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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2006年03月17日(金)
春はセンバツから…


 事務所で、社員が電話している。
 「雨降ったら、ないんやろ?雨降るから。うん、絶対降る」
 「おもしろいのあるん?組み合わせが決まって、“イマイチやな”と思うたら、入ってえや」

 社員は、再来週のシフトを組んでいた。年度が変わる4月頭は、忙しいようだ。特に、どうにもならんという日が一日ある。なんせ仕事が、普段忙しいと言われる日の2倍くらいある。私たちには、もう2ヶ月ほど前から、「休まんどってな」という通達が出ていた。

 にもかかわらず、シフトに×印をつけた人が1名。それが、社員の電話相手だ。「甲子園が見たいから」というのが、その理由。なかなか首を縦にしない彼を必死に説得しているのが、冒頭の一文。彼は、社内では私と双璧の野球好き。以前、「週末は絶対(センバツを)見に行きたい」と話してくれた。仕事量がオーバーヒートしている日は、その週末にあたる。平日、休まずにきちんと働く彼にとって、週末のセンバツ観戦は何より楽しみにしていることだろう。

 甲子園を見たいから仕事休む人間を、社員が懸命に説得する。他の会社なら、「そんな理由で休むなんてなめとんか!」と一喝されて終わるかもしれない。でも、そんな会社のカラー、嫌いではない。

 かくゆう私は、その日、センバツではなく仕事を選んだ。組み合わせを考慮し、あれこれプランをたて、わざわざ日をあけるのも悪くはない。でも、自分がもらった休日にたまたまやっていた試合を見に行く方が、縁深さとありがたみを感じるし、試合展開とはまた別のドラマチッックに浸ることができるから。