皇帝の日記
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2012年03月24日(土) 工芸品修復

覚えている人は少ないかもしれないけれど、ジャバ夫さんがすてっきーなプロポーズをしてくれたハワイの楽園カウアイ島で、私ニイハウ貝レイを買ってもらいました。

プロポーズの為に貯金をはたいて婚約指輪を買ってしまったジャバ夫さん。
それなのに旅行の手配で、更に大枚はたいてしまったジャバ夫さん。
何も知らない彼女が、旅行の記念に欲しがっている貝ビーズのネックレス。

内心叫びまくっていた事でしょう。

というのも、このニイハウのシェルレイは工芸品。
ハワイの孤島ニイハウでは他に特別な産品も無いらしく、保護政策チックに価格が定められており。
ハンドクラフト、という位置付けで中国製の土産物貝ネックレスに比べると、異常な高額品となっているのでございます。
ニイハウ島で、ニイハウで採れた極小の巻貝に、ニイハウの人々が穴をあけて組んだネックレスだけが、ニイハウシェルレイを名乗る事ができるのでございます。
サザエでございます。

その美しいネックレスを、私沖縄の美ら海水族館の駐車場に落とし、車に轢かれて粉々にしてしまいましたね。
ふふ。
今も、目を閉じると、その情景が浮かんで来るようです。
うふふふふ。
ほろり。

購入したカウアイミュージアムに問い合わせるも、修繕すると買うよりも高くなっちゃうよ、また買いにおいで、とつれなくことわられ。
しかし捨てるに忍びなく、元の箱に収めて保存していたのでした。
引っ越しの度に「捨てようかな・・・」と思いつつ、プレゼントしてくれた時のジャバ夫さんの様子や、壊してしまった時の悲しそうな顔を思い出しては、またそっとタンスにしまったものですよ。
(そんな切ないなら、さっさと捨てれば良いじゃないかよ・・・

さて、思い出話はここまでで。

ビーズの作品を作っていて、ふと南国風の作品を作ってはどうだろうか、と思い立ったのであるが。
こうちょっと、南カリフォルニアの風を感じさせるような色合いでネックレスを組んだら、最高じゃない?
ねえミスター(誰だよ

そこでふと、参考になるかと、ニイハウレイの存在を思い出したのであった。
ごそごそ。

ほんで再び日の下に出て来たレイ。
むむむ。
やはり美しい。
大胆な色使いでありながら繊細。
むむむ。

む?

あ、あれ?
もももしかして、これ、レシピわからね?
じー・・・。

見つめ続ける事数十分。
私にはわかってしまったのでした。
その内部構造と言うか、組み方や成り立ちが。

それもそのはず。
ビーズにはまってからこの数ヶ月、ネット上や雑誌のビーズレシピを見続け、何度も試作品を作っていた私。
貝ビーズは組んだ事が無いとは言え、一部バリバリに砕けて内部が丸見えになってしまったレイの骨格など、まるっとお見通しだ!!
(物理的に丸見えだ!

それからというもの、毎晩猫らと子供らが寝てから、貝パーツを慎重に紐から引き抜き(ご丁寧に一列組む度に鑞で紐が固められていた)、割れて使えないのは除け。
残ったビーズを色別種類別に別けて、数を数え、また組み直す為のレシピを作り、長さを計算し・・・。




ついに、一本のチョーカーを作り上げたのです・・・。




ぱわわわわわわわ〜。
じーざすくら〜いす〜♪す〜ぱすた〜♪
ちゃらららら〜♪

そんなBGMに包まれている気持ちでした。

だがしかし、造りはわかったにしても、こんなおそろしく細かく、強くつまんだら割れちゃうような繊細な貝ビーズを使っては、二度と作品を作る事など無いでしょう。

だって本当に本当に大変だったもの!
目が痛いわよ!


皇帝