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2001年09月15日(土) ■ |
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雨中、霧中、夢中の決戦?! |
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秋季京都大会1次戦3日目 Eゾーン優勝決定戦 於・京都外大西西山グランド
東山 8−8 鳥羽 (8回裏降雨ノーゲーム)
鳥羽高校には借りがある。 一つは98夏の京都大会初戦、もう一つは昨秋の京都大会準々決勝だ。とくに昨秋はコールドをやられているだけあって、なんとか一矢報いて欲しいと思った。だけど、勝利なんて更々意識していなかった。今日負けたからといって、選抜大会への道が途切れるわけではない。他で勝つべきときがある。その時のためにいや〜な印象を与えておく。それだけで十分だ。 午後から天気が芳しくないとは聞いていたが、まさしくその通りだった。前の試合、「北嵯峨ー西城陽」が延長戦に突入しており、試合開始も遅れていた。グランド状態がよくなく、エラーが心配だなと思った。
東山は表の攻撃だった。四球とヒットでいきなり一死一三塁のチャンス。ここで、鳥羽の内野手にまさかのエラー。三塁ランナーが還り、思わす先制点。鳥羽高校の選手も人間なんやな(おいおい)、コンディション不良に感謝感謝。しかし、このすぐ後に、キャッチャーの牽制悪送球で2塁ランナーもホームイン。ラッキーな2点をいただいた。 「鳥羽高校がおかしい!」 1回裏に1点を取られたが、そのあと難なく追加点をとることが出来た。ランナーが出たら、野手がことごとくエラー。はじく・落とす・逃がす…。相手校ながら心配になってしまった。「これが鳥羽?嘘やろ??」。6回表を終わった地点で、8−1だった。嘘みたいなスコア。あと2回鳥羽の攻撃を抑えれば、「7回コールドゲーム」??!スコアボードに並ぶ数字を疑った。 試合の数日前、私は自HPの掲示板で「鳥羽戦で2番手の投手を使ってみても面白いのでは?」と書いていた。しかし、実際はあり得ないと思っていた。ところが、今日最初にマウンドに登ったのは、背番号「10」の1年生右腕・沢田投手だった。制球難がともなったが、上背があり、威力のある球を投げ込む。スピードガンに出る数字より速く感じた。鳥羽打線が沢田投手にてこずっていたのは、おそらく昨年も対戦したエース・関投手が出てくるのと読んでいたのではないかと思う。 ゲーム中盤、外野後方が霧で白くなりはじめていた。それが、東山にのしかかる暗雲でもあったようだ。 先発・沢田投手はおそらく「5回まで」と言われていたのだろう。6回裏にピッチャーが代わった。同じ1年生のピッチャー。旧チームから練習試合では何度か登板している。しかし、公式戦初登板のためか緊張からか力みが否めず、沢田投手以上の制球難に陥った。結局この回だけで2点を取られた。ただこの時はそれほどの不安はなかった。本来の鳥羽を考えるとこれくらいの反撃当然だろう。まだ点差は5点もあるのだから、アウトを優先的に取る「点差をふまえた守り」(甲子園大会にの「近江ー松山商」戦で解説の方が口にした言葉で、個人的にかなり気に入っている表現だ)をすればスコア差は縮まるが勝機はあるはずだ。 雨もすでに本降りになっていた。 やばいと思ったのは7回裏に入ってからだ。 6回途中から交代した2年生投手もピリッとしない。更に2点を許した地点で主審が「ピッチャー・関くん!」と声を上げた。私はネット裏で見ていたのだが、そこにいた東山関係者が「え?!関くん出すの?」と動揺を隠しきれなかった。小耳にはさんだところ、今日、関投手に登板の予定はないはずだ。普段ならピンチにも強くリリーフも出来る関投手だが、今日に関してはことに不安が先にたった。 鳥羽ベンチは俄然元気づいた。「おー、やっと出てきてくれたやんけー」「よしよし!」。相手にしたら、2番手を出されて決して愉快ではなかったのだろうと思う。(別にそこまで喜ばんでええやん、とは思ったけど(^_^;)) 不安が的中した。連打にバッテリーエラー…。あっという間に同点に追いついた。関投手は普段では考えられないほどボール球が多かった。四球を連発しなかったのは彼がエースたる所以だろう。なんとか同点でくいとめた。 攻守交代を始めようとしたとき、主審が双方の選手にベンチに戻るように指示した。試合中断だ。外野後方にあった霧がいよいよ外野を覆い始めたのだ。内野手の構える少し後ろまで白く、外野手は霧の中にぼんやり浮かんでいるような感じでかすかに姿を見せるだけだった。これでは試合ができない。 霧による中断は数分で解けたが、今後は雨だ。グランドはため池か川状態になっていた。観戦していた女子高生から「かわいそう…」という声があがった。周りではにわかに「降雨ノーゲーム説」が流れ出した。話を聞きながら、「ああ、その方がいいかも」と思った。今のままでは流れは鳥羽でし、まず間違いなく逆転される。一時に点差を考えるとチームが受けるダメージは小さいものではない。また鳥羽も序盤の屈辱的「エラー祭り」はなんとか消し去りたい事実だろう。 午後4時前、主審が出てきて、ホームベース前で「ノーゲーム」を宣告した。疲労だけが残ったゲームだった。翌日新聞でスコアだけ見て人になら、「東山もやるやん」程度のお言葉はいただけるかもしれない。でも、今日は間違いなく「勝てる試合」だった。「勝ってください」と言っていた。なら継投の失敗か?それは違うと思う。先発・沢田投手は今日のあの環境設定のもとで好投が出来たのだろう。欲張って7,8回まで投げていたら、どうなっていたかはわからない(もちろん好投の可能性は十二分にあるが)。なまじっかリードをしていただけに、難しい選択に迫られた場面が多かった。本当なら関投手をあの状態で投げさせたくはなかっただろう。でも、頼れるピッチャーは最後には結局エースだ。負けたら終わりではない試合ではなるが、無下に勝ちを放棄することはそう容易く出来るとこではない。 仕切直し、とにかく仕切直しだ!
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