2025年08月17日(日) |
知床はヒグマに返せ! |
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オレは登山が好きだ。しかし北海道の山に関しては全く登らなかった。大学サイクリング部の頃に北海道で何度か林道を走ったことがあるが、それは大きな過ちだったと今は思っている。運良くヒグマに遭遇することはなかったが、その危険のある場所を走ったことは事実である。
まだ知床半島を横断する道路がなかった頃、ウトロから羅臼まで自転車を押したり担いだりして峠越えすることを考えたことがあったが、実際にとったコースはウトロからいったん斜里に戻って、斜里峠経由で根室標津へ出るというコースだった。時間的にもその方が早いしヒグマの危険も少ない。その翌年には知床峠の道路が開通したので、標津から羅臼経由でウトロに抜けた。知床峠から間近に見る羅臼岳は雄大だったが、そこに登る勇気はなかった。知床半島というのはヒグマの聖域だとオレは思っていたからである。
もちろん多くの人が羅臼岳に登っていることは事実だし、そこが登山者にとって魅力的な山であることも否定しない。北海道には他にも登山者を引きつける魅力的な山がたくさんあるが、少なくともオレは登るのが怖い。だってそこにはヒグマが居るからである。
暴論かも知れないが、知床半島はこれ以上観光地として開発すべきではないとオレは思うのである。斜里町の知床自然センターのところにある遊歩道からフレペの滝にある展望台まで歩く時、もしも遠くにヒグマが見えればオレは一目散に建物内に避難するだろう。駐車場に現れた小熊にスマホを向けて写真を撮っている方を見てオレは唖然とした。小熊が居ればその近くに母熊がいるに決まってるじゃないか。そして小熊でさえも十分人間を殺せるくらいの能力があるんだ。なんでそんなに無警戒なんだ。
知床横断道路をクルマで走るとき、もしもヒグマに遭遇したらどうしたらいいのだろうか。オレの運転するような小型車はヒグマに衝突すればいとも簡単に吹っ飛ばされるだろう。そうした事故が起きたとき悪いのはヒグマの方だろうか。そこに入ってきた人間の方じゃないのか。
北海道で人とヒグマが遭遇する事故が増えている。それは人間がヒグマの居場所を奪ってきたせいではないのか。釧路湿原にメガソーラーを作り、マナーの悪い観光客が自然のそこら中に残飯やゴミを捨て、ヒグマに人間の食べ物の味を教えてしまったからじゃないのか。人間が北海道の川に遡上する鮭を採りすぎたからヒグマの餌がなくなったせいじゃないのか。勝手にダムを造って生態系に取り返しの付かないダメージを与えたからじゃないのか。
ヒグマは北海道で食物連鎖の頂点にいる。その食物連鎖に人間が組み込まれるようなことが起きてしまうことは絶対に防がないといけない。そのための必要なのは棲み分けなのである。ヒグマには「ここにいれば絶対に安全」という場所を与えてやらないといけない。知床半島を観光資源として開発することは、ヒグマの安全を脅かすことであるのは間違いない。オレはそれがとにかく心配なのである。
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