月と散歩   )   
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2002年03月31日(日) 桜、降る夜。

ちょうど、4年前の今日。

僕らが名古屋に出てきた日。

みえない不安と期待でなんだか浮かれていた頃。


夜。
ラーメンを食べたくなって、友達を誘った。
クルマも持ってない頃だから、歩いて行けるところを探した。
寮のおばちゃんに聞いて 行ったそこは、お世辞にもウマイとは言えないところだった。
喫茶店のオヤジが、店が終わってから少しの時間だけやってる、屋台風ラーメン屋。
僕らはそこを『道楽ラーメン屋』と呼んだ。



美味しかったわけでもないのに、毎年この時期になると誰かが言い出す。

「『道楽ラーメン』行かね?」

すぐ脇の道が桜並木で、風が降らせる桜の花びらがドンブリに入ったりする。
それだけなんだけど。

僕らの恒例になった。



いつ潰れるか分からないような店。
でも、今年もそこにあった。

来年も、その次の年も あって欲しいと思う。




2002年03月30日(土) 三日坊主のため息


いつのまにやら、桜が満開です。

―――

夜勤のペースから抜けられない一週間でした。

寝坊、3回。
遅刻はしてないけど(苦笑)。

…『春眠、暁を覚えず』、ですね(言い訳)。

―――

職場内の構造改革。
工場の中の大幅なレイアウト変更が行われました。
新しく出来る班のため、机を移動したり。

そして、僕は四月からとなりの溶接係に『応援』です。
五月いっぱいまで。
(いまの職場が)仕事がそんなに無い、ってのと
たくさんの作業者を抱えておくお金がない、ってのと。
立場的にも僕が出るのが順当、というのもわかるんですが…。

いまの職場に戻るのが六月。
で、六月の末には また種子島、です。

打ち上げが八月、十一月と続くので
どうやら六月に行ったら来年まで帰って来れなさそう。

…仕事の性質上、しかたないってのもわかるんですが…。

―――

例えば、クルマで走ってて車線を変更したいとき。
どうしても『そっち』に行きたければ、多少強引でも割り込んでいかなきゃ。
遠慮なんかしてたら、どんどん流されて知らないトコに行っちゃうよ。

友人に、そんな話をされた。

周りに気を使いすぎて、結局『流れ』に流されて…。

無理やりでも、結果周りに迷惑を掛けてしまっても
『車線』を変えなきゃならないときがある。

わかってたけど、わかってなかったんだろう。

『まわり』も、割り込まれたときはムッとするけど
すぐにそんなこと忘れてしまうさ。
自分が流れに流されないように、みんな夢中なんだから。

―――

たまに「やさしい」と言われることがあるけど、
なんてことはない。
僕は自分にやさしいだけで。
「やさしい」と「意気地が無い」というのは
似てるけど、別のもの。

―――

いつのまにか、春です。

僕のまわりも。






2002年03月24日(日) 『花曇り』


決断は、ときに痛みを伴う。

前に進むために、必要な嘘もある。

ひとはみな、自分が生きていくのに夢中で
他人の事は、思うほど気にしてない。気に出来ない。


僕はまた、嘘をつく。

…仕方なかったと、また嘘をつく。


2002年03月23日(土) コトコト。


今週は夜勤でした。

―――

僕はいわゆる『夜型人間』なので、夜勤は性に合っている。
深夜12時を廻ると、がぜん力が湧いてくる(笑)。

夜勤明け。
サングラス越しに見る朝日は、いつかの夕暮れを思い出させた。

朝陽はキライです。
なんだか、疲れがどっと押し寄せる。

―――

8月打ち上げ(予定)に向けて、機体は着々と出来あがってきています。
…とは言っても、部品が予定通り入ってこなかったり、その割 人手は余ってたりで 実際 夜勤も仕事が少ない。
休憩の合間に仕事、って感じで(苦笑)。
金曜の夜勤は、特に。

…で。
金曜日の昼(24:00)におでんを作ろうという話になった。
仕事の合間に、材料の買出し表を作ったり(笑)。

んで今日。
出勤途中に食材を購入。
朝礼(20:00)終了後、『作業班』と『下準備班』に分かれる。
昼が近づくにつれ、休憩室のほうからいい匂いが漂ってくる。

…?
おでん以外の匂いが混じっているのに気付く。
どうやら2班(ウチは1班)は『ラーメンパーティー』らしい(どんなんやねん)。

昼。
たっぷり3時間近くかけて煮込まれたおでんは、いい感じで味も染みて。

もー、食えねっす。。。(笑)


