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最近、演奏の仕事をしていて、ふと考えさせられることがあります。 それは、純粋に音楽だけに心を向けるだけでは超えられないハードルがあるという現実。
約2ヵ月後にこのあたりのメジャーオーケストラのオーディションがあると聞いて、興味を持っていました。メジャーのオーケストラですので、オーディションには何百人と集まりますし、基本的にはプロの演奏家が受けるようなレベルのオーディション。もちろんフルタイムのオーケストラですから、演奏会の数も多く、万一通ったとしても、今の私はそこでよい仕事ができる(一団員としてしっかりと貢献できる)ところまでには至っていないと思っています。けれども、オーディションなどの機会で緊張してしまう私としてみれば、とにかく数をこなし、場に慣れたい、という思いもあり、第一次審査のためのレジュメを送らせていただきました。が、一時審査通過ならず。
オーディションという重圧から逃れられるという安堵と同時に、演奏をする前に断られてしまうことについての多少の疑問。現在弾かせていただいているオーケストラのメンバーの方に話を伺うと、「人脈がないからに違いない」というコメントをいただきました。確かに私はそのメジャーオーケストラで演奏されている方にレッスンを受けたこともないですし(数年前に何度かレッスンをお願いしたことはありますが、今回のオーディションのためには動いていません)、確かに何の人脈もありません。
人脈。とても大切なことなのでしょう。ただ、それは音楽を演奏することとはまったく別のこと。私はあまり人に対して積極的に出るタイプではないですし、人脈づくりは苦手です。演奏の仕事をしたいと思えば、確かにいろいろな人を知ることが必要。でも、できれば音楽だけに集中したい。余計なことを考えずに、ただひたすら音楽のためだけに演奏したい。
今後もオーディションについて数人の方々にお話を伺う機会は作ろうと思っていますが、わざわざこの現実を覆すために動き、オーディションに行くことはないでしょう。
教えるにしても、演奏するにしても、音楽以外のことで頭を悩ませなければならないことの多いこの現実…。
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