雑感
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2001年10月18日(木) シュリンクする世界

昨日デリー行きのオーストリア航空機に飛行中、座席に白い
粉が見つかり緊急にウィーンに舞い戻った。乗客乗員ともにしばし
隔離され、至急粉の分析が行われている。ただのいたずらだと思うが。

ウィーンに住む多数の頭にターバンを巻き、口ひげをはやしたシーク
人が外で暴言を浴びたり、暴行を受けそうになったとおびえている。
この人たちはまったく関係がない。
どこの国にも心ない人間はいるものだ。一部のイスラム原理主義の
テロリストを捕まえるための戦争の余波が無関係な人たちにまで
危険が及ぼうとしている。

飛行機の搭乗率は相変わらず低く、アメリカや日本からの旅行の
キャンセルが相次いでいる欧州。パリの高級ホテルは稼働率が
50%くらいにまで下がったそうだ。
反対に、イタリア領の南チロルあたりは、車で移動できる旅行先
として脚光を浴びているという。当地の旅行関係者は嬉しさを
あらわにせず、喜んでいるらしい。

欧州内でも日系企業は飛行機による出張を自粛している。外務省が
渡航延期勧告、注意喚起を出した国は32ヶ国に及ぶ。但し、戦争の
牽引車であるアメリカと英国は含まれていない。

炭そ菌が世界に広まっていく中で、人々の心の中にも異民族や異宗教
に対する不信感が増幅されていくようだ。
数日前、取り上げた原田大助君の詩には、「戦争にいくと
 かあちゃんとわかれないかん 好きな人と離れないかん。
 自分のためとちがうのに変な話や/戦争は地震じゃないから止められ
 るはずやろ」というフレーズがある。

戦争をやめてほしいと思う人の声が小さいのだろうかと問いかけて
みるかたわらで、CNNは毎日戦果を報告している。雑音ばかりだ。


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