雑感
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ワルツの国に住んでいる。 年末のホーフブルク宮殿の舞踏会(バル)から始まって、カーニバル の最終日まで、冬の夜はどこかかしこでバルが催される。男性は タキシード、女性は華やかなロングドレスに身を包み、老いも若きも それぞれのバルに出かけていく。
バルの最高峰は国立オペラ座バルだけど、他にもっとお手軽なバルが いっぱいある。警察関係者のバル、弁護士のバル、パン屋のバル、 喫茶店主のバル、大学のバル、高校のバル・・という具合に。 冬のバルというのは、それぞれ属している社会(ゲゼルシャフト)の一員 としてかかせない社交場所となる。 したがって、17,8歳にもなると、ワルツのステップを踏めないと バルに参加しにくいので、社交ダンスの教室に通うことになる。国民に とって、社交ダンスは一人前の大人として市民としての最初のパスポート であろう。 女性のイブニングドレスはさぞかし高価だろうと思われるけど、そんな ことはない。ワンシーズンで着るものとわりきっている人が多いので、 安いものなら5千円くらいからでもある。もちろん何十万円もするドレス もあるけれど。
オーストリアで有名な音楽家というと、一番にモーツァルトを思い浮か べるがウィーン人は、ワルツ王ヨハン・シュトラウス(息子の方)である。 シュトラウスのワルツを聴くと、人々は古きよき時代を思い出すのだろう。 バルは明け方まで続く。
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