永久という名の瞬間
2004年05月16日(日) ごみの宝物

捨てられないごみがあります。

貴方から貰った、ジュ−スの瓶。
貴方と買った、お菓子の包み紙。
机の中に、お守りと一緒に、お経とともに、お数珠の上にしまっています。
貴方から貰って、残っているものは、これと、メールくらいしかないもんね。

 もし私が自分で死期を決めるような事があれば…それを手に、事切れたいと思うのです。
 どんな形にしろ、私の躯の傍に転がるごみを、皆は何気ないごみとして捨ててしまうでしょう。それは私の狙いであり、それだからこそ恥ずかしげもなく、ごみを最後まで抱きしめられる。

 一般的に価値のあるものなんて、私には似合わない。
 私のなかで価値のあるものは、ごみに等しくて、十分です。


 たまに机の中から顔をだす二つのごみを見ていると、心苦しく、愚かだった時代を思い出す。…ああ、今でも愚かか。

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photo by 東雲