雑感
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自転車をともなっての遠征の最終日。 バート・イシュルから電車に乗ってウィーンへ帰る途中、 トラウン湖を通る。灰青色の山が湖の際まで迫っている景色を 車窓から目の当たりにみた。どっしりとした山の姿に魅せられた。 グムンデンで下車した。湖の北の方に位置する陶器で有名な 町。ここで降りたのが失敗だったことに気づいたのは 小高い丘のうえから一直線に湖へと下ったときだった。 10月も半ばを過ぎると観光客の数もめっきり減って、 波止場には出航する気のない観光船がぼんやりと浮かんで いる。 湖を眺めながら、サンドイッチをほおばっていると、 鳩が2羽パン屑をほしそうに寄ってくる。
相棒の自転車の記念撮影をしたあと、 再び、きつい坂をのぼって駅へと向かった。 最後の坂を登りきったところに、グムンデン焼きの直営店 の看板が目に付いた。花柄のコーヒーカップの本体を 割ってしまったことを思い出したので、同じ物を探そうと 店に入った。 グムンデン焼きで有名なデザインは、ライトグリーンの 縞模様か花柄だと思う。どしっとした重みのある農家風の 食器類は普段使いにちょうどいい。アウガルテンやへレンドの ように気の張ることもない。割れたら買い足せばいいだけ のこと。
少し底のすぼまったカップを買うことにした。8ユーロほど。 大切にくるんでリュックにしまう。このカップでしばし秋の 宵に濃い目のコーヒーを楽しむことにしよう。
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