ぶつぶつ日記
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日本に仕事で来ているのは知っていたが、 忙しくてまだ会っていなかった友人に、 偶然彼女が現在働いている大学の前のコンビニで会った。 ヘジャブをかぶり、アラブ服(ロングコートのようなワンピースのような服)を着た人が目に入ったので、 さすが「TG大、アラブ人ね・・・。」と思っていたら、友人だった! 「レーケダ(なんで、そうなの?)」と思わず第一声。 だって、私が知っている彼女は、ごく普通の西洋服を着て、 ヘジャブをかぶっていない女性だったから。 話を聞くと、3年前からヘジャブ+アラブ服だそうだ。
フェミニストには理解しがたいものだろうが、 アラブ人女性やムスリマ(イスラム教徒女性)には、 根強い「ヘジャブ信仰」がある。 彼女たちの中には、ヘジャブをかぶる=女性としての完成形、 のように思っている人も多くて、 「いつかはヘジャブをかぶると思う(かぶりたい)。」 「でも、まだ早いから(人間的に未熟)。」 ということを、数人から実際に聞いたことがある。 上記の彼女は完全なインテリ女性、 独身時代、日本に留学し博士号を取っている。 だから、日本でヘジャブ+アラブ服を着たら、 どれだけ目立つか、そしてこのご時勢、 危険も伴う可能性があることを、 十分理解している。 でも、あえて、自分の意思でそれを貫いている。 実際に、私が茶化して、 「学生はアラビア語を勉強しているって気分になるね!(先生の服装をみて)。」と言ったら、 「学生のためじゃないよ、自分のためだよ。」と言っていた。
3年前、彼女に何があったんだろう。 状況を考えて、それが何であったか想像ができるが、 個人が特定できてしまうのでここには書かない。 問題が片付いた時、彼女の中でたぶんごく自然に、 「その時」が来たのだろう。 私は、こういう気持ちは、尊重すべきだし、 そうして身に着けているヘジャブを「女性の権利侵害」とは思えない。 女性の権利を侵害しているヘジャブは確かに存在する。 しかし、全てがそうだとくくれないのだ。 そして、ヘジャブのように目に見えるものだけが、 女性の権利を侵害するものではないと思う。
本当に恐ろしいのは、目に見えないものなのだ。
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