雑感
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2002年06月17日(月) 変貌する町並

月曜日朝、最初にやることは花屋に活け花を取りにいくこと。
つい、うっかりと花屋の前を通りすぎてしまったのに気づく。
何か変だ。

花屋の店先にいつも出してある花や植木が見当たらなかった。
「おはよう!」と挨拶するが、花屋のおやじの表情が冴えない。
「もう店を閉めることにしましてね・・・・毎月毎月売上が落ちて
もうだめなんですよ。」

店内を見渡すと、いつもは朝一番に買い付けた花々で賑やかなのに
今朝は、生花がなく、山百合のオレンジの花弁が寂しげに床の
上に落ちていた。
この花屋が店じまいすると、このあたりに花屋がなくなる。
これから、折々の季節の花をどこで買えばいいのだろう。

今朝の新聞にオーストリア最大の書店の倒産が報じられていた。
安売りの量販店と専門書まで扱うアマデウスという系列がある。
昼休みにはアマデウスの方で画材をひやかしたり、欧州中の
新聞や雑誌をめくっては楽しんでいたのに・・・この国有数の
ショッピング区域に花屋と本屋がないというのは、寂しいこと・・

この十年で、町並みはすっかり変わってしまった。まず路面電車が
消えて地下鉄に取って代わり、95年にEUに加盟してからは、
老舗といわれる店が、櫛ですくように消えて、新しい外国資本の
ブティックが増えていった。
つい先日も老舗の宝飾店が姿を消し、跡地にはスターバックス
の2号店が店開きすると工事現場に大書されている。
通りは靴屋とブティックばかり増え、肝心の日用雑貨を売る店
がない。

コンビ二のない国なので、必要物資をいちいち郊外にまで調達
しなければ生活が成り立たないというのはどこか間違っている。
ここは、首都なのに・・リングから500メートルと離れていない
ところで、このありさま。
朝から照り返す陽射で少しむっとした一日だった。


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