雑感
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2002年04月05日(金) オペラ座の童

今週はたくさん走って運動モードでしたが、久しぶりに「ドン・カルロ」
を見てオペラモードに気分が切り替わりました。

仕事が忙しく、走りこんで疲れていたせいもあって、今日はどうしようか
しらと迷ったのですが、ひょっとしたら会えるかもしれないと思い、
がんばって、ギャラリー席への階段を三段跳びくらいにかけあがりました。

階上からボックス席を探します。いました、いました!パパの膝に
ちょこんと座ったAくん、当年4歳の坊やですが、おとなしく開演を待って
いました。

幕間にAくんと友人夫婦に会いに階下に下りました。ちょっと緊張した
面持ちですが、「オペラ楽しい?」と声をかけると、にやりと恥ずかしそう
に応えます。目下、プッチーニの「テュランドット」がお気に入りだそう
で、ヴェルディの「アイーダ」、今日の「ドン・カルロ」と私の好きな
演目ばかり♪
将来はおばさまと一緒に見てねと心の中でささやきます。

オペラの子ども料金は一律15ユーロで、よい席が取れると破格値です。
将来のオペラファンを増やそうという考えがあるのでしょう。
(マクドナルドのおまけ戦略と似ていますね)
今宵の私の席も映画を見るのと変わらない値段でしたけど、こういう
システムがあると一人くらい子どもがいればよかったからしらと
けしからぬ考えが浮かびます。

さすがに4歳児というのは、ちいさすぎるようで、係員から、ほんとに
大丈夫ですかと念を押されたそうです。たとえどんなに小さくても
本人が興味があれば、静かにすべきところではちゃんとするんですよね。
今日、Aくんを見ててそう思いました。3時間半の上演は大人でも
ちょっとつらいときがあるのに、しっかり見ていた彼にも拍手をおくり
ました。

「ドン・カルロ」のフィッリプ国王のアリアが好きです。権力者として
神の代理として、何不自由ない立場にあるのですが、愛情というものは
力づくで、思うようにできないジレンマに陥っている王・・
愛されない悲しみ、妻への猜疑心、息子への愛情と憎しみが込められて、
このアリア聴くためだけでも通う価値があるなと思います。

昔は高く美しいテノールの声にあこがれたものですが、ヴェルディの作品
を観て、テノールからヴェルディバリトン、バスへと低い朗々とした声
に惹かれるようになりました。


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