もう一度くらいは観てもいいかもしれないと思う作品でした。
はっきり、『井上君を観に行った』が目的ですので、大抵のことには動じなかったというのもあるんですが(苦笑)。
で、その最大の目的の井上君=チャールズ王子は開演数分前から客席を回る宮廷の人たちに探されてました。 『チャールズ王子〜』と叫びながらも、松澤さんが開演2分前に席についてないお客さんに『早く座りなさい』って言ってたり、7か8列目のセンターの席がまだ空いてたので、砂川さんがそこに座って『いい席が空いてるんだね〜』ってお客さんに話しかけたり、その後、私の座っている方に降りてきてくれて『一緒にチャールズ王子を探してください』って言われたので、ここぞとばかりに『チャールズ王子〜!』って叫んだり、最初からお楽しみは盛りだくさんでした。
そして開演してすぐに甲冑の中から現れた井上君の笑顔はやはり、キュート! 『本当の愛』もいいナンバーでしたが、金色の甲冑姿で歌う姿に……笑いました。 だって、その姿はまるで百式!(>_<)だって、金色!!(ガン○ムマニアじゃないとわからないかも…) どうしよう……必死で笑いを堪えながらも肩を震わせていたところに、井上君と目があってしまったような気がします。(。_。; 今回も3列目のセンターというとてもいいお席で、Ticket BAMBIで取ってもらった席なだけに、とても気まずい! 笑うところじゃないんだけど、井上君はシリアスに歌い上げてるんだけど、でも、何故かツボにはまってしまって、笑いを押さえることが出来なかったのです…。
しかし、王子様…似合ってましたね。 シンデレラのちひろちゃんも可愛かった。 歌はもう少し頑張って欲しいけど、雰囲気はいいですね。 2人でいるシーンはほんわかして可愛い!
そうそう、これだよ!私はこういうのが観たかったのよ。 やっぱり、ロマンは必要よね〜(^^)…と、再確認してきました。 でも、シンデレラのドレス姿に食指がわかない私は『乙女の夢』からは遠い!(笑) ゴージャスなドレスから小汚いシンデレラの格好に戻っていく過程の衣装が凝っていて好き。 あとは、2人とも…もう少しコメディに慣れてね。笑いをとろうとする姿がイマイチぎこちない! 特に井上王子はがっちがちのグランドロマンには向いてるのかもしれないけど、コメディにはこれからさらなる努力を重ねて欲しいものです。がんばれ〜! とはいえ、泣かせるよりも笑わせる方が難しいものね…。
ひずるさんは、思いのほか高い声で…まさかあのお年であのような可憐なお声が出るとは思ってなかっただけに驚きました。役名も『ガートルード王妃』だったので、あんなにおっとりした役柄だと思ってなかったんですね。 宝塚にいた方は本当に芸の幅が広く、いろんな面を持ってらっしゃるので観るたびに驚かされます。
王様マヨマヨは…王妃が王妃だけに食われちゃうんじゃないかと思ってましたが、なかなか堂に入った王様ぶりで安心しました。ちょっと、アレ…な部分もありましたけど、ジャベールだった頃よりは、上手くなってました。 ジャベールだった頃に今くらいであって欲しかったけど…。(;_;)
お義母様………ものすごいインパクトありましたよ。 最近、女形をよく観るな…と思わないでもないけど、男の人がやるから、そんなに嫌味なだけの役じゃなくなるのかも…。 必ずしも女形でやらなければいけない意味はないのかもしれないけど、池田さんでやる意味はある! すごくよかったです。シンデレラへのいじめなんて間の取り方が絶妙! シンデレラへのイヤガラセで下着を撒き散らしていた時、金具が鬘に引っかかって慌てていた様が、その後のはにかんだ笑顔が…さらに笑いを誘いました。 しかし、そうかと思えば…コーラを飲む時の背中は『誰も客のいない場末のバーで独り寂しくグラスを傾けている』かのような哀愁が漂っていました。 池田さんって…奥が深い。
