墓穴
座右の銘
『我が道を行く』

2006年02月04日(土) ANEさんに小説いただきまんたw

ANEさんにお誕生日プレゼントでかわいい萌え小説を頂きました!
ひゃっほー! 皆守!皆守!九龍!九龍!(百回繰り返す)
所有権を猿に頂いたし、許可も得たので皆様にこの幸せをおすそ分けw

ゲストページないしねーw
というわけで日記の方にあげさせてもらいましたw
皆、たのしめやー!(あたし太っ腹w)





★★★★★


「今度の連休、休みが取れた。遊びに行ってもいい?」
 年明け早々に転校した葉佩九龍からこんなメールが来た。まだあれから半月ほどしか
たっていないはずだが、そんな早々に休みが取れるものなのか? それより今度の連休、
すなわち2月の第2土日とその前日の建国記念日。
「・・・受験シーズン真っ只中じゃねぇか。あのバカ、俺が受験生だっつーこと忘れてん
じゃねぇだろな?」
 忘れている、あるいは初めから知らないか。
「・・・知らない可能性のが高いな」
 知らないとしたらなんとなく物悲しい。いや、忘れられていても同様ではあるが。自分
ほどには相手に関心がなさそうではある。
 ともかく、俺自身の受験は前週に終了しているので、たとえ周りがどうあれなんら不都
合はない。さっそく了承の返事をした。
 何はともあれ九龍が来るのはまだ2週間先の話なのだ。その前には当然受験が待ち受け
ているのだが・・・ 危うく忘れるところだった。

 当日、昼前に駅で待ち合わせ昼飯の後は適当にブラついた。陽も随分と傾いて来た頃、
ふと疑問に思い聞いてみた。
「そういえば、今日はどこに泊まるんだ?」
「え? 泊めてくんないの?」
 しっかりあてにしてたのにしてたのに、まぁなんとかなるかな? って、なんとかなり
そうにないから聞いてるんだっての!
「バカか。この時期受験生でお手頃価格のとこはほとんど満杯だぞ?」
 まして連休だ。金に糸目をつけなきゃ探せばあるかも知れんが、普通に高校生が泊まり
そうなところは、ほぼ満杯だろう。
「仕方ないから泊めてやるよ」
 何がそんなにうれしいのか、「わーい!」とばかりに喜ばれてしまった。
「ただし! 一応もう部外者なんだからな。バレねぇように気を付けろよ」
 あまりのはしゃぎっぷりに釘を刺さずにいられない・・・

 晩飯代わりの食料を買い込み(さすがにマミーズには連れては行けんだろう)部屋に落
ち着いた頃、今度は九龍に質問された。
「受験って、皆守はどうするの?」
「俺は一応先週終わった」
 へー、皆守も受験生だったんだと、変な感心をされた。高校3年生、受験生じゃなかっ
たらなんだ? 就職試験だって「受験」には変わりないだろうが。
「じゃ、この寮ももう少ししかいられないんだ」
「卒業すりゃあな」
 当然卒業してしまえばここの生徒ではなくなるわけだから、入寮の資格がなくなる。そ
うすれば就職していようが、晴れて大学生になっていようが、浪人していようが容赦なく
追い出されるわけだ。落第さえしていなければ・・・
「部屋、もう決まってんの?」
 そういえば、慌てて受験手続だけはしたものの、卒業した後のことまで頭が回ってな
かった。そもそも生徒会に入った時点で卒業後の進路も決まってたわけで。
「じゃあ明日、一緒に下見に行こう」
 大学の近くかバイト先の近くか。そういえばバイトも見つけないといけないな。授業料
はともかく、生活費は自分で稼がねば・・・ そう言うと「じゃ、バイトもついでに探そ
う」なにがうれしいのか、ニコニコと九龍が笑う。
 そんなこんなで翌日は俺の新しい部屋探しと、バイト探しに奔走する嵌めになった・・


 結局昨日は部屋とバイト探しに1日を費やし、今日は昼過ぎにはもう帰ると言う。一体
お前は何をしに来たんだ?
「そだ、皆守。こないだおもしろいモン見つけたんだ。これ、お前にやるよ」
 そう言い残し、小さな箱を置いて帰って行った。さっそく中を確認すると、「・・・
チョコレート?」しかも手作りっぽい?
 九龍の手作りチョコレート。なんなんだ? 何が入っているんだ? 恐る恐る1つつま
んで口に入れてみた。
「☆※□△○▽◇・・・・・・」
 不味いわけではない。だが、決して美味い物でもない。カレー味のチョコレート。なん
とも微妙な味だ。
 箱の底には手紙が入っていた。
「珍しいレシピ見つけたので、試しに作ってみた。味はどうだった? 美味いとは思わな
いけど(苦笑) ま、洒落だから(笑)」
 洒落だけで作るお前は暇人か? またとんでもないもの作りやがって!
 最後に一言「今度は大学の入学祝に帰るよ」と添えてあった。「早く帰って来い」そう
思いながらもう一つチョコをつまんだ。


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白猿