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| 2002年01月15日(火) ■ |
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| タクシードライバーと私 |
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学校を出てから、タクシーに乗ることが多くなった。職場でイヤなことがあったり、訳もなく淋しくなったりするときは、気分転換に駅からタクシーで家に帰るときがある。時々、姉に「あんた、お金の使い方間違ってるわ」と言われるが、はっきりいってほっといて欲しい。
そして、野球を見に行くときも駅から球場もしくはグランドに行くときはお世話になっている。やはり見知らぬ土地で、時間を効率よく使うためにはタクシーは必須だ思う。
今日は、私が出会ったタクシードライバーの話でもひとつ。
私の中で一番古い「タクシーに乗った」記憶は、8歳のときにさかのぼる。
当時、年末年始を使って帰省していた岡山在住の伯母を京都駅まで見送るのにタクシーを使った。
陽気なドライバーのおじさんは、私になぞなぞを出してくれた。 「2つ100円のりんごを2つ買うといくらになるでしょう?」 私は、「2つ100円のりんごが2つ」の言葉に頭がこんがらがった。当時小学2年生だった私が、単純な言葉のあやがわからないまま、車は目的地の京都駅八条口に到着した。おじさんは、「答えは今度乗ったときに教えてあげるわ」と言った。 今度なんてありゃしない。でも、私は「わかった」と言って、おじさんに手を振った。
2つ100円のりんごを2つ買ったら100円である。なんで、こんな単純なことがわからなかったのだろう。
「探偵ナイトスクープ」にでもハガキを出して探してもらおうかしらん。
悔しい思いをしたのは、学生時代に行った中国での話。人が日本人であることをいいことに散々遠回りして、わけのわからんところでおろした上、「これはお札が汚いから使えない」と新札を要求するも、そのボロ札は「使えないからいいだろ?」と返してくれなかった。でも、わたしたちには反論する語学力がない。屈辱に紛れて、見知らぬ土地と格闘した。
後で、関西弁でまくしたてると効果的であることが発覚。これから、個人旅行でアジアに行かれる方は、参考までに。
私が今まで出会ったタクシードライバーの傾向を見ると、野球好きと元呉服屋さんが多い。呉服屋さんはともかく、野球好きというのは、乗客の私に多少話を合わせてくれているのかもしれない。でも、ダメな人は全く無反応で、終始、黙ったまま車だけが走っているときもある。
夏の大会期間中に、「球場まで」と言うと、ほぼ100%「どこの高校を見に行かはるんですか?」と聞かれる。あるドライバーは、この年センバツに出場した鳥羽高校の選手を乗せたことを嬉しそうに話してくれた。「いや、どんなすごい子らかと思ったけど、みんな今時の高校生やね。でも、礼儀正しくていい子やったよ」。
有名高校球児をタクシーに乗せたというエピソードはわりとよく聞く。どこまで本当かよくわからないけど(^_^;)。
また、あるドライバーは、「ぼくも仕事の空き時間を使って、高校野球、見に行くわ。いや、試合やなくて、ブラバンの演奏を聴きに。あれは、いいよ。中にはコンクールで金賞とかとっているすごいところもあるし。いいよ。ゆっくり聴いているのも」と話してくれた。
練習試合を見に行くために、グランドまでタクシーを使うときはちょっと辛い。「先生ですか?」とか「誰か知っている人が出てるんですか?」とか聞かれるからだ。ただのファンじゃあかんのかいっ!