橋本ピエールも美味しい役どころでした。お義母様との掛合いに大爆笑〜! 王子に『本当の愛』のリプライズを『一緒に歌ってくれ!』って言われてポッケから歌詞カードを出す姿が、王宮の旗(綺麗にはためかせる為に扇風機付き)を持つ姿が、歌に入る為に一番上のボタンをはずす姿が、ドサクサにまぎれてお義母様の胸を揉む姿が、いちいち可笑しいんだよ〜! 付け加えるなら、この日…橋本さんは危ない橋を渡ってました。 池田お義母様に飛び蹴りした時、舞台すれすれに着地してしまい……あと、もうほんの5cmズレていたら、舞台から落ちてました。 客席も、出演者も、皆吃驚してましたが、一番驚いていたのが橋本さんでした。 舞台の前に設置されていたねずみが登ってくる為の梯子の上端がなかったら…もしかしたら、落ちてしまっていたかもしれません。 そんなことにならなくて本当によかったです。
チュー太郎の佐藤さん…魔法によって御者に変えられた時、『人間になったら毛が薄くなった』の言葉に『それは魔法じゃない〜♪』と即、歌い返したデーモン閣下。 さすが、腐ってもミュージシャン…。(ーー; なんで、こんなに可笑しいのか。
…デーモン閣下は何役もやっていたので、さぞかし忙しかったでしょう。 でも、いちいちキャラが違ってるんで、楽しい。 黒○さんのモノマネも観れた(聴けた?)し、衣装でも楽しかった…。 魔法使いの派手な衣装はいつもの閣下といういでたちだったのですが、宮廷ねずみのチューノ丞をやっていた時、チーズケーキ(喫茶店のウィンドウに飾られているような偽物)を肩につけていたのが私のお気に入り。 だけど、一番可笑しかったのは…いつものあの顔なのに、『シンデレラのお父さん』ってことです。 お父さんの時は肌色の顔を見れるのかと思っていましたが…あの、いつもの白い顔のままでした。…一度くらい肌色に塗った(アレが素顔だそうですから)お顔を見たかったですねェ。
それから、カーテンコールの時に井上君がお義母様のドレスを踏んづけて、睨まれていたのが…なんとも微笑ましい!(笑) しかし、お義母様の後姿に蹴りを入れる真似をしていた井上君は見た目通りの甘い顔ではないってことですね。 やっぱり、男はそうでなくちゃ…と思ってるあたりが、最後までお馬鹿。(><)
あと、この作品に言っておくべきことは…『シンデレラのドレスは消えてしまったのに、靴は何故消えなかったのか!?』という疑問をちょっと強引ではありますが…ちゃんと明快にしているところに拘りを感じました。 お取り寄せ魔法でレンタル…メルヘンなんだか、ファンタジーなんだか…(^^;
しかし、これだけ楽しいんだからもっと、プライドは高くてもいいのではないでしょうか。 『ディ○ニーのアニメでは…』とか、『ハ○太郎は…』とか、『の○太にしたいんですか!』とかの台詞は余計というより、うざったいものを感じました。 (呪文の『アイコウダイメイデン〜』とか『ヨシヅヤ〜』とか『シッポウシッポウ ミソミソ…』なんかはサービスのうちでいいですが) そういうのって、著作権とか…何も問題はないんでしょうか。 特に、夢を売ってるくせにわけてくれない、ドラマの撮影にも煩いあの企業は…何も言わないのでしょうか。 ま、それよりもそういうのを出してしまうからこそ、ミュージカル・パロディとしか思えないんですけどね。 オリジナルと銘を打つなら、そういう低次元な引用はいらないでしょ?