2002年03月22日(金) 三日坊主のツケ ��


春です。

いつのまにやら。

―――

人事異動の季節。
ウチの課も、大幅な構造改革が(笑)。

ロケット量産化に向けて、班が増えるようで。

『種子島常駐班』。
いままでは、名古屋の人間が出張というカタチで向こうに行って仕事をしてたのを、完全に名古屋と種子島で作業する人間を分けようと。
会社としては、移動に時間を取られる事も無くなるし、なにより出張費を他に回せるという魂胆でしょう。
けどそれは、現場を知らない『上の人間』が決めた事。
実際は、安定した量産化なんてまだまだ先の話だし、名古屋と種子島で作業を分けられるほど作業者もいないのが現実。
しばらくは、名目上の所属は変わっても 作業自体はいままで通りってのが続くようです。
でも、種子島に寮を建てるための土地を買ったとかいう噂も あったりなかったり…。

なんだかなぁ…。

ちなみに、僕も『種子島班』に 入ってます。

はぁ…。

―――

春です。

花粉症です。
鼻水ズルズル。
1週間でティッシュ1箱 なんて中学生以来(下品)。

仕事中なんて、首からトイレットペーパーぶら下げてたいくらい。
…実際、先輩でそれやってる人いるけど(苦笑)。

首から背中にかけて、ナゾの発疹も出てきてるし。
なにかしらのアレルギーかな?

日頃の生活が乱れてきている所為もあるのでしょう。

―――

気付けば、あのコからのメールがまた増えてきている。
なんなんだ。いったい。
…でも、まんざらでもない僕もいる。

内容も、1年前と似たり寄ったり。

また同じ場所に立ってる気もするけど、
それは同じに見えて『らせん階段の上と下』なんだろう。

1週間、メールが来なかったらもう割り切ろうと、思った7日目にメールが来たり。
思わず、こっちからメール返したり。
結局、他力本願。
煮え切らないまま。

『女々しい』ってのは、男のための言葉。
…けど。


らせん階段。
登ってるのやら、降りてるのやら。

―――

「桜は咲いた?」
っていうから、
「そっちの『春』は、まだ?」
と返す。

…日本語の会話になってない(苦笑)。

あーうー。

―――

春は、もう すぐそこまで。



2002年03月21日(木) 三日坊主のツケ ��


3月2日に、長かった出張生活もとりあえず終わり
無事、種子島から名古屋に帰ってきました。

もともと、『毎日コツコツ』ってのが苦手な僕は
帰ってきて「いつでも書き込める」(※)環境になると、ぱったり書き込むことも無くなり…(苦笑)。

※ 出張中はi−modoからの書き込みだったので、その日の事はその日の内に書き込まなければいけなかった。


そんなわけで、およそ半月分の『ツケ』を 取り戻すべく…。

―――

3月2日に、帰って来ました。
なにより、名古屋の 人の多さにびっくり。
そして空気の悪いこと!

空港に着いてバスに乗ろうとした僕。
バスは来てるのに、並んでる人は誰も乗りこもうとしない。
?
なんかあったのかな?
でも運転手さんも仲間と談笑してて、特に問題は無さそうなんだけど…。
…!
そうか!
―僕の並んでた乗り場からは行き先の違うバスが2本出ていた。
みんなその『別なバス』を待ってるんだ!
気付いて、バスに乗りこむべく人垣を掻き分ける。
…進まない。
「すみませーん!乗ります!」
無情に動き出すバス。

…。

まあ、次のバスには乗れたけど…。
やり場の無い怒りが湧き起こる。


名古屋駅に着いて、地下鉄の駅に向かう。
…と、なんだか怒鳴りあう声が聞こえる。
駅周辺を家にしている人が、酒の勢いでケンカをしていた。
警官が何人かでそれを止めに入ってる。
見て見ぬフリの通行人。
まるでそれが、当たり前のように。
自分もその中の一人、というのを棚に上げ 「なにも今日やんなくたって…」
なんて思ってた。
…自己嫌悪。


