皇帝の日記
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金曜日に、ちょっと早めにイサムさんを迎えに行ったら、まだバルコニーで皆でオヤツを食べているところだった。
先生がこちらに気がついて、イサムさんに「ねえねえ、お父さんとお母さんが迎えに来てるよ」と指差しながら教えてあげたのに、イサムさん無視。
面白いので外から眺めていたら、しばらくしてまた先生が「イサム、お迎え来てるよ」と優しく椅子をひいて、こちらに身体を向けさせようとしてくれたが、これも無視。 すばやく身体を回転させ、何故か90度戻って外の風景を眺めるイサムさん。
おーい、お母さんだよー。
気がつかないイサムさん。 というか、毎回迎えに行っても、背後に密着するくらい近づいて行っても気がつかない事が多いのです。
それは、イサムさんが常に何かに熱中しているから。 何か、は毎日違う。 絵を描いていたり、車のおもちゃで遊んでいたり、磁石の不思議を解明しようとしていたり。 そしてこの日は、ただぼーっとしているけど、外の世界を無視したい気分らしい。
イサムよ・・・。
そして先生が3度イサムの注意を引こうとした時。 年長の(4歳くらい?)お兄さんがやって来て、バルコニーからこちらへ向かって言いました。
「あのねえ君達、僕たちはこれからオヤツの時間なの。イサムもオヤツを食べるの。だから忙しいから、もう帰って」
え。 帰れ言われた・・・。
ようやくこちらに気がついたイサムさん。
「まーみー。だーでぃー」 と指差し確認して、また席に戻って行った。
・・・。 僕らの存在価値とは・・・。
皇帝

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