凪の日々



■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■

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2010年10月20日(水) 夜の電話

夜、固定電話が鳴る時は、大概不幸の知らせ。
そうここに記したのはいつだったか。


固定電話が鳴る。
ディスプレイには見知らぬ番号。
あぁ、また、不幸の知らせだ。
当然のように思う。
見知らぬ番号、という事は、私ではなく、夫関係の不幸だ。
それは勘ではなく、もはや積み重なった経験のような気がする。

受話器を取ると、見事に的中。
夫の田舎の知人。

電話ごしのやりとりから推測すると、海から水死体が発見され、それが夫の田舎の同級生らしいと。


あの先輩だ。


昔、夫から、確か年賀状を見せてもらった事がある。
それとも結婚しましたの葉書だったのか。
夫婦でダイビングをしている水中写真の葉書。
共通の趣味で、夫婦で一緒に海に潜りまわっているらしい、と、夫から説明を受けた気がする。
お店を2店舗経営して、休みは夫婦でダイビング三昧。
当時は、そう聞いた。

それからどういう人生だったのかは知らない。
いや。おおまかには、知っている。
おそらく、夫より。
あの電話で聞いたから。

その後、一人東京から生まれ育った田舎に戻り、海で死んだ、という事か。
泳ぎが達者な人がどうしたら海で死ねるのかは分からないけれど、薬でラリって転落とかなのかもしれない。
転落ではなく、自ら潜りに行こうとしたのだろうか。
薬か、酒か、判断がつかなくなった思考で、素もぐりで、海の中を見に行こうとしたのかも

いずれにせよ、最後、海の中で、彼はとても幸せな気分で死んでいったのではないかと思う。
少なくとも、自宅を放火して焼け死んだ知人や、首をつって死んだ知人より、海の中での、最期の瞬間だけは、幸せな気分だったんじゃないかと。
わからないけど。


天ではなく、海に召された彼に、ご冥福をお祈りします





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