皇帝の日記
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ウイジが臭かった。
お風呂には定期的に入れているし、一体この小さな子が何故にこんなにこうばしいのかしら? そういえば、イサムさんも生後3ヶ月くらいで浮浪者の香に包まれていた事が有った。 それはまあシーツの汚れがきちんと洗えていなかったというオチだったが。
ウイジはウイジ自体が臭い。 マイ・ラブリー・ベイビー☆ウイジがホームレスの香。 家なき子。 うーん。 仕方ないのでもう一回お風呂につけてみる。
ウイジはお風呂が好きじゃないので、赤ちゃん用の小さなお風呂に入れる度に「ぎゃわわわわわわっわんんんん!」と泣くのであります。 顔は真っ赤、唇はわなわな震えて、体中に力を入れて本格的に泣きます。 しかも、お湯につかっている間ずっと。
なんという体力・・・。
そんな事もあって、お風呂は素早く! ちゃちゃちゃちゃっと入れてしまう。
だが今回は違う。 泣こうがわめこうが、とにかく匂いの元を絶たなければ。 がっちりと握られている手の平を開いて洗ったり、耳の裏をゴシゴシしてみたり。
泣き声に耐えながら、ウイジを丹念に洗って行くと・・・。
見つけた!ついにウイジの宝物を見つけた!
それは、脇の下と膝の裏。 むっちむちの肉に包まれて、今までじっと守り続けて来た得体の知れない白い垢。
垢と言うか、油の塊みたいな。
こ、これが伝説のウイジの油・・・。 不老不死の妙薬(嘘
泡立てた石鹸で丁寧に洗い流し、ついに無臭なウイジになったのです。 やれやれ。
皇帝

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