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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2001年12月20日(木)
うちのおかんは掛布党?!


 ここのところ、阪神ファンにとってめまぐるしい日々が続いている。野村監督の辞任が濃厚になったころ、我が家では次期監督が誰になるのかという話で盛り上がった(我が家って…)。

 私は無難に岡田二軍監督の昇格を示唆し、父は新聞で仕入れた情報でもって、「仰木さんちゃうか」と口にした。しかし、母親は「掛布は?掛布」と言う。

 私たち一般にファンの間でも「掛布が阪神に戻ってきてくれたらなあ」と夢みることはある。でも、現役時代のゴタゴタを知り得る限り、暗黙の了解でそれは不可能なものとして取り扱われている。だから、冗談交じりで「掛布監督誕生や〜」とは言えても、こういう深刻なときにそう口にする人はほとんどいない。

 母は、空気の読めない阪神ファンではない。野球は嫌いではないようだが、自ら積極的に観戦したり、知識を備えようとは考えていない類の人だ。母の中では阪神の選手ではっきり名前が出てくるのは掛布氏くらいだったのだ。気ぃ遣いのA型の母は、私たちの会話を盛り上げようとしてくれていたのかもしれない。

 私は、母に「掛布は無理やねん、いろいろあったからな」と説明した。その時は、「ふーん」と言っていたが、数日後また同じ話が出たとき、「掛布は、掛布?」と言った。

 母は、痴呆が進むような年齢ではない。ただ、私の一言程度ではゆるがない固定概念があるのだろう。掛布は阪神の選手やったから、いずれは阪神の監督になる。純粋にそう思っているのかもしれないし、テレビで見る人柄に惹かれているのかもしれない。


 繰り返すようだが、ここのところ、阪神ファンにとってめまぐるしい日々が続いている。野村監督の辞任に星野監督の就任。そして、今日は、片岡選手の入団に田淵氏のコーチ就任も決まった。

 田淵氏は、電撃とも言われたトレードで西武に移籍した。その後、現役を引退した。その当時、阪神が一度コーチを依頼したが、断っている。彼の中にトレードされたことに対するわだかまりがあったのだろう。

 しかし、今回は快く引き受けてくれた、。監督である星野氏の気持ちを汲んだこともあったのだろうが、会見で彼はこう言っている。

 「阪神には10年間もお世話になったし、僕を育ててくれたので…」

 ああ、流れる月日は人を変えるんだなあと思った。
 以前は、田淵氏が再び阪神のユニフォームを着ることは難しいと言われていた。しかし、それが今回、見事に実現している。


 掛布氏が阪神に戻ってこないとも言えなくはないかな。
 一人そう思ってみたりする。