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2005年10月31日(月) レッスン:Bach - Grave, Fugue

今日はPくんが日本へ発つ日。昨日、電話で話したときにここから近い空港から朝6時15分のシャトルに乗る予定だ、と話していたので、ではここに念のために5時半に来るように、という話になっていました。5時には起きて、きちんと身支度も終えて、6時前には準備が整っていたのですが、なんと彼が来たのが6時20分。もちろん、私たちなりに彼と連絡を取ろうと手をつくしたのですが、それもかなわず、私たちはとにかく待つばかり。事情を聞くと、シャトルは6時15分から頻繁に出ているので、問題はない、とのこと。それはそれでよいにしても、では私はもう少し眠ることができたのに…と少し悔しい気持ちになりました。でも、彼は最近私のPCをかなりきちんと新しく整備してくれたので、あまり強く文句も出てきませんでした。(笑)

彼を空港まで送り届け、こんなに朝早く起きたのだから、と夫とレストランでブレックファストメニューをいただくことにしました。こんなときでもないと混雑したレストランではリラックスできない夫と食事にでることもままならないので、ある意味、とてもよい機会になりました。パンケーキにスクランブルエッグ、ソーセージ、といたって普通のメニューでしたが、パンケーキはとても久しぶりでしたので、おいしくいただきました。

帰宅後、少し横になりましたが、もちろん眠れず、そのまま学校へ。練習をしてからレッスンです。今日はまたバッハをみていただいたのですが、これまで目標としてきた「楽器を鳴らした状態での演奏」が大分できるようになっているからでしょうか、音楽的な部分でもっとコントラストをつけるようにというアドバイスをいただきました。バロック音楽のひとつの特徴に one movement, one affection、つまり、もしその楽章が喜びに満ちた感じで始まれば、全楽章を通してそのムードが保たれる、ということがあったと思うので、これまでは少し控えめな表現を選んでいたのですが、やはり聴衆の側に立ったときにはもう少し変化がほしい、ということでしょうか、もっと大げさに、ということを提案いただきました。また、先生のお手元にあった、古楽器の演奏、Elizabeth WallfischさんのCDもお借りしてきました。

帰宅すると同時に電話が鳴りました。最近お世話になっているオーケストラの人事の方からでした。直接電話がかかってくることはめったにないので、一瞬どなただったのかがよくわかりませんでしたが、すぐに「こんにちは。お元気ですか?」と普通の会話が始まりました。"We'd like to offer you a tour in Germany."以前から彼らがドイツツアーへ行くということは知っていましたが、まさか、正式なメンバーではない私にお話が舞い込んでくるとは夢にも思っていませんでした。今週末にはオーディションもあるので、きっとそこで上手に演奏されたかたとところにそういうお話もいくのだろう、と思っていました。とりあえず、「とても興味があるのですが、夫と相談したいので」とお話すると、あさってくらいまでに電話をください、とのことでした。

夫は夫で彼の打ち込むことでとてもよいニュースがあったようで、とりあえず、私のニュースと彼のものとをお互いに説明しあい、お互いのことに対して前向きに考えてみましょう、という方向性を打ち出したころ、また電話が鳴りました。

今度は私の友人でした。「今日、あいていますか?もしよかったらそちらまでいくので、夕食でも一緒にどうですか?」とのこと。最近ときどき電話で話すことはあっても、なかなかお目にかかる機会がないままもう何ヶ月も過ぎてしまっていたのです。「今日はハロウィーンということもあり、生徒たちもお休みをとっているので、家で練習はしようと思っていたけれど、夜なら大丈夫よ」とすぐに話にのりました。

ハロウィーンのため、子供たちに配るお菓子を用意し、約束の時間までは練習です。レッスンの後、リサイタルまで2週間、これで本当に間に合うのかしら?という気持ちになってしまい、その後、帰宅し、とにかくバッハを一生懸命練習してしまいました。でも、気持ちがどこかあせったような状態で、穏やかでなかったからでしょうか、腕にも余計な力が入ってしまったようで、一区切りついたころには腕の痛みを感じ始めました。

ある意味、友人に助けられて練習を中断。今朝の早起きで身体も疲れているところ、精神的なあせりも加わり、知らず知らずのうちに数時間でも無理がかかっていたのかもしれません。

車で30分くらいとのころで待ち合わせをし、つれていってくださったのは居酒屋さん。アメリカに来て初めてです。今日はハロウィーンでしたので、お店のかたがたも怪獣の着ぐるみをまとったり、シンデレラの格好をしたり、と仮装をされて楽しませてくださいました。いただいたのはグレープフルーツハイ、焼き鳥の牛タン、砂肝、レバー、しし唐の味噌いため、松茸の土瓶蒸し、お刺身、白魚のてんぷら、長いもの千切り、など、いろいろとおいしくいただきました。久しぶりだったので、積もる話も長くなり、11時半くらいまでお店で会話を楽しんでいました。リサイタルにもおいでいただけるということだったので、ではまたそのときに、と車に乗り込むと彼女が私の名前を呼ぶ声が聞こえました。ふと振り返ると、「これ少しだけど、今日おいしいケーキ屋さんに行ってきたから」とおすそ分けをいただきました。ふと箱をみると、見覚えのあるお店のシールがはってありました。「あ、これ、実は私のピアニストの妹さんのお店なの」以前からぜひ一度いただいてみたいと思っていたケーキをこんな形でいただけることになるとは夢にも思っていなかったので、うれしい驚きでした。

帰宅は12時。これだけ遅いともう練習も何もできません。(笑)こんな風にきちんと切り替えができるととても気持ちが良いものです。


けい |MAIL

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