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2003年04月20日(日) 三度目の約束



日記での私はどう見えているかわからないけど、
普段の私はへらへらして誰にでも心を許しているようで
誰にも本心を言っていない。
誰も信じていないし、味方が欲しいとも思っていない。
必要があればそのへんで「味方」をみつくろうこともあるけど、
そんなに深い仲にはならない。
深い仲になる理由がないからだ。


しかし、昔の私はそうではなかった。
少なくとも、15歳くらいまではまだ回りを
信じようと努力をしていた。
裏切られてもまた信じようとするバカなやつ。
利益がなくても相手が喜んでくれればいい、と
損なことを平気でしようとするやつ。
両親や親戚は自分に愛情をもってくれているのだと
思い込んでいたとんでもない間抜け。

だから、私が心の奥底に鎖でつないで閉じ込めておいた。
あと何回私に恥をかかせるつもりなのか
わかったもんじゃないからだ。
恥ずかしいったらありゃしない。


「彼女」は人を裏切るのが大嫌いだったけど、
私は平気で約束を破ったし、
人の顔が青ざめるようなことを笑ってやってのけた。
守りたいと思える約束なんかどこにもなかったし、
勝手にこっちを信じるのが悪いんだと思っていた。
今まで回りの人間に裏切られてきたのに、
誰が信じろっていうんだ。


これまでに、二度大きな裏切りをした。
その瞬間、「彼女」が泣いていたのを知っていた。
どうしようもなかったのだ。
自分を守って何が悪い?
私は自分を守るためにこうしているのに、
なぜ「彼女」が泣いてるのかわからなかった。
私が人を信じないのは「彼女」のためでもあるのに。
こうしなきゃ、あの人たちは「彼女」を
最初から守れるはずのない約束で縛りつけようとしていたのに。

二度目の約束を破った直後から、
「彼女」は私を口汚くののしりはじめた。
「ひどいよ」っていう時の口調は
二度目に裏切ったあの子そっくりだ。

そして、昨年くらいになって「彼女」は外に出たがった。


「あなたの中にいる、
 人を信じたい気持ちを捨てきれない私は、
 もうそんなに長くはここに留まれない。
 ほんの少しの間でいいから私を自由にして。
 そして、一度だけでいいから大事な人との約束を守ってほしい。
 そうすれば黙って消えてあげる」

「でもそのかわり、
 私に協力しないなら、あんたも道連れにしてやる」


私はまだ正気を保ちたいし、
「彼女」が本気だというのは私が一番よく知っている。
だから、ここにきたのは
「彼女」に居場所を用意してあげたかったからだ。
最後に、少しの間だけ自由にしてあげたかっただけ。


最初から、誰の共感も得るつもりはなかった。
「彼女」の人を信じたいあまりの叫び声は、
バカにされることはあっても
誰の心にも響くはずがないと思っていた。

「彼女」は知らないと思うけど、
私はずっと「彼女」を守りたかった。
閉じ込めておかないと
あと何回裏切られるかわからなかったから、
相手が味方かどうかにかかわらず
私が表に出て先に相手を倒さないと
いけないとずっと思っていた。

だから、共感を得るつもりはなかったとは言え、
見ず知らずの人が「彼女」の言葉をとりあげて
好き勝手に料理しているのが許せなかった。
そして、何かあってもおかしくなかったのに
何もせずにぼーっと見ていただけの自分もとてもいやだった。


そろそろ、私の中の「彼女」も寿命がつきようとしている。
誰かを信じたいあまりになんとか動こうとしているけど、
もう歩くだけでもしんどそうだ。
人を信じたい、わかりあいたい、約束を守りたいなんて、
バカなことを考えなければもっと楽に生きられたっていうのに。
自分のことすらわからないやつらのほうが多いのに、
あんたとわかりあいたいなんて思うやつが
いるはずがないじゃないか?

「彼女」は今、あきらめ顔ながらも
あと一、二年は頑張るつもりだと言って
こっちを見て笑っている。
でも、もうそんなに長くもつとは思えない。
「人を信じてもいいんだ」と思わせてあげられなくて残念だけど、
裏切られて最後を迎えるよりかはずっといいと思う。

もう懲りろよいい加減。
人を信じて何になる?
でも、聞こうとしないんだ。
わかりあえる、信じられると思った人を見ると、
「私」を飛び越えて外に出て行ってしまう……。


「彼女」がいなくなった後、
この空間が私に必要かどうかはまだわからない。
でも、もしもう一度誰かと大きな約束をする時がきたら、
今度こそは守ってあげないといけないのかもしれない。
たまには、利益とは全く関係のない人との
約束を守るのも悪くはないと思う。

問題は、大事な人がいないし、
見つけるつもりもないってことだな。
いい人そうなふりや口だけで人を信じさせようとしている「私」ではなく、
本当に人を信じたいと思う「彼女」が奧に潜んでいることを
見抜いた人だけが私を大事にしようとした。
でも「彼女」がいなくなったらそういうことはありえないし、
私も余計なかかわりを避けてずっと一人で生きていくだろう。

だから、三度目の約束を誰かとすることは、
「彼女」がいなくなったらもうありえないと思う。


表からリンクをはずした後も、
時々ここを誰かが見に来ていることは知っています。
でも、もしあなたがこの日記に好意的でないのなら、
もうしばらくの間だけ「彼女」をほうっておいてほしい。
バカ正直に人を信じたがる「彼女」がいなくなれば、
あなたが気に触るようなことを書くことはもうないと思う。
(その後「私」が書いたことにあなたがムカついても
 しったこっちゃないけど。)

私も、今までうまくやってあげられなかったお詫びに、
静かに「彼女」を送り出したいのだ。

そしてそれはきっと、そんなに遠い先の話ではないはずだから。


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