永久という名の瞬間
2003年08月26日(火) 息苦しい部屋

 その扉を開けると、なんら特色も無い普通の教室があって、
淡い個性を身に纏った、イマドキの学生が席について各々雑談していて、
ほんの少しだけ真面目そうで、ほんの少しだけ他人より努力家の方々が、黒板に近い方に座っている。

 『これが私の日常』とレッテルを貼りたくなるような光景の中に、私も自ら溶け込んでいく時。
たまに私は恐れと気持ち悪さを感じる。
なぜって、私がいてもいい場所なのか、判らなくなるから。

 そして、今日はそれを感じた日なのでした。
・・・いや、お金払っているから、いてもいいとは知っているけど。
 

 なんていうのかなぁ。
 このへんてこな気詰まり感は。
 ようするに、学校にいる限り、暗い闇は滅多に見えない。
 でも確かにそれは存在していて、この私がいる空間の中にもあるかもしれないのだ。
 私はそれを気にしているだけ。

 この部屋の何人が、完全に正気を保って生きていて、どのくらいの割合の人間が、一歩間違うと奈落に落ちるような危ういところを歩いているんだろうか。
 そして私は、何処らへんにいる存在なんだろう?

・・・こういうことって、気になりだしたら、たまらないわ。


 昨日眠気覚ましに引っかいた右腕のキズが、赤く数本の線を描いている。
 イライラの挙句、自分で殴りつけた痕がどす黒く染まってる。
 この位の昏さなら、身に纏っていても、たいした事はないけれど。
 私の隣にあるかもしれない闇って、どんな色なんだろう?

 ふと、入学式の時に聞いた、先年の自殺者の数を口にした先生の声を思い出す。
 こうして私は、ありもしないモノに時々、心を連れて行かれる。

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photo by 東雲