友達に連絡をとる。
「ひさしぶりだし、みんなで飲もうよ」
けど、みんなそれぞれあるようで(当然だけど)結局、ひとり。


人は多いのに、種子島にいるときより孤独を感じた。

4年も暮らしていて、
いまさら「都会は合わない」なんて言っちゃあ ダメなんだろうけど。

―――

課のスキーツアー(1泊2日)に行ってきました。
時期も時期だし、これが今年の初滑りで 滑り納め。
30人程参加して、ボードの人が僕含めて2人。
なんか、肩身が狭かったりします。
もうひとりの人、二日目は疲れてリタイアしちゃうし(苦笑)。
結局ひとりで滑る。

…ちょっと、攻めてみますか。
結構な勢いでジャンプ台(クォーター⇒ワンメイク台)に突っ込む。
ひとつめ、クリア。しかも、予想以上にキマった。
そのままのイキオイで ふたつめ。
…180°廻るつもりが、勢い余って270°(中途半端)。
肩から落ちて、顔面 強打。…流血(苦笑)。

それに気付かず滑ってたけど、みんながなんかこっちをチラチラ見てる。
「おいおい、そんなに見ないでくれよー」(←自意識過剰)

宿舎に帰って、後輩に「どうしたんですか!?」と言われて鏡を見る。

…ああ。みんな、コレを見てたのね…。

真っ赤なアゴを洗うと、まるで殴られたみたいな傷が残った。

…滑り納めだし(苦笑)。

―――

肩は、未だに力が入りませんが。






2002年03月01日(金) その後の、その後(改)

南の海に流氷が浮かぶのも、洒落てるな。

そう思い、砂浜から勢いよく 放り投げた。

…とその時。

「捨てるなーっ!!」

職場のおっちゃんが叫びながら走ってきた。
射点の立入禁止区域内の砂浜に入っていたので
注意しに来たんだな…。

「捨てたか?!」
「はい…でも…」
「どこだ? やっぱり俺にくれ」
「?」

―――

実はこのおっちゃん、息子が通う学校のPTA会長。
休憩中の雑談で、
以前、出張先から珍しいだろうと『雪』を学校にプレゼントしたら みんなとてもよろこんで…
という話をしていた。

その話を聞いて
親の考えることは、誰でもいっしょなんだなー
と、ちょっとうれしかったり。

流氷がある と
学校に連絡したら ぜひ欲しい ということで、慌てて後を追って来たらしい。
さっき、捨てる前に訊いたら「いらん」って言ったのに…。
さんざん笑った手前、みんなのいる前で貰うのはバツが悪かったのかな。
あとでこっそり…と思っていたら、
思いもかけず 僕が『放流』というシナリオに無い行動に出たので(苦笑)、慌てたんだろう。

―――

悪い足場と僕の弱肩が幸いして(笑)
流氷は、まだ砂浜から近い位置にいた。
波が寄せたときに、なんとかキャッチする。
おりしも この日の最高気温は22℃を記録(!)。
すでに元の半分の大きさになっていた『彼』は、
南の海の暖かさで さらに半分になっていた。

オホーツク海の砂は洗い流され、かわりに種子島の白い砂が付いていた。
僕は、それはそれでおもしろいと思ったんだけど
考えてみれば、これじゃただの『大きな氷』だ。
おっちゃんも ちょっと肩を落としてる。



…けどなんか、笑いが止まらなかった。

おっちゃんの慌て振りがおもしろかったわけじゃなく(それもあるけど)
それ以上に、この流氷の数奇な運命に想いを馳せると
自然と口許が緩む。


今頃 流氷は、好奇心いっぱいの子供達に 散々いじくられてることだろう。
きっと『彼』も喜んでいるはずだ。


…なにより、ウチの親父の想いも 報われたに違いない(笑)。

―――

後日談。

砂浜に向かう途中の電話は、おっちゃんからだった。
留守電にメッセージが残っていた。

それは息も切れぎれの、なんとも情けない声で

「捨てないで〜! おーい…捨てないでぇ〜…りゅうひょ〜…」

たっぷり20秒録音されたその声は、
聞くたびに 温かい笑いを呼び覚ます。


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