雑感
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今週はたくさん走って運動モードでしたが、久しぶりに「ドン・カルロ」 を見てオペラモードに気分が切り替わりました。
仕事が忙しく、走りこんで疲れていたせいもあって、今日はどうしようか しらと迷ったのですが、ひょっとしたら会えるかもしれないと思い、 がんばって、ギャラリー席への階段を三段跳びくらいにかけあがりました。
階上からボックス席を探します。いました、いました!パパの膝に ちょこんと座ったAくん、当年4歳の坊やですが、おとなしく開演を待って いました。
幕間にAくんと友人夫婦に会いに階下に下りました。ちょっと緊張した 面持ちですが、「オペラ楽しい?」と声をかけると、にやりと恥ずかしそう に応えます。目下、プッチーニの「テュランドット」がお気に入りだそう で、ヴェルディの「アイーダ」、今日の「ドン・カルロ」と私の好きな 演目ばかり♪ 将来はおばさまと一緒に見てねと心の中でささやきます。
オペラの子ども料金は一律15ユーロで、よい席が取れると破格値です。 将来のオペラファンを増やそうという考えがあるのでしょう。 (マクドナルドのおまけ戦略と似ていますね) 今宵の私の席も映画を見るのと変わらない値段でしたけど、こういう システムがあると一人くらい子どもがいればよかったからしらと けしからぬ考えが浮かびます。
さすがに4歳児というのは、ちいさすぎるようで、係員から、ほんとに 大丈夫ですかと念を押されたそうです。たとえどんなに小さくても 本人が興味があれば、静かにすべきところではちゃんとするんですよね。 今日、Aくんを見ててそう思いました。3時間半の上演は大人でも ちょっとつらいときがあるのに、しっかり見ていた彼にも拍手をおくり ました。
「ドン・カルロ」のフィッリプ国王のアリアが好きです。権力者として 神の代理として、何不自由ない立場にあるのですが、愛情というものは 力づくで、思うようにできないジレンマに陥っている王・・ 愛されない悲しみ、妻への猜疑心、息子への愛情と憎しみが込められて、 このアリア聴くためだけでも通う価値があるなと思います。
昔は高く美しいテノールの声にあこがれたものですが、ヴェルディの作品 を観て、テノールからヴェルディバリトン、バスへと低い朗々とした声 に惹かれるようになりました。
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