あーあ、高校生の頃なら、「誰のファンなん?」程度のノリも期待できたのだけれど。
あと、途中でメーターを止めてもらったことも何度かある。
岐阜県内の高校のグランドに行ったときは、電車の接続が悪いため、タクシーで町に出ることにしたのだが、そのとき、「大垣までいくらくらいで行きますか?」と聞いてみた。
すると、「3000〜4000円くらいかなあ?車の混み具合によるけど」という答えだったのだが、車の予想以上に込んでいた、市内に入るまでにメーターが4000円に達していた。
しかし、ドライバーのおっちゃんは、ここでメーターを降ろしてくれた。事前に4000円という上限を言ってしまった手前、そうするしかなかったのかもしれない。ちょっと得した気分だった。
またある日は、宮津球場で行われる第一試合を見ることを衝動的に決め、朝5時に流しのタクシーを捕まえて京都駅に向かった。
30代後半くらいのドライバーだったのだが、こんな早い時間帯に女一人でタクシーに乗ることがよほど不思議だったのだろう。「これからどっか行かれるんです…よね?」と不安気に聞いてきた。
私は正直に「高校野球を見に行くんです」と言った。すると、ドライバーは、「こんな早い時間から試合やってるんっすか?」と目を丸くしていたので、「いや、宮津球場の第一試合を見に行くんで、この時間帯に出ないと間に合わないんですよ」と答えた。
ドライバーは、「ひやー、そりゃすごい」と、私の妙な気合いをくみ取ってくれたのか話が盛り上がった。たわいもない話だったので今は内容こそ覚えていないが、最後に「いい試合になるといいですね」と一言。
その心遣いと、駅に入る前の交差点でメーターを降ろしてもらえてのは嬉しかった。(ドライバーさんによると、車庫入り前に客を拾えただけでもラッキーだから、とか)
一昨年、応援していたチームが夏の大会に負けたときも、帰りはタクシーを使った。一人で観戦していて初めての敗戦だったし、電車には勝った相手校の応援団もいる。そんななか乗ってられるかいな。
西京極駅前の乗り場に止まっていたタクシーの後部席に乗り込んだ。会社を抜け出してきたので一刻も早く会社に戻らないといけない。「烏丸御池までお願いします」
この時期、日焼けした姉ちゃんが乗り込んでくれば、球場帰りだ。ドライバーもプロだからそれくらいのことはわかる。「試合はどうでした?」。おじさんの一言に、私は思いのたけを話した。
「もー。聞いてくださいよ。負けたんですよー。もう悔しいっていうか残念っていうか、やってられませんわぁ。もう、私の夏は終わりですわ」
夏が終わったそのときの独特のむなしさ。分かち合える人がいないのは正直しんどかった。どうせ一生会わない人だからと、矛先をドライバーに向けた(今、思えばかわいそうなドライバーさん…)。
ドライバーのおっちゃんは、苦笑いをしながらも、話を聞いてくれた。そして、彼の知り合いの息子さんが私の応援している高校の野球部のOBであることが発覚。単純に話が盛り上がった。最後は、何がどうなったかわからないけれど、「阪神、がんばらなあかんで」。
1年で一番切ない時間が少し癒された気がした。 話の中で、私が室町で働いていることを知ったドライバーさんは、烏丸御池でメータを降ろし、それから細い路地に入ってくれた。渋滞が激しく、メーターがあがることも心配して、事前に目的地を側におる大通りの「烏丸御池」にしていたのだが…。
ドライバーさんは、最後に、「ま、元気出して、がんばりぃや。いつか行けるって、甲子園」と言って、笑った。いつかそのときが来たら、もう一度会いたい。
〜つれづれお仕事日記4〜
生憎の天気(京都南部→終日「雨」)で、マクド行きは中止。その上、食堂がババ混み。最悪。
仕方ないので、一番すいているラーメンコーナーで、野菜入り塩ラーメンを購入。レシートに印刷されている栄養表示の緑が、これまでで最高の「0.6」。ちょっとご機嫌になっていたら、目の前にアベックが座り、おもむろに食事を始めた。いいとこ大学のさわやかカップル。食事が、一気にまずくなった。なんか不愉快(-_-)。
そろそろ仕事がピークに達する見込みで、上の人はてんてこまいだ。私たちも新しい作業をいくつか任されることになった。飽きなくていい。
土曜日みたいな長時間残業を覚悟していたが、6時まででいいとのこと。ちょっとうれしい♪
最近、ミスが多くなってきた。早くも慣れによる気のゆるみか?
昼間、食堂で見かけたカツ丼がおいしそうだった。
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