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2006年01月11日(水) ■ |
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ありがとう |
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通勤途中、駅前ロータリーに車が止まった。「じゃ、気をつけて」「ありりがとう」。そんななんでもない2人の男性の会話に、何故か足を止めてしまった私。
声色からして、会社の部下が上司を駅まで車で送ったのかと思っていたが、視線の先にいたのは、制服姿の高校生。丸坊主頭に直方体バック。野球部員だとわかった。側にあった軽自動車に乗っていたのが、たぶん父親。
「ありがとう」と言ったのは、高校球児だった。高校野球では、感謝の気持ちをすごく大事にしているチームが多い。グラウンドで、球場で、たくさんの「ありがとうございました」を見聞きする。それはそれで素晴らしいことだけど、今ここで聞いた「ありがとう」は、ひと味もふた味も違うように思えた。彼は、グラウンドや球場と同じことをここでもきちんとやっているんだな。高校球児から遠いところにいる私が、彼の一番近い「ありがとう」を聞けたことを幸運に思った。
10代といえば、親をうざく思う年頃。そんななか、父親に素直に「ありがとう」と言えるなんてすごい。私は中学時代、父が塾の送り迎えをしてくれていた。にもかかわらず、「ありがとう」と言った記憶がない。自分のことばかり話して、イヤなことがあったときは八つ当たりをしていた。今となっては本当に申し訳なく思う。今の自分の心であの日に戻れるなら、どんなにイヤなことがあっても、「ありがとう」はちゃんと言いたいと思う。ただ、勉強をきちんとするかどうかは、自信ないけど(笑)。
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