皇帝の日記
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市のプチ裁判所みたいなのに行って来た。
なんでそんなところに用事があるかと言うと、家を建て直すのに市の許可がいるから。 色々建築基準が厳しくて、この審査をパスしないとなんも建てられないのだ。
元々の家は、建築基準がまだゆるゆるだった頃に建てられたものだったので、色々と自由奔放にというか、適当に建てられていた感があったが。 今は防火装置とか水道の通し方とか電気の使い方とか、色々厳しい基準があるらしいのだ。 一度、家の設計を通そうとしたら許可が下りなかったので、今度は自ら裁判っぽいところに出て行って、「このような理由でこんな設計なので、許可をください」と申し立てなければならなくなったのだ。 その出頭が今回二度目。 うへー。
証人として来てくれたのが、設計した建築士のおっさんと、アシスタント、それから近所の方がボランティアで。 近所の人は、その近所がどんな風に復興中で、どんな風にそれが遅れていて皆がいらだってるとか、そんな事を証言してくれた。
しかし、そんなところにオラが行っても何もわからんがなー。 難しい法律のお話だものー。 子供の面倒もみなきゃ行けないし。 そしたら義母はウイジを連れてけと言うのです。 しかも、学校に行っているイサムさんも、わざわざ迎えに行って連れて来いって言うのです。 いや、言うのは簡単だがよ。
三ヶ月のウイジはともかく、イサムさんが大人しく傍聴しているわけが無い。 じっと座っているなんて、無理な話さ。 というわけで、傍聴席の折りたたみの椅子を一通りぱたんぱたんした後は、きゃっきゃっきゃっと遊んで、セオリー通りひっくり返って頭を床で打って「わあああああああ!!」と絶叫泣き。 つられてウイジもイナバウアー泣き。 阿鼻叫喚の地獄絵図ですよ。
ところが、これが元弁護士の義母の作戦だったのです。
こちらは家を建てる許可を、とにかくはやく出してもらいたい。 すると、そこに住む人間の顔が見えた方が、役人受けが良い。 その上、小さな子供が居ると「なんとかしてやらな」と思う気持ちが追加され。 赤ちゃんがいると「あの子にはすぐ落ち着いた家が必要だ」という気持ちになるのだとか。 そうなってくると、多少部屋数が多かろうが、「あの子が住むのに必要なら良いか」と甘くなって来て、最終的に「ま、なんでも良いか」とサインしてくれて終わり。
・・そんな風に事が運ぶもんかね。
と思ったら、運んだのです。 しかも即判決。
審査員達が赤子の泣き声に閉口したのかもわからんけど、前の人達の審査が2時間以上かかったのに、我々は30分程で終〜了〜。
おおー。
というわけで、今回はイサムさんとウイジが大仕事をしたのです。 でも、もっとも同情を買ったのは、泣き赤子両手に抱えた母ちゃんだったと自負していますがね。 ふふん。
皇帝

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