paranoia kiss
    

言いたくなかったことを言ってしまった。
築き上げたものを自分の手で壊すということ。
何が本当で、何が嘘かもわからなくなってきて。

黙ったままで居心地のいい空間を作っていれば
それだけでよかったのかもしれない。

君の顔色が変わってゆくのを見届けた。
ほんとうのことをしりたかっただけ。

うそにうそを重ねて。
そうやって時間が過ぎてゆくのを
ただ待ってるしかないのか。

どうしても君と体をあわせることができなくて、
現代医療に頼ってたいせつなものたちを手に入れた。
君はそれに気づいていた?
何事もないように振舞っているあたしが
何も気づいてないと思ってた?

君がいない夜に、お酒とタバコで紛らわし、
連絡のとれる相手と言葉を交わしていたのは、
やりきれないからだ。
一人の夜に君の事を想えない。

そんな君を選んでしまったあたしが甘かったのか。
何も言わなくても気づいてしまったあたしを
選んだ君が悪いのか。

父親には苦労ばかりを選んでいると言われた。
あなたに言われたように、
成功しても自分の努力、
失敗しても自分の責任。という育て方を
忠実に生きてみたらこうなってしまった。

勝ち組を演じているあたしは、
ほんとうは誰よりも負け犬。


2006年11月16日(木)



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