私は、大変な思い違いをしていたように思う。まあ、このチケットを取った時期は『レ・ミ…』やら『妖怪狂言』やら『ハムレット』やらのチケット確保に血道をあげ、『HONK!』については『観たいけど、まあ取れたらでいいや…』などという気楽な気持ちでいた。 だから、申し込んだのは前回公演が楽しかった記憶があるからではあるのだが、『戸井さん出演』ってだけで選んだに等しい。だから、他にはどういう人が出てるかあまりチェックしてなかったし、どの役をやるかということも気にしてなかった。 で、ものすごい誤解をしてたんですよ。 加納さん…CAT、戸井さん…七面鳥って、思ってました………。 すみません、失礼しましたっ!(><)
あ〜、加納さんパパだったんですね…。(。_。; ほら、あれですよ。前回の深沢パパのイメージが残ってたんで、タイプ的にCATだと思ってました。ん〜、まさかパパだとは思いませんでした。全然違うやんか! でも、子育てに苦労してるあたりの姿が非常に似合ってました(笑)。全体的に楽しい話だし、何役もあるからなのか、終始楽しげに演じてらしたのが印象に残ってます。特にカエルの時がノリノリ(死語)だったと思うのですが。七面鳥などをやってらした野沢さんもそうなんですが、とんでもない格好の時のが楽しそうだと思うのは私の気のせいでしょうか?(^^; 野沢さんなんて…魚の白タイツにチュチュのときが一番嬉し楽しそうに見えましたよ。 カエルの台詞の『どえりゃ〜、イケメンだがや』は名古屋公演のサービスですね。こういうサービスって名古屋だと必ず『どえりゃ〜……だがや』が出てくるんですよね。名古屋って、それだけで括られてしまう土地なんですね…名古屋在住としてはちょっと複雑な気分。 ふっ…それにしても、私の好きだったジャベールが今じゃ黄色いエプロン姿か。(遠い目)
それでも、演じる側が楽しく演じられるというのはとても重要なことだと思います。演じる側がつまらないと思ってるような作品は観客も楽しくないですしね。
で、CATが戸井さんだったわけですが………なんか、新境地を開拓した? 戸井さんってあんな人でした?…ってくらいには今までとは違う面を見せてくれました。なにか、吹っ切れたものがあったような…というか、突き抜けてしまった気もします。 でも、マヨマヨとはまた違ったCATで楽しかった〜。(^^) でも、グランテールの渇いた眼差しが好きだった私は、CATが出てきた瞬間、息するのを忘れた…。新境地は開拓できたかもしれないけど、今までのものを失わないでくださいね。(;_;)
今回、いちばん難しいだろうと思ったのが岡まゆみさん。前回の鳳さんのインパクトが強ければ強いほど、プレッシャーはいかばかりだったのでしょうか。 でも、とても可愛いお母さんでした。鳳さんがベテランの母の貫禄なら、岡さんは母初心者で、全然タイプの違う母の愛を見ることができました。 『他の子がどうでもいいわけじゃないけど、迷子になった子を放っておけない』っていうのがひしひしと伝わってきました。
主役の白川君なのですが…最初、『誰やねん、それ…?』って思ってました。 全然名前も聞いたことなかったものだからまったくの新人サンなのかと思ってましたが…ハリケンジャーならそう言ってください!(笑)タレントさんなら知らなくてもしょうがない。 でも、この子も頑張ってたけど、歌えない子にミュージカルに出演させるのはとてもかわいそうだと思うんですが。ハリケンジャーだけあって、動くのはそこそこできそうなんだけど………うっ、歌が………(――; 歌えない、踊れない、芝居ができない…危うく3重苦になりそうなカンジ。 公演を重ねてきて名古屋であれってことは東京の初日はどんなすごいことになってたんだろう…。ママは結構、アイコンタクトを取っていたように思うんだけど、そのうちの何割が通じていたんだろうか。いくら、不肖の息子とはいえ、パパやママがフォローするのにも限界はあるよね、きっと……。 でも、デュエットの相手がいちばんフォローしてあげないといけないのに、自分だけ勝手に歌い上げて白川君は置き去りにされてました。ミュージカルに出演するには実力があれだから、多少はしょうがないのかなとも思うんですが、それにしたって相手役に対してもう少し労わってあげてもよかったのでは……そういう気にならないほどの何かが、このカンパニーの水面下では起こっていたのでしょうか。 でも、主役なんだからせめて、もっと歌のトレーニングをして〜!(><) 鳴声の『Ho〜nk!』が音は伸びない、音が綺麗に乗らないで何とも情けない。 苛められて哀れっぽいときにはよかったんでしょうけど、もうちょっと何とかしてくれないと…。(^^;
でも、それより…大きいですね。戸井CATなんかはうっかり襲いかかったら逆に食べられてしまいそうな(笑)立派な体格でした。戸井さんだって、決して低いほうではないのに…。 しかも、白鳥なのに黒いし!(▼▼メ 白鳥になったときの白いダウンジャケットの衣装が目に眩しいくらい、肌の黒さが際立ってました。いくら体育会系でも、白鳥の役なんだからもうちょっと気を使って欲しかったよ…。(;。;)
それから、夏休み中の公演と『みにくいアヒルの子』という題材だけあって、わりとお子様連れも多かったのですが、親子観劇ではなく、おじいちゃん、おばあちゃんに連れられている子が多かったです。おじいちゃん、おばあちゃん…なかなかいいセンスしてますね。 でも、お子様よりもおじいちゃん、おばあちゃんのほうが楽しんでました。
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